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女子栄養大学のいま
KAGAWAの調理、製菓の魅力を語る
学園

KAGAWAの調理、製菓の魅力を語る

2024.01.24
香川調理製菓専門学校は、創立者香川綾の想いを受け継ぎ、「食を実践する」人材を養成するために、1959年、東京都で第1号の調理師養成校としてスタートしました。卒業生は1万3千人を超えています。

こうした伝統のある本校ならではの教育の魅力、調理・製菓の魅力について、専門学校部長の遠藤徳夫先生を中心に、4名の教員の皆さんとともに語り合い、その内容を発信することとしました。

参加いただくのは、皆田健太郎先生(日本料理)、土屋純一先生(中国料理)、広田昌利先生(西洋料理)、川内唯之先生(製菓、プランタン責任者)です。


遠藤 まず、KAGAWAの教育の魅力について、それぞれお話いただけますか。

皆田 KAGAWAで日本料理を教えてすでに20年が経ちます。着任した当初から取り組んでいるのは、包丁研ぎ、基本的作業としての切り物の徹底、そして料理づくり。その集大成ともいえるおせち料理づくりに、今年度も2日間かけて取り組みました。

ー一つ一つの授業が丁寧で、一人一人の先生が熱心
KAGAWAではどの料理領域でも丁寧な授業が行われています。また、生徒がいて授業が成り立つので、広報活動も教員自ら高校を訪問して行っています。校内で高校生を対象に行う体験入学セミナー*も年間30回以上実施しています。教員も職員も、生徒のためなら、一生懸命になれます。

注)体験入学セミナー:高校生が来校して、実習施設を使って実際に料理やお菓子作りに挑戦するセミナー。校内の様々な施設を見学することもできる。


ー悩んだ時も嬉しい時も卒業生が遊びにきている学校
私自身、ここで働き出した時から良い学校だと思っていて、それは今も変わりません。生徒たちも同じように感じてくれているようです。先生たちは皆やる気がある。私もがんばっているけれど、他の先生方もがんばっている。そう思って1年1年大切に取り組んでいます。そういう学校だから、卒業生たちもよく遊びにきてくれるのだと思います。

ーデモンストレーションをしっかり見て、生徒自身が再現してみる実習を重視
実習では季節を取り入れた料理で献立を考え、デモンストレーションでは必ず大皿盛りと個々盛りで作ります。献立や味はもちろん、盛り付けの美しさにもこだわります。実際に私が作り上げ盛り付けた料理を、生徒たちが写真撮影し、それぞれの実習台で再現していきます。また、2年間学ぶ調理マイスター科では、ホテルなどで給与をいただきながら実習できるデュアル実習を体験できることも魅力です。

ーKAGAWAで働ける喜びが、生徒にも伝わっている
歴史と伝統のあるKAGAWAで働ける喜びが私の中にあります。そのことが生徒たちにも伝わっていて、今のKAGAWAの人気につながっていると思います。

②皆田先生


土屋 私も、皆田先生と同じで、21年目になります。私がこの学校を選んだのは、しっかりした中国料理の学びがあるからです。創立者香川綾の「食は生命なり」という理念は、まさしく中国料理と一緒です。

ーこの学校には中国料理の授業がしっかりある
他校では中国料理が選択制だったりするなかで、本校では日本料理、西洋料理、中国料理の授業時間が同じです。中国料理だからといって肩身の狭い思いをせず、授業を行うことができています。現在、東日本の学校のなかで、中国料理で就職している本校の人数は一番多くなっています。中国料理の魅力が伝わっているから、就職者数も多くなっているのだと思います。

ー学校の教員であり、中国料理の料理人でもある
私は、日本中国料理協会に現在も所属しています。現役の料理人の時代から、そして今も、中国料理業界を盛り立てていかなければならないという使命を感じています。ですから、就職に結びつく授業を常に心がけています。

ー基本は生徒全員が取り組むトレーニング実習
実習では、おとなしい生徒は見ているだけになりがちです。本校の実習は「やる」を基本としています。やってみて、自分にもできることがわかれば、次のステップへと進み、成長につながります。生徒たちの中国料理の技術レベルは高く、それが就職の実績に成果として表れています。ここで働き出して20年、教え子が有名ホテルの総料理長になるという夢を持っています。まだ実現していませんが、いつか叶うと信じています。

ーこれほど卒業生が遊びにくる学校はめずらしい
昼間会うこともあれば、仕事が終わった後にゆっくり話すこともあります。話の大半は人間関係の悩み、職場での悩み。相談してもらえる立ち位置にいることは教員にとって大切なことです。教員だけれど、料理人としての生き様も見せていかなければならないということを常に意識しています。授業でも、一番身近にいる先輩というイメージで教えています。怒るときは怒るし、笑うときは笑います。

