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[短期大学部]学びの特徴⑥ 生理学研究室ゼミ活動:創立者の論文を振り返る

学びと教育

[短期大学部]学びの特徴⑥ 生理学研究室ゼミ活動:創立者の論文を振り返る

女子栄養大学短期大学部では、EIDAI栄養学を2年で都内で学び、実践力をしっかり身につけることができます。
短大には11の研究室があり、ゼミ活動が盛んなことも本学の学びの魅力です。生理学研究室では、脚気の原因究明とその予防に取り組んだ本学創立者の香川昇三と綾の論文をパワーポイントを使って説明する活動を行っています。

本学創立者の研究論文より、建学の精神、栄養学サイエンスの原点にふれる

女子栄養大学短期大学部の生理学研究室ゼミ活動(指導教員:渋谷まさと教授)では、創立者香川昇三と綾のビタミンと脚気に関する研究論文に着目し、昨年の学園祭でパワーポイントでの発表にチャレンジしました。さらに、今年の学園祭でも、その内容をブラッシュアップして発表する準備を進めています。

今から100年前、日本では脚気(かっけ)が蔓延し、亡くなる方も年間1~2万人いました。本学創立者の香川昇三医師は、1924年から東京大学医学部の島薗順次郎教授のもとでビタミンと脚気の研究に取り組んでいました。1932年には白米食(+典型的日常食)で脚気を発症した患者に、米ぬかから単体精製したビタミンBを投与して治療に成功し、日本における脚気の主因がビタミンB1欠乏であることを証明しました。

▼ゼミ生によるパワーポイント作製

香川昇三論文の動画と音声での説明はこちら>>>

あらゆる食材でビタミンB含有量を測定し、脚気の治療と予防に貢献

香川綾医師は、脚気の治療と予防に取り組むために、あらゆる食品のビタミン含有量とそれに及ぼす調理の影響、ビタミンBが豊富に含まれる「胚芽米」の炊き方などについて、本学の前身である「家庭食養研究会」(香川家自宅)で研究を進めました。ビタミンの精密測定機器は当時まだまだないので、さまざまな食物をハトに与えビタミンB欠乏で体重が減少するかどうかを観察するしかありませんでした。食物の種類は多いし、体重の変化は月単位だし、体重計は天秤式だし、データ管理は紙面だし、コピー機もないし、「家じゅうハトだらけ(香川芳子前学園長談)」になるし、、、現在と比較すると想像を絶する作業だったと思われます。

▼ゼミ生による発表の様子

香川綾論文の動画と音声での説明はこちら>>>


11月2日(土)、3日(日)の駒込祭(短期大学部の学園祭)では、さらにブラッシュアップした内容を発表予定です。

ご関心のある方は、ぜひ会場に足をお運びください。学生の皆さんによる様々な活動の発表を通して、本学の学びの特徴を実感いただくことができます。