JOURNAL KAGAWA ヨクシル
[実践栄養学科]栄養学を学んで行政管理栄養士になる

学びと教育

[実践栄養学科]栄養学を学んで行政管理栄養士になる

地域には、子どもや成人、高齢者、そして疾患や障がいのある方々など、健康状態や生活状況の異なる様々な人たちが暮らしています。地域の健康・栄養課題を診断し、エビデンスに基づいて解決方法を考え、自治体や住民の皆さん、地域の組織や民間企業と協力して取り組み、成果を出していく。そうした役割を担うのが行政管理栄養士で,そのために必要な学びが、「公衆栄養学」です。

行政管理栄養士の活躍の場は、市町村、都道府県、国、国際機関と多様

市町村では、住民の健診時の保健指導や栄養指導など、一人ひとりに寄り添った支援を行います。

都道府県では、広域での栄養課題の解決に向けた組織づくりや、民間企業等と連携した食環境づくり(健康的な食品が入手しやすい状況をつくる)に取り組みます。

(厚生労働省、消費者庁など)では、国の健康政策・栄養政策の立案に関わり、都道府県・市町村と協力して施策を実現します。

国際機関(世界保健機関など)では、開発途上国の栄養不良など、グローバルな栄養課題の解決に取り組みます。

本学の公衆栄養学は、科学的な手法と実際の事例をもとにした学び

本学の公衆栄養学の講義や実習では、科学的データに基づき、地域住民の健康・栄養課題の実態を分析し、課題解決に向けた対策の実施、評価を行うために必要な方法論や技術を学ぶとともに、担当教員が実際に現場で取り組んできた事例も使って、具体的で臨場感のある授業を行っています。

地域の多様な組織・住民と連携・協働するコーディネート力をつける

本学の公衆栄養学の教育で重視している点は、行政の力や健康・栄養の専門家の力だけでは、活動の広がりや成果は限られてしまうので、地域の様々な関係者や住民と“共に”取り組んでいく、連携・協働の考え方です。連携・協働を推進するためのコーディネート力、コミュニケーションスキルを高めていきます。

本学の公衆栄養学の特徴の1つ「災害栄養」 ―連携・協働の必要性を、災害を想定した状況から学ぶ

災害は突発的に発生するため、事前に体験することはできません。このため、授業では学生たちの想像力を高めるための工夫を行っています。災害が発生すると被災地ではどのような状況に陥るのか、DVDやシミュレーションゲームで被災地の状況をイメージします。

災害時の栄養・食生活支援活動では、判断に迷う事象が生じるため、管理栄養士は必要な支援を自ら判断し、対応する必要があります。こうした状況下での対応力をつけるため、実際の災害時の支援事例から被災者に起こる栄養・食生活の課題や対応策を教育するためのカードゲーム教材の開発をしています。開発した教材を使って、学生たちは、刻々と変わる状況の中で必要な支援を考えながら、実践力を身に付けていきます。

「プロフェッショナル科目群」では、災害時の栄養・食生活支援をさらに深く学ぶ

※令和7年度よりプロフェッショナル科目群の科目名は上記の名称に変更します。

※令和7年度よりプロフェッショナル科目群の科目名は上記の名称に変更します。

2年次に学ぶ「公衆栄養学」で災害対応に関する法令、地域防災計画、災害発生時の栄養・食生活支援活動の具体例を学びます。

さらに、プロフェッショナル科目群の「災害栄養活動論」では、自治体の備蓄状況や介護施設や企業等のBCP(Business Continuity Plan:業務継続計画)の策定状況などを学びます。その上で、災害時の栄養・食生活支援活動に関して、実際の被災自治体の現状を踏まえた支援活動の課題や平常時に必要な備えについて事例を通した考察を行うことで、理解を深めていきます。

災害時の栄養・食生活支援に関し、本学独自の豊富なカリキュラムで学ぶ環境を整えています。

栄養学を学んで、行政管理栄養士になる。国家試験合格者数全国第1位、高い合格率が生み出す学び

実践栄養学科では、毎年200名を超える管理栄養士を社会に送り出しています。2024年3月に実施された管理栄養士国家試験の合格者数は221名で、12年連続、全国第1位。合格率も97.4%と高い値になっています(新卒のみの全国平均80.4%)。

1学年200名を超える学生は実に多彩です。グループディスカッションやケーススタディなど、少人数に分かれて取り組む演習・実習も豊富です。

栄養学を学び、国や都道府県、市町村といった行政の場で活躍する管理栄養士を目指す人たちも、それぞれの個性を認め合い、学び合うなかで、多彩な管理栄養士へと成長していきます。