【副学長メッセージ】栄養学は、実学だからおもしろい。

2023.04.28

学園

【副学長メッセージ】栄養学は、実学だからおもしろい。

この4月、大学の教学マネジメントの強化を図るために、二人の副学長が就任しました。
お二人とも栄養学がご専門ですが、研究領域も、個性も異なる副学長たち。
新たに就任された武見ゆかり副学長と川端輝江副学長に、これからの抱負や教育の魅力などについて、語っていただきました。


■副学長としての抱負をお聞かせください。
武見副学長
少子超高齢社会における栄養学の必要性と可能性を社会に強く訴えると同時に、そのおもしろさと楽しさを一人でも多くの人に伝えたい。そのためのアドボカシー(組織や社会の変化を目指したさまざまなアクション)に力を注ぎたい。そのためにも、栄養学研究を担う人材と、研究的視点をもって栄養学の実践を担う高度人材の両方を、1人でも多く社会に輩出したいと考えています。

川端副学長
女子栄養大学の魅力を発信し、多くの方々に知ってもらうこと。
DX(デジタルトランスフォーメーション)推進を通して、質の高い教育の構築に取り組むこと。
これらに取り組む中で、学生と教職員のつながりをより深くし、互いの信頼関係を高め、さらには、学生が学問を探究していくうえでのより良い環境を構築したいと考えています。

■本学の教育研究の魅力をどう捉え、これからどういう大学を目指したいとお考えでしょうか。
川端副学長
人は「衣食住」が足りていれば生きていけるといいますが、その中でも食は最も大切で、生まれてから死ぬまで必要な栄養素を取り続けなければなりません。そうした栄養状態の良し悪しで、病気のリスクが高まったりあるいは低下したりします。また、食事は生活の豊かさにも関わってきます。人が生きる上で最も身近で、最も大切な食について基礎から応用、さらには実践に至るまで、多角的に教育研究している大学がこの女子栄養大学です。人生の豊かさに直接かかわる食について、あらゆる角度から学ぶことができるのが本学の魅力と捉えています。
豊かな食生活をとおして、人々の健康の維持増進に貢献していくことのできる大学を目指したいと考えています。
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武見副学長
本学の栄養学教育の特徴は,実践を重視している点。そのために基礎から実践まで、さらには社会との関わりを含め,広範囲に多様に学ぶカリキュラムが準備されています。研究者や高度人材を目指す人には、大学院が待っています。
人生100年時代に、栄養学を基礎として学修した成果を活かし、社会の中でどう生きるか、社会の人々の健康と幸せにどう向き合って取り組んでいくか、一生のキャリアデザインを組み立てられる俯瞰的視野と実践のスキルを得て卒業してほしい。生涯自律的に学び続ける姿勢と熱意を育んでほしい。
大学も大学院も、必要なときに、卒業生が学び直しのできる場として、時代のニーズに合わせて発展しつつ存在したいと思います。
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■学生にはこの大学で、どういうことを学んでほしい、どういう大学生活を送ってほしいと、お考えでしょうか。
川端副学長
栄養学は広い学問です。その中で、一つでも良いので、自分自身の興味のある分野をしっかり探究して欲しいと思っています。人と同じであることを目指す必要はありません。
そして、みなさんが社会に出てからの先、十数年後には多くの仕事をAIが担う時代が来ることになるでしょう。困難な課題も、過去の事例に基づいて一発でAIが解決してくれるかもしれません。でも、AIは、課題を新たに発見することはできません。新たな課題を発見するためには、言われたことを単に学ぶだけではだめです。栄養学の中でも特に興味ある分野を自ら探究し、その中に潜む課題をたくさん探し出す訓練を行って下さい。充実した大学生活になると思います。

武見副学長
前述の本学の教育の魅力でお話したことに追加するとしたら、学生生活を通して、一生つながる友人と先生方も含めたネットワークを得てほしいと願います。

■ご専門について教えてください。なぜ、その専門をお選びになったのか、その専門領域のおもしろさについて、教えていただけますか。
川端副学長
高校生の頃、料理を作るのが好きで、料理本などで料理を紹介する料理家にあこがれていました。一方、完全な理数系だったために医学や薬学にも興味を持っていました。大学選びをしているときに、「病気になってからでは遅い、これからは予防医学の時代だ」という本学創立者のメッセージに目が止まり、強く共感したことをよく覚えています。食事と健康がぴったり結びついた、まさに私がやるべきことだと思った瞬間でした。
本学に入学して、栄養学の基礎となる生化学や生理学等の授業を初めて受講し、ヒトの体の仕組みが複雑でおもしろいことに興味を持ちました。そして、卒業研究、大学院は、当時脂質栄養を研究していた長谷川恭子先生のもとで研究に取り組みました。

