2024.05.10

学園

【短期大学部】2年間の理論と実践の学びをいかし、活躍する卒業生

それぞれの思いから女子栄養大学短期大学部へ進学し、現在、社会で活躍されているお二人の卒業生に、「現在の仕事について」「短大部での学びについて」等お聞きしました。
ここでは、「理論と実践」という言葉、現在の仕事につながる2年間であったことが語られています。以下のお二人のお話しから、短大部での学びの特徴を知っていただけるものと思います。

sum-ikeda

―現在の仕事について
私が勤めている国分グループは、今年で創業312年を迎えた食品の「卸売業」として、日本全国に「食」を届けています。所属している部署は、レストランや居酒屋などの外食業態や老人介護施設などの給食業態をお客様としていおり、その部署のマーケティング担当として、企画・開発・提案を行っています。市場トレンドを調査したり、お客様のご要望を聞き出し、自分が提案した商品が採用されメニューとして提供されることにやりがいを感じています。

―短大に入学した理由
思い返すと子供のころからの楽しい思い出は、イベントや旅先など家族で過ごす食事の時間だったなと気付き、いつしか「食」を通して人を幸せにする職に就きたいと思うようになりました。どうせなら「一生ものの資格が取れればいいな」とぼんやりと進学先選びをしていましたが、「食は生命(いのち)なり」という女子栄養大学短期大学部のモットーと「予防医学」に基づいた栄養教育を1年次から学べることに大きな魅力を感じました。特に食物栄養学科では、調理のできる栄養士の育成に力を入れていたので、料理が好きなわたしにとってはまさに理想的と感じ、入学しました。入学試験では、和食についてプレゼンしましたが、母や高校の先生には何度も練習を見てもらい、合格した時は涙が出るほど嬉しかったのを覚えています。

―短大での学び
それまでで一番勉強をした学生生活だったと思うほど毎日の授業が忙しく、日々課題やテストに追われていましたが、その分充実もしていてとても濃い2年間を過ごしたと感じています。実験実習が多かったため、座学で学んだことを実践できることで記憶にも残りやすく、いつも新しい発見がある授業が楽しかったです。社会に出てすぐに活かせる知識と技術を教えてくださった先生方に感謝しています。

短大生活を振り返ってみて、特にゼミでの活動が面白く、今の仕事につながる原点だったと感じています。とても忙しく緊張感のあるゼミでしたが、調理試験の練習や外部の料理コンテストに参加するなど、包丁を手離す日はないくらいに充実した毎日でした。
特にメニューを開発して企業に提案する活動は、メニューが完成するまでに何度も改良を重ね苦労をしましたが、完成したときにはやりがいを感じる貴重な経験になりました。商品開発の面白さに気付き、いつかは自分が携わった商品を世の中に発信してみたいという夢を今の仕事で叶えることができ嬉しく思います。
ゼミの担当の先生からは、ちょっとやそっとのことではくじけないマインド(笑)や物事のとらえ方など、調理技術はもちろんですが、精神面でも多くのことを学ばせていただきました。今でもとても尊敬する先生です!そんな先生のもとで切磋琢磨していた仲間とは、今でも関係が続いていて生涯の友人ができた豊満ゼミには心から感謝しています。

社会で活躍している先輩が多くいるこの大学で学べたことは大変誇りに思うと同時に、自分自身も女子栄養大学短期大学部の卒業生として活躍できるよう今後も頑張っていこうと思います。


sum丹伊田さん

現在の仕事について
仕事は、安全で美味しい給食を提供することです。安全とは日々の衛生管理と、子どもたちの発達に合わせた食形態に調理をすること、そして食物アレルギー食など個別配慮して提供することであり、美味しさについては人それぞれの基準があると思いますが、所属している法人の理念に「本物の食事」を提供することとして、和食を中心とした食事の美味しさを考えています。和食は四季折々の食材と発酵調味料で作った栄養バランスのとれた健康的な食事であり、日本の伝統的な食文化です。米や野菜は農薬、化学堆肥を使わずに栽培したものを契約農―家さんから仕入れ、添加物を使用してない調味料を選別し、食材本来の持ち味を大切にして「美味しい!」と言ってもらえるようにしています。

その活動の一環として、子どもたちには和食を食べるだけでなく、和食に触れる体験を作っています。
例えば、古くから作り続けられている発酵食品の梅干しや味噌作りを子どもたちと行います。梅雨の時期には青梅を使って梅シロップを作り、夏に梅ジュースを飲んで喉を潤します。梅シロップの梅は漬ける前と後では形状が違います。その理由を質問してきた子がいたので、砂糖は梅の美味しさを引っ張る働きをするので梅がシワシワになったと伝えると謎が解けてすっきりした表情をしていました。

また、和食は日本の行事と関わりがあるのでそれに合わせた食事を提供し食文化について子どもたちの前で話すときもあります。
例えば七夕のときは、星に願い事をする星祭でもあるので、お昼は星に見立てた野菜(人参、キュウリ、オクラ)をサラダ寿司やすまし汁に取り入れ、おやつはそうめんを食べる習わしがあるため夏野菜が入ったそうめんを提供します。七夕は夏野菜や麦を収穫できた恵みに感謝する日であり、そのため麦から作られるそうめんを食べるんですよと話しをします。その話の中でクイズを出して盛り上がり翌日のそうめんを楽しみにする様子がみられました。子どもたちはそのような体験によって食べ物に興味をもち、好きになり、食べようとする意欲に繋がります。
毎月の給食だよりの作成も仕事です。子どもたちが給食を食べている様子を伝えながら、給食の美味しさや体に良い食材のこと、食文化の継承の大切さなどをまとめて、子どもたちが食事をして元気に過ごして欲しいことを保護者に発信しています。

食事は、人の心と体を作り乳幼児期はその基礎が培われるため保育園で日々提供される食事は重要です。子どもたちが安全で美味しい給食を継続的に食べることで心身の発達を支え成長すると思います。そうした給食を継続することが重要であると考え日々の仕事に取り組んでいます。

―短大部に入学した理由
短大部に入学する前、水産小売・卸会社に8年ほど勤務していました。そこで働く中で、安全で美味しいものをチームで作り、人の健康に携わりたいと思うようになりました。そのためには食に関する知識を学ぶことが必要だと思い、栄養士を志すことに決めました。そのために最適な場所として、入学を決めました。

―短大部での学び
短大部には、理論と実践の両方が大切であり、調理ができる栄養士になることが大切という教えがあります。実際にそのための充実したカリキュラムがあり、大切な2年間を過ごすことが出来きました。栄養学には色々な専門分野があり、その単元毎に概論を授業で学んだあと実習で実践し、レポートで考察する繰り返しの日々だったと思います。当時はその単元ごとの理解で終わっていましたが、今は仕事で見返すことが多く、短大部での学びが仕事に多いに役立っています。

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