齋藤 陽子さん Saito Youko
栄養からのアプローチで
健康なまちづくりを
目指していきます。
厚生労働省 健康局健康課
栄養指導室 室長補佐
齋藤 陽子さん Saito Youko
2003年
女子栄養大学
栄養学部栄養学科実践栄養学専攻卒業
2005年
女子栄養大学大学院 栄養学研究科
栄養学専攻修士課程修了
2007年
女子栄養大学大学院 栄養学研究科
栄養学専攻博士後期課程中退
2007年に厚生労働省に入省し、健康局総務課生活習慣病対策室に着任。その後、栄養調査係長として「健康日本21」の最終評価、「健康日本21(第二次)」の策定に従事。2012年に関東信越厚生局健康福祉部指導養成課で管理栄養士養成施設の指定や全国の養成施設の法令遵守状況を確認する指導調査に従事。2015年に消費者庁食品表示企画課、2017年に厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課を経て、2019年から現職。
「社会に尽くす」という思いがベースに
管理栄養士の資格を有し厚生労働省等で勤務する栄養系技官は、保健、医療、介護、福祉、教育など様々な領域における栄養の課題を解決し、人々の健康状態や生活を改善するための施策に携わる者です。私が入省した当時は10名にも満たなかったのが、社会や人々の栄養へのニーズの高まりとともに採用が増え、この十数年間で30名を超え、多様なバックグラウンドの者が栄養系技官として活躍しています。私自身は、現在は栄養指導室で、栄養士法や調理師法に基づく管理栄養士等の専門職の育成、健康増進法に基づく食事摂取基準の策定、国民健康・栄養調査の実施など、国民の健康づくりや栄養状態の改善に関する業務全般の企画・調整を担っています。祖母と母が食生活改善のボランティアとして、父はまちづくりを担う者として、町民の健康づくりに携わる家庭で育ったこともあり、「社会に尽くす」という思いが仕事の原動力になっています。先を見通した栄養政策の在り方を検討していく責任の重さを感じますし、仕事に追われる日常は大変ですが、新たな制度の導入により現場での取組が進むなど、今までできなかったことができるようになる状況を生み出せることに、やりがいを感じています。
熱意のある先生方のおかげで、
栄養学を社会にいかす術を学ぶことができた
管理栄養士養成施設の指導調査業務で全国の養成施設を訪問したり、教員の方と話をしたりする機会がありますが、その度に、女子栄養大学の先生方の管理栄養士養成に対する熱い思いが、教育内容の充実に反映されていたことを実感します。女子栄養大学は、教員の数が多いため、先生方の専門領域が多彩で、基礎から実践まで幅広く学ぶことができました。また、国の検討会や政策研究に関わっている先生方が複数いらしたので、報告書からは読み解けない、検討の背景にある考え方や議論の過程について授業で触れてくださることもありましたが、こうした授業を受けられる環境が貴重なことだと認識したのは、卒業してからでした。こうした環境で学べたことが、多面的な視点で物を捉えることや制度運営の先に人の暮らしがあることを見据えることに役立っています。学部や大学院を通して多くの先生方や仲間との出会いに感謝の思いが尽きることはありません。
栄養政策で健康なまちづくりを目指したい
栄養系技官の使命は、栄養政策で人々の健康を支え、守ることです。その使命を果たすに当たり、これまでも、そしてこれからも大切にしたいのは、「研究」「政策」「現場」の有機的な連携です。このトライアングルで栄養政策の質を高め、人々の健康を支え、守る健康なまちづくりを目指していきたいと考えています。