武見副学長
食生態学という、人間と食物の関係を社会や環境との関わりも含め、構造的に明らかにし、課題解決のためのアプローチ(教育や食環境づくり)を探索し実践する学問を専門としています。管理栄養士の教育内容でいえば、栄養教育と公衆栄養学となります。
学部でフランス文学を専攻していた私にとって、栄養学の勉強は、日々の暮らしに即役立つ実学で、そのおもしろさ、大事さを痛感した感動は今も忘れません。一方で、それほど重要なことなのに、無関心な人たちが多いことへの疑問が湧きました。いわゆる「無関心層・低関心層」の存在です。そうした層の人々にどのようにアプローチすればよいか、それを考えたくて女子栄養大学大学院に進学しました。
それから35年以上も経ちましたが、未だに明解な答えは得られていません。それだけ、人々の食行動変容は複雑で、奥が深く、だからこそやり甲斐もあり、おもしろいのです。

■お二人とも本学の卒業生ですが、学生だった頃と、その後教員になってからで、栄養学への捉え方、向き合い方に変化はあったでしょうか。
川端副学長
学生の頃は単に人の体の仕組みを探究することに夢中でしたが、教員の立場になって、食というものをより強く意識するようになりました。現在は、ヒトの体を中心において、外的要因(食事、環境、遺伝)とそれによってもたらされる体の反応を、主に血液という生体マーカーを用いて両者の関連性についての研究を進めています。

武見副学長
無関心層・低関心層にどうアプローチするか、という観点は同じです。ただ、以前は、効果的な栄養教育や栄養指導ができれば人々の食行動は変わると思って研究してきましたが、今は、食品企業や外食産業を巻き込んで「自然に健康になれる食環境づくり」を推進することこそ必要、という方向にシフトしています。つまり、より健康的な食品や食事を、いつでも、誰でも、手頃な価格で入手できる食環境を作っていくことです。

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創立者香川綾の銅像の前で

■お休みの日は、どのように過ごされていますか。また、最近、夢中になっていることがありますか。
武見副学長
休みの日とは限りませんが、週に1回はテニスをやります。還暦をきっかけに、フレイル予防のため?に30年ぶりにラケットを持ちました。これが意外に打てるしおもしろい。運動することで頭の中もリフレッシュできます。
もう1つは、この1年くらい法律・法学の勉強を始めました。学会や法人など組織を動かすには法的知識がないといけない・・・という気持ちで始めたのですが、これがまた新たな気づきがあっておもしろい。例えば、憲法は栄養学の重要性を説明する基本だと思ったり。今の夢は、いつか「憲法と栄養学」という講演か書籍執筆ができるようになることです。

川端副学長
休みの日は、1週間分の食糧の買い出しが中心。買ってきた野菜を洗ってタッパーに詰めておいて、また、1週間頑張るぞと出陣準備をしています。
趣味というほどではありませんが、時々自分で料理を作っているところを撮影し、それを動画として編集しています。人に見せるためのものではなく、あくまでも、自分自身で楽しむためです。若いころに抱いていた料理家になる夢も、もしかしたら現実になるかも・・・なんてたまには甘いことを考えています。

■大学でなにを学ぼうかと考えている高校生に、メッセージをお願いします。
川端副学長
私も卒業生ですが、何より、20歳前後の若いころ、栄養学について学べたということが本当に良かったと思っています。毎日の食事をどうしたらよいのか、今のままで健康を損なうことはないのか等、不安を抱えることなく、生活をエンジョイしつつ、日々の生活を送ることができています。また、人がいる限り、食の営みがなくなることはありません。将来、食べるものや食べ方は変わるかもしれませんが、食に関係した仕事がこの世から消えることはありません。栄養学を若い多くの方々に学んでもらいたいです。

武見副学長
栄養学は、今社会が求めている文理横断・文理融合の学問です。それだけ幅広く、奥深い学問なので、その中で、自分の気持ちひとつで、やりたい方向を見つけ発展させることが可能です。発展的可能性を秘めたおもしろい実学の学問として、ぜひお薦めします!

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【副学長 プロフィール】
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