臨床検査学基礎実習 その2

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続いては、高橋先生・青柳先生担当の実習②です。実習②では、免疫学として「ABO式血液型の検査法」と、微生物学として「常在細菌の培養、観察、細菌の増殖の測定」を行います。

血液型の検査では、今まで思っていた血液型と違う結果が出た学生さんもいたようですが、これまでに大きな病気やケガをしたことがなければ、きちんと調べる機会もないかもしれませんね。また、生まれたばかりの頃は、健康で元気で、きちんと検査をしても違う結果が出る場合もあるので、その時の結果のままだったのかもしれません。

次に、微生物学の検査法の様子です。まずは、細菌の培養方法や観察方法を学びます。細菌は、名前の通りとても小さく、菌によってさまざまですが、1μm程度(1mmの1/1000)なので、そのままでは目で見えません。目で見えないと観察はできないので、まずは肉眼で観察できるよう「培養」を行います。

「培養」とは、細菌が生きているように、栄養素など工夫した寒天(培地、といいます)に細菌を塗り(画線、といいます)、37℃の中で一晩培養します。そうすると、どんどん増えて細菌の集団ができ、目に見えるようになります。これを「集落」とか「コロニー」といいますが、私はこの集落を見るのが好きです。今回は、血液寒天培地(赤)とBTB乳糖加寒天培地(黄色~緑)を使いました。

このままでは細菌がどんな形をしているか分からないので、「グラム染色」を行い細菌に色をつけて顕微鏡で観察します。染色をすると、紫色に染まる菌と、赤に染まる菌に分かれ、丸や細長いなど、菌の形も分かります。

細菌の増殖の測定では、細菌がどのぐらいのスピードで増えていくかを測定しました。大腸菌は約30分で二分裂をするので、1個の大腸菌は6時間後には約4000個にも増えるのです。なので、1μmの細菌が、一晩培養することで集落を作るのですね。

この班の学生さんは、来週は福島先生と石井先生の実習です。初めてのことばかりで勉強することも多くて大変だと思いますが、4月に入学した一年生が、臨床検査技師への第一歩を踏み出しました。

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