2024.12.10
【国際交流】グウェンドリン・ハストヴェット教授の講演会を開催

(上写真)講演会に参加した学部生と教員(中央がハストヴェット教授、その左隣が小林陽子教授、一番右側が香川雅春准教授、その隣が井元りえ教授)
テキサス州立大学のProf. Dr. Gwendolyn Hustvedt(グウェンドリン・ハストヴェット教授・博士)の講演会が開かれました。
テーマ「アメリカの中高における家庭科教育と家庭科教員養成」
日時:11/28(木)17:10〜18:50
場所:女子栄養大学4号館講義室
対象:家庭科教職コースの学生及び教員が対面あるいはオンライン同時配信で参加
(一社)日本家政学会家政学原論部会の会員もオンライン同時配信で参加
ハストヴェット教授は、アメリカのテキサス州立大学教授であり、かつ国際家政学会(International Federation for Home Economics)の前会長(任期:2020年8月〜2024年6月)です。
同氏は、家族・消費者科学部(School of Family & Consumer Sciences)において、ファッションマーチャンダイジングを専門分野とし、健康と持続可能性 (LOHAS) を重視した消費者のライフスタイルに焦点を当てています。過去のプロジェクトには、羊毛製品の動物福祉認証に支払う消費者の意識調査や、繊維サプライチェーンにおけるバイオテクノロジーに対する消費者の感受性を測定することを目的とした実験的研究があります。
また、同氏は、国際家政学会の前会長であり、世界の家政学及び家庭科教育の研究者のまとめ役として多大なリーダーシップを発揮し、世界の動向に詳しい方です。
そこで、今回は、和洋女子大学の招聘により11/30(土)に「SDGsの達成と家政学−教育的実践の成果と課題−」というテーマで講演をされましたが、11/28(木)に本学にもお越し頂き、家庭科教員養成に関わる講演をお願いすることとなりました。
本学の家庭科教職コースの学生及び教員が参加し、「アメリカの中高における家庭科教育と家庭科教員養成」についてお話を聞き、質疑応答を行いました。
アメリカでは、州ごとに教育内容が異なり、多様であることがわかりました。テキサス州では、家庭科は「家族・消費者科学」という名称で、高校では、少なくとも以下の中から1つの科目を修了しなければならず、学校理事会の指導の下、校長が特定の要件を決定します。選択肢には、通常、栄養、キャリア教育、技術教育、金融リテラシー、人間発達、家族学などが含まれます。
全米の大学レベルの家族・消費者科学を見ると、ランドグラント大学(連邦政府所有の土地が州政府に供与され、農学・工学等を教えるために設置された大学)や農業地域で、プログラムが充実していることがわかりました。都市環境における家族・消費者科学の関連性を再構築することが課題であることを知りました。
同氏は、提言として、家族・消費者科学が地域社会のニーズを満たすようにすること、次世代の教師を育成するために教員養成プログラムに時間や資金を投入すること、学校の家族・消費者科学に対する地域社会の支援を積極的に構築すること、行政の後援や産業界とのパートナーシップが必要であること、とまとめられました。
アメリカと日本では、事情が異なる部分もありますが、「家庭科」や「家族・消費者科学」の社会貢献のあり方を改めて考える絶好の機会となり、学生・教員共に、充実したディスカッションをすることができました。