
実践栄養学科
卒業生紹介
子どもと保護者に寄り添い、子どもたちの楽しいを食から引き出す
活躍する卒業生

お名前:地福 いぶ希さん
勤務先:世田谷区 子ども・若者部 保育課 給田保育園
卒業年:2018年3月(実践栄養学科卒)
出身校:東京都立国分寺高等学校
子どもたちの食体験を豊かにし成長につなげる
0歳児から5歳児を対象とした保育園で、調理員の皆さんと130食分の昼食とおやつを提供しています。栄養基準をもとに旬の食材や季節の行事を意識しながら献立を立て、実際に調理業務、主に離乳食作りも担当しています。
また、子どもたちの食事の様子を見に行き、食べ具合や食べる姿を確認するとともに、保育士の方々と日々話し合いをして、子どもたちに合った給食や食事環境になるように努めています。子どもたちと一緒にクッキングをしたり、食事に関する講話をするなど食育活動も行っています。さらに、保護者や地域の方に対しての栄養相談なども行い、食事の悩みに対して資料を作って情報提供をしたりアドバイスをしたりしています。
保育園には栄養士は1人だけですが、区立保育園に勤務している他の栄養士とも定期的に会議をして、情報共有をしながら仕事の評価・改善を行っています。

大学での様々な科目の学びが全て活かされている
給食管理論や大量調理実習で学んだ知識と技術を活かし、給食運営や衛生管理の基本をもとに、現場の環境に合わせて対応させ、安心安全な食事提供に努めています。また、食育活動では栄養教諭免許取得のために教職過程で学んだ児童・生徒に対するアプローチ方法を参考に、園児に適した伝え方となるように工夫をしています。
子どもたちや保護者とのコミュニケーションは栄養教育技術論での学びが活かされ、知識の面では、ライフステージごとの栄養管理実習・臨床分野の授業での学び、そして前職の病院での栄養指導経験も今の仕事に活かされています。
子どもたちの「美味しい」の声が何よりの励み
行事食やお楽しみメニューや、私が考案した新メニューを提供した時は、子どもたちがどのような反応をするのか不安になりますが、子どもたちが給食を楽しんでいる姿が見えると自信につながります。
また、「何の野菜?」「どうやって作るの?」「今日のだしはカツオだね」など、会話を通して子どもたちの生活と食育が結びついていることを実感でき、やりがいを感じます。さらに、子どもたちとの関わりを通して、保護者の皆さんの食に関する興味を広げることもできます。栄養士の思いを全て伝えることは難しいですが、各家庭に寄り添いながら保護者との連携を図り、これからの子どもたちの成長に良い影響を与えられていることも、やりがいの一つになっています。


公務員として多様な職場で人々のより良い食生活の実践を通じて健康と豊かな生活をサポート
今は保育園栄養士として、子どもたちの楽しいを引き出す活動を行うこと、食の基本的な動作やマナーを丁寧に伝え、心地よく食事ができる空間を作ること、食べたい気持ちを高められるメニューを提供していくことを大切に、保育士さん、調理員さんと連携していきたいと思っています。
また、私の勤務する世田谷区では、将来保健センターで栄養士業務を行う可能性があります。大学で学んだことに加え、病院、保育園勤務での経験を活かして、妊産婦から高齢者まで幅広く住民の食生活支援ができる管理栄養士を目指します。
社会は常に変化しているので、食に関する専門家として最新の正しい情報を発信できるよう自己研鑽に努めたいと思います。

高校生へのメッセージ
私は女子栄養大学に入学し、「食は生命なり」という考えのもと、生きることは食べることであり、食生活を豊かにすることの重要性を学ぶことができました。今でもこの考えを大切に、仕事に取り組んでいます。そして、この大学の最大の魅力は、食に関するエキスパートを育てるために親身になってくださる先生方がいること、そして意欲が高く何事にも一所懸命に取り組む学生が多いことです。卒業した今でも同級生とは頻繁に会いますが、管理栄養士の仕事を全うしている同級生の話聞くことは励みになります。
どのようなことを大学で学びたいか、仕事にしたいかを考えた時に、「好きなこと」だけでなく、「興味・関心が高いこと」を考えてみても良いかもしれません。