ー料理の基本技術とともに、人間として必要な基本姿勢を教える
今年は、包丁の研ぎ方を5~6回入れました。原点に戻り、基本的なことが確実にできるようにと考えています。最先端の料理を教えることは教員としての自己満足ではないのか。それよりも、挨拶ができる、意思をはっきり伝えられる、コミュニケーションがとれるといった人間形成が重要だと考えています。これからもっともっとそういう方向に進んでいくと思います。

③土屋先生


広田 前任の先生が退職されて2年が経ち、KAGAWAらしい、自分らしい教育とはなにかを考えた時、改めて基本が大切だと考え、基本を中心とした教科書づくりからスタートしました。

ー基本の大切さを見直し、基本一つ一つを徹底する
基本とはなにか。包丁の持ち方、研ぎ方。食材に適した様々な切り方。茹でる、焼く、蒸す、煮る。こうした基本ができて初めて料理ができます。例えば、玉ねぎのスライスはできても、炒めることができなければ、オニオンスープはできません。基本一つ一つを徹底して教えていきます。基本を覚えることは反復練習です。そうすることで基本は着実に身に付いていきます。

ー基本一つ一つを集めて、初めて料理ができる
料理については座学で学ぶだけでもいいという感じで教えています。というのは、料理を教えても、材料、調理法、作る時間などがまったく同じお店はないからです。実際お店で提供される料理は、様々な要素の組合せによって、それぞれ微妙に違っています。だからこそ、切る、焼く、煮るといった基本的作業のパーツパーツを身に付けることを重視しています。その方が現場で生かすことができるし、それぞれのパーツを合体することで対応することもできます。

ー教える領域が広いから、教員同士互いの専門性を尊重し合える
西洋料理は教える領域が広いので、専門領域の異なる先生方と分担することも必要になります。コース料理であれば、前菜、スープ、肉や魚のメイン料理、デザート、パンまであります。本校にはパンやお菓子を専門とする教員がいるので、それぞれの専門性を尊重し、任せ合える環境があります。その中で、私も自分の専門領域の責任をしっかり果たそうと考えています。

ー教員と生徒の距離が近いから、聞ける環境がある
私自身現場にいた時、忙しさもあり、先輩というのは怖い存在で、質問がしづらく、仕事は見て覚えるという環境の中で育ちました。そうした調理業界の風土はいまもあると思います。だからこそ、学校では、わからない時にいつでも質問できる環境を整えることが大切だと考えています。KAGAWAでは、教員が生徒の身近なところにいて、いつでも聞ける、いつでも話せる環境づくりを心がけています。

④広田先生


川内 この学校にきて11年目になりました。その前は、ホテルに勤務していて外部講師として本校に来ていました。その時から、先生方の生徒の皆さんへの指導があたたかいことが印象的でした。

ー生徒に対する先生方の指導があたたかい
こうした指導のあたたかさがKAGAWAの良さだと思っています。そして、体験入学セミナーなどを通じて、高校生にも、表面では伝わりにくい部分まで伝わっていることが、これだけの生徒が本校を選んできてくれていることにつながっていると思います。

ー1年間でコンパクトに製菓が学べる
KAGAWAでは1年間でコンパクトに学び、就職も100%できています。ホテルへの就職もコロナ禍を乗り越えてきた実績があります。校内に設置している「菓子工房プランタン」の臨地実習では、生徒たちが自ら、お菓子づくりの企画から製造・販売までを体験することで学び、総合的な実践力を養っていきます。

ー営業実習施設としてのプランタンの存在、社会の状況にあわせて変化していく姿
「菓子工房プランタン」は実践教育の場としての営業施設であり、全国的にみても唯一無二の施設といえます。プロのパティシエが実際に働きながら運営をしていて、限られた環境の中で成果を出そうとしているので、生徒たちも緊張感をもって学ぶことができます。現在、プランタンでは工房を増設中で、この4月から稼働し始めます。手作りの良さを生かしながら、人口減少社会において大型機器もうまく使ってどう効率的に生産していくのか。新たに挑戦していく姿を生徒たちに見せていくことができます。これも、他校では経験できない学びといえます。

ー全員が強いメンタルを持っているわけではない、弱くたって成長できる
メンタルの状況も人それぞれ異なります。できなくて失敗しても当たり前。あたたかく見守ってしっかりサポートしていきます。大切なのは、生徒一人一人が成功体験を重ねていくこと。本人にやろうという気持ちがあれば、その気持ちを大切にあきらめずに続けていくことで、少しずつ成長していくことができます。

