香川綾先生の師 ~吉岡弥生先生~
2012年3月8日
学科長の藤巻わかえです。
先日、静岡県掛川市にある吉岡弥生記念館に立ち寄りました。
吉岡弥生先生 (1871年~1959年) は、本学創立者の香川綾先生 (1899~1997年)
が医学を学んだ東京女子医専(現在の東京女子医科大学)の創立者で、綾先生
の師です。日本で27番目の女性医師であり、産科医でした。
私が東京女子医科大学に入学した時に、その人生を描いた映画を鑑賞しました。
1900年当時、女性にとっては医師になることが困難だった時代に女性医師だ
けを育成する医学校を創立したタフな精神に、圧倒されました。
吉岡弥生先生も香川綾先生も、30歳の頃にして、それぞれ医学教育と栄養学教育
に志され、夫婦で力を合わせて女子教育に尽くし、その生涯を大胆に逞しく生き
た点で酷似しています。
30歳のことを、孔子の言葉「三十にして立つ」から「而立」(じりつ)といい
ます。
而立は、「十代で学問を志し、二十代で研鑽を積み、三十代からいよいよ自分の
学問の世界を立ち上げていく」という文章の中に出てくる言葉です。
両先生はまさに而立の時に自らの道を歩み始めたのですね。
吉岡弥生記念館は、先生が生まれた旧•土方村(その後に大東町となり、現在
は掛川市)の閑静な田んぼの中にあります。生家は記念館の横に移転されて公開
されています(写真)。
掛川の駅から車で20分以上も離れて交通の便は不便ですが、機会がありましたら
ぜひ訪れてみて下さい。