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女子栄養大学のいま
【学園フォーカス】生徒の能力を引き出す~活躍する卒業生を目標に、自分の可能性を広げる~
学園

【学園フォーカス】生徒の能力を引き出す~活躍する卒業生を目標に、自分の可能性を広げる~

2023.02.08
香川調理製菓専門学校 
製菓科 助教授 遠藤 徳夫(えんどう とくお)昭和63年度卒 
専門学校部長 
[学園フォーカス09 Feb 2023] 

卒業生の柴田 勇作氏が世界大会で優勝しました。

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▲「2023年 クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」フランス開催にて(写真左)。

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▲柴田 勇作氏の作品

香川調理製菓専門学校では、創立者香川綾の思い「食は生命(いのち)なり」を受け継ぎ、毎年、数多くの生徒が学び卒業し、社会で活躍しています。

本校は、1960年(昭和35年)に東京都で調理師学校として、初めて許可を受けた第1号校です。創立者が「調理師も栄養学を理解して、栄養士と協力し衛生的で安心な食事を整えられる近代的な教育を受ける必要がある」と考え、作った学校です。卒業生は現在総数13,305名、学科ごとでは調理師科(ホテルレストラン科含む)8,711名、製菓科4,236名、マイスター科358名です。

現在、マイスター科(2年生、1年生)各40名 調理師科120名 製菓科120名の合計320名が在籍して、将来の調理人・パティシエ・ブーランジェを目指し学んでいます。


■調理マイスター科は、調理のスペシャリストを目指します
調理マイスター科の特色として、現場実習を中心として高度な調理技術を修得します。その代表として、ディアル実習があります。企業での有給実習(150時間)を取り入れた、当校ならではの教育制度で、職場での実務実習で経験を積みます。職業人としての意識と責任感が身につき、学校での学びと調理現場の違いなどを実感し、就職にも活かすことができます。このほか、インターンシップ実習、学内でのレストラン営業実習、著名な外部講師による実習もあり、2年間で調理人としての知識と技術、心構えと意識を身につけます。

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▲マイスター科での実習「鴨ムネ肉のロースト オレンジ風味」


■調理師科は、幅広く料理技術を学び卒業後の専門性を見極めます
1年間で、栄養学・公衆衛生・食文化概論などの座学、幅広い調理実習を通して、調理の基本を学びます。実習では日本料理・西洋料理・中国料理について学び、それぞれの調理法を学ぶことで知識とともに、調理技術のバリエーションを身につけることができます。給食実習や、校内にある附置教育施設のレストラン松柏軒で、現場を想定した実習で、調理やサービスの実践力を身につけます。

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▲レストラン松柏軒での営業調理実習の様子

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▲実習で完成したおせち料理(指導教員:皆田健太郎助教授)
 新年を迎えての学長メッセージに利用したおせち料理の写真はこちら>>>


■製菓科は、お菓子やパンづくりの多彩な技術を身につけます
洋菓子・和菓子・製パンなどの実習は1年間で800時間程度。毎日実習を行い、実技と理論を組み入れ、洋菓子・和菓子・製パンから料理、カフェドリンクまで幅広く学びます。附置教育施設である菓子工房プランタン実習も、本校ならではの魅力です。お菓子づくりの企画から製造、販売までを実践で学びます。カフェの授業では、カフェクリエーター・コーヒーインストラクター3級を取得できるカリキュラムとなっています。今年度から、食材をもっと学ぶ目的で、フルーツをテーマとした実習も行っています。生産者からの思いを生徒に伝え、フルーツの魅力・食べ方などの講座を行います。

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▲製菓科の実習の様子

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▲プランタン実習の様子

現在、プランタンでは、バレンタインのチョコを作成、販売中です。
▶菓子工房プランタンHPはこちらから>>>

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▲フルーツをテーマとした実習の様子


■研修の実施―京都研修と十勝研修
コロナ禍で中止となっていました各研修が、3年ぶりに開催されました。
京都では、伝統ある日本料理を学ぶために料亭などを訪れて、料理人としての心構えと、和菓子や日本文化の魅力を自分自身で実感し、研修後の実習に取り組みます。