⑤川内先生


遠藤 皆さんありがとうございました。ここからは、KAGAWAの教育で重視していること、本校らしい教育の魅力、先生方の想いなどについて、語り合っていきます。

KAGAWAではやり方だけを教えているのではない。なぜそうやるのか、そうやるとどうなるのか。目的や結果もあわせて、総合的に教えている。

広田 例えば、包丁の扱い方。切り方の前に、研ぎ方を教えます。最良の状態に整えて使わないと、出来ばえも最良にはなりません。包丁の形や大きさは様々。野菜を切る、肉をさばく。用途によって包丁を使い分けます。この食材にはどの包丁を使うのか。適した包丁だと使いやすい。そこまでを教えています。

土屋 プロならスポーツ選手がそうであるように、道具が結果を大きく左右するので、細部にまでこだわります。料理人にとってその道具が包丁です。

遠藤 生徒が自分用に持っている包丁の種類も多いです。とにかく使って慣れていくことが必要ですから、鍵のかかるケースにしまって、自宅練習のために持ち帰れるようにしています。

皆田 本校に着任当初、校長からすまし汁を作るようにいわれて、いつもどおりに作りました。すると、塩分濃度計で測定され、合格といわれました。この時、私は舌で確かめて作ったのですが、本校には創立者が開発した計量カップ・計量スプーンとともに調味パーセントの考え方(食材の重量に対して調味料の分量はどのくらいがよいのか)があります。それを使った本校ならではの教育を行うことができます。私もこの学校に来てそのことを学び、新たな気づきを得て、教育に生かすことができています。

⑥包丁

学校は、教員が生徒を一方的に指導する場ではない。教員が取り組み、生徒が取り組む。教員も成長し、生徒も成長する。共に創り上げていく場としての機能が、他校より少し優れているのかもしれない。

土屋 とにかくやらせる、やってみる。そのことが成功体験となり、次のステップにいく。カリキュラムづくりやメニューの構成は、毎年改善を重ねています。生徒の様子を観察し、生徒にあわせた内容になるよう工夫しています。教科書どおりではうまくいかない。教員も教育もアップデートしていくことが必要です。そして、先生が料理をつくるのを楽しんでいないと、生徒にもその楽しさは伝わらない。私自身、日々楽しんで、料理と向き合っています。

広田 本校には明るい雰囲気があるのも特徴です。高校生が来校して料理づくりに挑戦する体験入学セミナーでは、生徒たちもサポーターとして参加しています。生徒たちが高校生に接している姿からは、日頃先生たちが生徒に接していている姿が感じとれます。高校生たちも生徒を通して、そのことを感じていると思います。

川内 プランタン実習では、生徒たちの作りたいものがはっきりしていて、実習の満足度も高くなっています。買いにきてくださる方も楽しみにしてくださっていて、すぐに売り切れてしまうこともあります。物価高騰で価格があがっても、以前と変わりなく購入いただけている。地域の小さなパティスリーとして、お客さまと共に創り上げている魅力があります。

⑦遠藤先生

ここで学ぶ生徒たちが働くこれからの社会をよりよくしたい。調理師やパティシエが働く環境や社会的評価の向上に貢献したい。

土屋 フランスや中国では料理人の社会的評価が高いけれど、日本ではまだまだです。スポーツで活躍するプレーヤーが十分な報酬を得ているように、優れた技術や労働の対価にふさわしい額が給与として保障されることは重要です。調理師やパティシエといった食に関わる職業がもっともっと誇れる職業であってほしい。あきらめずに、社会的評価を高めていくことを目指していきます。

川内 製菓は、人様を笑顔にする仕事。能登半島地震後に大手パンメーカーが大量のパンを提供しているニュースが流れていましたが、大変なときに寄り添うことができる仕事です。やりがいや誇りを持ち続けられる職業にしたい。これから社会が変化していくなかで、簡素化された料理だけが求められ、職人のもつ技術やおもてなしの文化が消えていくことのないよう、社会システムを変えていくことも大切です。専門学校だけではなく、女子栄養大学や短期大学部がある食の総合学園として、社会に働きかけていきたいと思います。

遠藤 「食は生命なり」という創立者の想いを、教員として料理人として生徒に伝えていくとともに、社会全体でその想いを具現化していきたいと考えます。私たちには、KAGAWAの実践力で、食を通して人々に感動や幸せを届ける職業人を養成していく使命と、社会をよりよく変えていく使命があります。KAGAWAの教育力をさらに磨いて、そうした使命と強い意志のもと、在校生や卒業生の皆さんからも、そして社会からも、信頼される学校としてあり続けていきます。

⑧ラスト

座談会及び写真撮影は、専門学校内にある営業調理実習のための施設「レストラン松柏軒」で行いました。




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