JOURNAL KAGAWA ヨクシル
免疫と栄養学は関係ある??

栄養イノベーション専攻

免疫検査学研究室 
石井 恭子 准教授

免疫と栄養学は関係ある??

体内を守る「免疫」

 2020年2月頃から世界的に広まった新型コロナウイルスによる感染症パンデミック(世界的大流行)以降、“免疫”という言葉を何度も耳にしたことと思います。

 私たちの身体には入ってくる異物(細菌、毒素など)を排除するための仕組みがあります。生まれながらに備わっているしくみを自然免疫といい、無数にある異物をとにかく排除するようにはたらきます。異物それぞれについて特異的に反応し、排除するしくみを獲得免疫といい、B細胞、形質細胞、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞、メモリーT細胞等の免疫担当細胞が働きます。

栄養学と免疫

 通常病原体(抗原、異物)が侵入すると、図中の青色矢印のルートで応答が起こります。免疫担当細胞が活性化し、侵入者(抗原、異物)を排除しようとはたらきます。一方、図中の赤色矢印のように、予防接種(ワクチン接種)で弱毒化あるいは不活化した病原体を接種すると、身体の中でワクチンに対する免疫応答が起こります。すなわち、免疫担当細胞の活性化が起こり、抗原特異的免疫記憶を獲得させることにより実際の病原体による侵入が起こった時にその感染を防止することになるのです。

 免疫担当細胞の働きは栄養ともかかわっています。低栄養による免疫機能障害は末梢血リンパ球数の減少や貪食機能低下等、様々あるといわれています。栄養学を学ぶことは免疫学だけでなく健康に役立つ知識を増やすことが出来るのです。

先生からヒトコト

▲石井 恭子 先生

▲石井 恭子 先生

本学で栄養学を学ぶことは、免疫学だけでなく解剖学、生理学、生化学等々、身体の仕組みを学ぶことでもあります。創立者香川綾先生の言葉「食は生命なり」を具体的に学び、自分自身だけでなく多くの人々の健康に役立つ知識を学ぶことが出来ます。

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