栄養イノベーション専攻
微生物学・臨床検査学研究室
井越 尚子 教授
栄養士資格のある臨床検査技師の強みを活かす
栄養士×臨床検査技師
本学の強みである栄養学を土台にした臨床検査技師、ダブルライセンスを活かせる場として、在宅医療での臨床検査技師の活躍について10年近く調査してきました。以前は、ご自宅で亡くなった方を看取るケースがほとんどだった在宅医療が、2000年代に入って急速に対象となる方々が変わりました。
なぜでしょうか?
少子高齢化の進む中、国の政策である地域包括ケアシステムの要は『在宅医療』です。超高齢化の急増による医療費を削減するため、病院は特別な病気や救急や重症な場合を受入れ、生活習慣病のような慢性疾患や先天性の疾患は地域で診るように、と体制を打ち出したためです。
ここで、見方を変えてみましょう。
病院を“地域”に、診察室や検査室を“自宅のベッド” と考えてみてください。そこに病院と同等の検査ができれば、患者さんもご家族も助かる方が多いはずです!
『在宅医療』とは多職種が協働するチーム医療であり、一人一人のホスピタリティがとても大切です。栄養士資格を持っていると言う点で、病院では、栄養サポートチーム(NST)のメンバーになる機会はありますが、患者さんの居る在宅の場の方が、もっと身近に様子に触れながら、学び得たことを活かして寄り添うことができます。
在宅検査技師の活躍(本学卒業生の様子)
自宅の患者さんは安心かつリラックスされています。ご家族もすぐそばにおられます。その中でもコミュニケーションしながら、採血や心電図検査などの業務を進めます。 医師に同行する場合、治療方針や病態の変化を知ることもできます。
また、技師単独で訪問し、コロナやインフルエンザの結果をオンライン診察で即知らせ、即対応もできます。
在宅医療の最近の動向
厚生労働省医政局指導課 在宅医療推進室 在宅医療の最近の動向2022より抜粋
先生からヒトコト
≪病院の中から地域へ一歩!≫のスローガンを掲げ、在宅医療へ参加しよう!と在宅検査技師(仮称)の活動を啓蒙しています。視野を広くもって、自分の可能性を見つけませんか?