白岡市保健福祉総合センターにて、市民の方を対象にした講演会を実施
2024年3月5日(火)に白岡市保健福祉総合センターにて、本学との連携先である白岡市の食育講座において、本学食文化研究室 竹内由紀子准教授が「日本の食文化を伝える」というテーマで、市民の方を対象とした講演を実施しました。
講演では、「日本の食文化を理解し伝える」ことも食育で育てたい「食べる力」のひとつであるとして、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」とは何か、というお話からスタートしました。
和食は個々のメニューではなく、歴史を通じて日本の気候・風土の中で培われた、農業・漁業などの食料生産に支えられた文化であることを説明。稲作、コメが単なる食料でなく歴史を通じて政治・経済の中心であったこと、獣肉が忌避された歴史的経緯と、その対照として魚食が発達した歴史、帰結として獣肉や油脂に偏らない日本の食文化のが形成されたことを解説されました。また、日本の食文化は季節感や年中行事、農山漁村の文化に根差しており、その理解が重要であるとの説明もありました。
しかし現代では、地元の郷土料理の認知や継承についての意識が低く、若い層から「和食は洋食より近寄りがたい」と感じている意識調査の結果があることが示されました。
その一方、海外の人たちからは、好きな外国料理として日本料理は高評価で、来日観光客も日本食を食べることや郷土料理を食べることが目的として上位に挙げられています。日本の食文化を文化資源とし、価値があるものとして見直し、広めていくために、食文化を文化財とする取り組みなどについても紹介されました。
当日は31名の方が参加され、最後には複数質問も出るなど、参加者の皆さんは熱心に受講されていました。