2024.11.29

学園

[学部・短大]2026年度からの共学化について(第2報)

日頃より、女子栄養大学・女子栄養大学短期大学部の教育研究、運営にご理解とご協力をいただき、心より深く感謝申し上げます。

9月4日に、2026年度から男女共学とし、共学にふさわしい名称へ変更することについて、公表いたしました。その後、在学生や保護者の皆さま、卒業生の皆さまから様々なご意見をいただきました。栄養学の発展のために未来を担う多様な人材の育成が求められていることについては多くの方々が同じ思いであることがわかりました。また、長い歴史と伝統のある女子教育を継続すべき、とのご意見も少数ながらいただきました。

これまで本学が力を入れてきた女子教育の基盤となっているのは、学生の立場に立った丁寧な教育と専門職として社会に貢献できるための学びの教授であり、その姿勢が共学化で変わることはありません。共学化の先も、学生一人一人を大切に、社会の変化やあり様をしっかりと見据え、本学らしい魅力ある教育と安心して学べる学習環境のための努力と工夫を重ねてまいります。


創立100周年、さらにその先へ、新たな一歩を確かな一歩にしていきます

本学は昨年、学園創立90周年を、2033年には100周年を迎えます。さらにその先へと、大学づくりの歩みを進めていきます。共学化は、重要な一歩です。
建学の精神のもと多様な人材を育成するとともに、栄養学のフロントランナーとして、日本の栄養学を牽引し続け、開かれた学園として、世界の人々の健康と幸福のために社会貢献に取り組んでいきます。

 

本学園はこれからも、あらゆる人の健康のために、あり続けます

創立者の香川綾は、教育研究機関としても、月刊誌「栄養と料理」をはじめとする出版も、生涯学習としての通信教育も、すべての人の健康のために行うことで、食の総合学園へと発展させてきました。

また、「どんなに科学が進歩しようと文化が発展しようと、人間は一生、食べるということ、健康という問題から逃れることはできません」「この世に人が存在する限り、食と健康の問題は永遠になくならない研究テーマのはずです」と話していました。

本学は、この先も、あらゆる人の健康のために、誰でもいつでもどこでも学べる学園づくりを目指していきます。

さらに変化していく社会を見通して、人と地球の健康な未来のために、その人らしさを大切に支えあえる未来のために、栄養学で社会に貢献していきます

本学は、「食により人間の健康の維持・改善を図る」の建学の精神のもと、栄養学とその実践を探求し続けてきました。
この間、日本の人口は1億人を超え、平均寿命は男女とも80歳代へと大きく延伸し、世界トップクラスの長寿国となりました。
また、本学が4年制大学を開設した当時の女子の大学進学率は3%でした。女子に学びの場を提供することに大きな意義がありましたが、現在では男女とも50%を超える時代になりました。それでもなお、日本における女性の社会進出は、国際的にみてまだまだ立ち遅れている状況にあります。そうした中、本学では教授の女性比率も学園管理職の女性比率も40%台に達し、全国的な状況に比べて、女性の登用がかなり進んでいます。「実践」を重んじる本学は、重要な社会課題に対して、足元からその実践に取り組んできました。
これからは、性別、年齢、地域、人種の枠を越え、ともに学びあい成長しあい、未来を支えあうための学びの場として、新たな学園づくりに取り組んでまいります。そして、社会に存在する不平等を見過ごすことなく、栄養学を通してよりよい社会づくりに貢献してまいります。

日本の将来人口は、50年後の2070年には8,700万人、100年後の2120年には5千万人を下回ると推計されており、私たちの想像を上回るすごい勢いで人口が減少していきます。また、気候変動など地球環境の問題も深刻さを増しており、食料や水、エネルギーは確保できるのかという、人類の生存をも脅かしかねない社会問題に、私たちは直面していきます。限られた人口で、限られた資源を大切に、誰もが健康に幸せにあり続けるためには、みんなで協力して、これからの社会を創り上げていくことになります。

本学は、「栄養学は生活の中で生かされてこそ、私たちの生命を支える」とした創立者の意志を引き継ぎ、常に実践を重視してきました。これからも、人と地球の健康を守るために、多様性を尊重してその人らしさを支えあえるように、栄養学を未来に生かすための努力と工夫を続けてまいります。

学校法人香川栄養学園 理事長 香川 明夫