食の力でみんな笑顔にプロジェクト in 気仙沼 実施報告

2024.05.17

食の力でみんな笑顔にプロジェクト in 気仙沼 実施報告

2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市において、本学の新開省二教授(地域保健・老年学研究室)が企画した「食の力でみんな笑顔にプロジェクト in 気仙沼」が進められています。 このプロジェクトは、本学の学生が東日本大震災の被災地に行き、大震災について学ぶとともに、被災地の方々とともに料理交流会を行うというものです。

2023年度は、気仙沼市鹿折(ししおり)地区自治会長連絡協議会、気仙沼市保健福祉部高齢介護課、現地コーディネーター・菅原康宏氏(東京都健康長寿医療センター研究員)のご協力のもと、高齢者のフレイル予防を目的にした料理交流会が現地にて5回にわたって実施されました。本学からは地域保健・老年学研究室の学生に加えて、公衆栄養学研究室(指導教員:久保彰子准教授)、食料・地域経済学研究室(指導教員:平口嘉典准教授)の学生が参加しました。

フレイルとは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指します。フレイル予防のためには、栄養、運動、社会参加の3つが必要ですが、地域の高齢者に料理交流会に「来て、食べて、笑って」もらうことにより、これら3つを実践してもらおうという取り組みです。

各回5名前後の学生が参加し、料理交流会の前日には気仙沼市や陸前高田市にある東日本大震災遺構を訪問し、大震災による甚大な被害とそこから得られる教訓について学びました。料理交流会では、事前に考えたレシピをもとに気仙沼市産の食材を使った料理を地域の皆さんと一緒に作り、食べて交流を深めました。


▲第1回料理交流会のようす(2023.06.11 小々汐自治会様、食料・地域経済学研究室)


▲第2回料理交流会のようす(2023.07.30 浪板2区自治会様、地域保健・老年学研究室)


▲第3回料理交流会のようす(2023.10.01 梶ヶ浦自治会様、公衆栄養学研究室)


▲第4回料理交流会のようす(2023.11.12 日の口2区自治会様、地域保健・老年学研究室、食料・地域経済学研究室)


▲第5回料理交流会のようす(2024.02.04  鹿折ウォーキングクラブ様、地域保健・老年学研究室、食料・地域経済学研究室)

料理交流会に参加した高齢者からは、「普段食べている食材が一風変わった味付けがされていておいしい。」「レシピをもとに自分でも作ってみたい。」などのご感想をいただきました。
一方、学生からは、「現地の方々の温かさが一番印象に残った。」「地元の方から調理法を教わり勉強になった。」といった感想が聞かれました。 

本プロジェクトは2024年度以降も継続して実施されます。