【国際交流】UKM(マレーシア国立大学)のProfessor Pohによる特別講義が行われました

2023.06.16

学園

【国際交流】UKM(マレーシア国立大学)のProfessor Pohによる特別講義が行われました

(上写真)特別講義に参加した大学院生と研究生(右側が香川雅春准教授、中央がProfessor Bee Koon Poh)

マレーシア国立大学(Universiti Kebangsaan Malaysia、以下、UKM)の健康科学学部から、Professor Dr. Bee Koon Poh(以下、Professor Poh)がサバティカル制度(長期勤続者に与えられる長期休暇制度)の一環として6月5日~6月16日まで女子栄養大学の栄養科学研究所に滞在しており、6月9日(金)に本学学生に対して特別講義を行っていただきました。

この特別講義は、Professor Pohと共同研究を実施しており、今回の受け入れ先となっている栄養科学研究所の香川雅春副所長・准教授が企画し、講義も栄養科学研究所の会議室で開催されました。特別講義には大学院生に加え、味の素奨学生などの留学生も複数参加しました。新型コロナウィルス感染症の影響により、本学の海外の大学との交流イベントはここ数年オンラインを中心に実施されてきましたが、久しぶりの対面での交流が実現しました。

特別講義 202306③

特別講義ではProfessor Pohが従事されている2つの調査(SEANUTS ⅡとIDRC SEAOFE)の概要と、研究論文を学術雑誌に投稿することの重要性についての説明がされました。

SEANUTS IIとIDRC SEAOFEはどちらもASEAN(東南アジア諸国連合)の4カ国を含む国際共同研究で、様々な民族の複合体であるマレーシアが抱える栄養を取り巻く問題にフォーカスしており、参加した学生は大きな関心を寄せていました。東南アジアの一部の国では子供の栄養不良が未だ大きな問題となっていますが、マレーシアでは建国以来の経済発展が目覚ましく、建国時には人口の40%ほどだった都市の在住者が、今では70%になっているとのこと。それに従い、子供の栄養問題も今では栄養不良よりも肥満の問題の方が大きくなっているとのことでした。SEANUTS IIの調査は途中で新型コロナウィルスの感染拡大によってロックダウンとなったことでデータ収集が中止になってしまったとのことですが、代わりに新型コロナウィルスが子どもの食環境の変化に与えた調査を実施するなどの研究計画を変更しており、その調査内容と大変興味深い結果についても紹介していただけました。

「研究論文を学術雑誌に投稿する重要性」については、単に研究論文を学術雑誌に出すということだけでなく、そのプロセスを通じて他研究者とのネットワークの構築や拡大、査読者からの質問に根気強く答えることによる自身の知的レベルの向上など、論文の投稿プロセスを通じて得られることができる「価値」がどれほど大きいかということについて話をして下さいました。特に、「査読者から来る質問にうまく答えることができない」という留学生からの質問に対しては、「とにかく最後まで諦めないこと。学術雑誌は一つではなく、最初の雑誌への掲載が難しい場合には別の雑誌を試してみる。根気強く、掲載されるまでやり続けることが必要。Never Give Up !」という力強いメッセージを頂きました。

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