北海道の十勝総合振興局と2018年に包括連携協定を結んでいます。毎年、十勝産の小麦粉を提供いただき、製パン実習を実施しています。実際に十勝地方を訪れて、小麦畑や製粉工場、牧場、ワイナリー、チーズ工房、洋菓子店・パン工房などを見学し、生産者の生の声を聴いて、十勝食材の魅力を実感する研修も行っています。

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■生徒に伝えたいこと ~料理人として大切なこと~
身に付けてもらいたいことは、料理・菓子・パンの基本や「美味しい作り方」はもちろん、人として周りの方から大切にしてもらえる、サポートや指導していただけるような人柄です。明るい笑顔の挨拶と元気の良い返事がそうした素地を作ります。そして、調理の現場では、率先して掃除を行い、衛生や身だしなみに注意することも大切になります。「使う前より、綺麗にする後片付け」を意識してほしいと思います。

技術は「体得」することで身につきます。調理・菓子・パンは、何度も繰り返し、時間をかけて技術を体に覚え込ませていくことになりますので、基本を中心に、反復して取り組めるようサポートしていきます。

私の専門分野は、製パンです。製パンは、「作る仕事でなく、育てる仕事」です。日々生み出せるパン生地には、酵母の命が宿ります。作り手は、ただひたすら環境を整えてあげるだけです。大切なのは、手をかけることよりも、気にかけてあげること。生徒たちとの関わりとも共通しています。生徒たちが将来を見据えて過ごす環境を整えて、日々の様子に気をかける気持ちを常に意識しています。


■良いところを伸ばす
料理づくり、お菓子づくりには失敗がつきものです。生徒たちには失敗するのが怖いという気持ちがあるので、「失敗してもいいからやってみよう」と歩み寄り、サポートしていきます。「ミスは必ず起きるもの」と考え、ミスはマイナスでなく、チャレンジした結果と考えらえるように、経験を重ねていきます。

良いところを伸ばす。このことを一番大切にしています。注意しなければならないことは、厳しく指導しますが、足りない部分を良い部分で上回ることで、生徒の自信につなげていきたいと思っています。

就職においては、自分がどういう職場で働きたいか、どういう働き方を希望するか、また職場はどういう人材を求めているのか、そうしたことを考えたり、理解したりできるよう、一人ひとりの生徒と向き合って、サポートをしていきます。就職先の企業から講師や卒業生を派遣してもらい、現場の方々の技術や心構えなどを学び、就職につなげていくための交流も行っています。


■活躍する卒業生の姿
数多くの卒業生が、自分でお店を開業したり、ホテルのシェフ、調理人などで活躍しています。

専門学校中心の同窓会「香流会」の活動では、卒業生のお店を紹介する、グルメガイドを製作しています。現在、62店舗のお店を紹介しています。

今年度も、卒業生の皆さんが様々な料理コンテストで入賞するなど、たくさんの躍進する姿を見ることができました。
●主な入賞者の方々はこちらから>>>


■さらに魅力ある学校へ、思いをつなぐ
教育期間は1~2年と短いですが、さらに魅力のある学校にしていくことで、食を通じて社会に貢献し栄養バランスの整った調理ができる調理人を育成したいと思っています。

生徒には、技術で人においしさや感動を与えることのできることの素晴らしさ、調理人としての仕事の楽しさ、そして「自分の思い一つで食を通じて、多くの人に幸せを感じてもらえる職業である」と伝えたい。

食は生命なり。その思いを調理人として心に刻んで、私の後輩でもある生徒たちに受け継いでもらいたいです。そのために、これからも調理の魅力、製菓の魅力、そして教育の魅力を、教職員の皆さんとともに追求していきます。



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