
栄養イノベーション専攻
代謝生理化学教室
栗原由紀子 教授
太っているとなぜ健康に悪いの?
皆さんが、自分らしく生き生きと元気に生活したいと思っている中で、体型を気にする人も多いでしょう。極端なやせや肥満は、病気のリスクも高くなります。今日は太り過ぎはなぜよくないのかお話しします。
一般的に健診では、BMI :body mass index = 体重kg÷(身長m)2が25以上で肥満ということになりますが、160cmの人が60kgでBMI 23.4で健康維持のために目標とするBMIの範囲内となりますが、65kgになるとBMI 25.4と肥満に丸がつきます。
体内で脂肪は脂肪細胞の中で蓄えられますが、それが過剰になると脂肪細胞は肥大化し、肥満の原因になります。脂肪細胞はまた、食欲を抑制するレプチンやインスリンの効きをよくしたり動脈硬化を抑えるアディポネクチンなどのホルモンを分泌しています。肥大化した脂肪細胞ではこれらのホルモンの効果が低下し、糖尿病や高血圧、血栓症を起こす因子の産生が増加します。実際、太っている糖尿病や高血圧の人が運動・食事療法で減量すると、病気が改善することが多いです。食事療法で脂肪細胞の働きを守るのは大切ですね。

先生からヒトコト

▲栗原 由紀子 先生
疾患モデル動物、分子生物学的技術やビッグデータを使って、脂肪細胞のもっと詳しいことを研究してみませんか?