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女子栄養大学のいま
第9回香川芳子学術奨励賞授賞式、受賞講演会
学園

第9回香川芳子学術奨励賞授賞式、受賞講演会

2022.10.23
2022年10月22日(土)、第9回香川芳子学術奨励賞授賞式と受賞講演会が、同窓生や在校生、関係教職員の出席の下、坂戸校舎にて対面で開催しました。

香川芳子学術奨励賞は、学園創立80周年を記念して女子栄養大学検査技師課程で創設されました。本課程の卒業生から、栄養学領域、または臨床検査学領域において優れた研究を行っている人、あるいは当該領域業務の発展に貢献した人を表彰し、奨励することを目的にしています。学内外から推薦された応募者の中から学術奨励賞選考委員会で候補者を選出し、検査技師課程委員会で選考、学長の承認により決定後、常任理事会で報告されます。

第9回受賞者の黒澤裕子さんは、保健栄養学科1988年度卒業生で、現在は東京医科大学医学部健康増進スポーツ医学分野で講師としてご活躍です。受賞タイトルは、予防医学分野における基礎医学研究とアメリカ留学でした。

記念講演は、学部生時代のエピソードから、軽快なテンポで話し始められ、会場全体一瞬に引き込まれました。大学院に進まれる時は、生化学より生理学が得意だったと仰られるように、修士(栄養学)では万木良平先生のご指導を受け、『エネルギー出納が高度に正および負の生活が成人女子の栄養および生理機能に影響を及ぼす』についてご研究されました。

卒後、東京医科大(基礎医学)に研究助手としての業務傍ら、『骨格筋クレアチン研究』を深められました。当時、スポーツ界で注目を浴びるクレアチンで、そのサプリメント効果検証のため、筋肉や脳内の濃度や運動による変化を解析し、2002年に久保勝知先生のご指導の下、博士(栄養学)を取得されました。時同じ頃、脳内クレアチン欠損児の発見を機に、2005年にオハイオ州シンシナティ大学医学部にポスドクとして留学され、脳研究に注力されました。現地のすばらしさには感動しましたが、留学時にはご自身を売り込んで頑張ったと言うパワーの凄さに驚きました。クレアチン欠損児は精神や言語障害、発達障害や癲癇様発作などが特徴だそうで、ご努力から研究成果を次々とあげられ、遺伝子解析を始め、クレアチン類似物質サイクロクレアチンの薬理作用(記憶力改善)をマウス実験で認められました。2011年から立命館大学スポーツ健康学部では高齢者対象にクレアチン摂取効果を認め、ヒトへの認知機能低下の予防策の確立に寄与されました。2015年に現職に戻られ、教育面では医学科や看護学科で運動医学やスポーツ栄養学などを担当され、食事の大切さを唱えられています。クレアチンに関する基礎医学研究、座位による寿命や2型糖尿病との関係、またナットウキナーゼ実験を加えるほか、市民公開講座講師や本場で磨かれた英語による学内学会座長など多忙な日々を送られていらっしゃいます。

本校で培われた研究力を継続され、かつ建学精神に則って栄養学と臨床検査学の両面に渡って活躍されている黒澤さん。学ぶ、知る、追求する楽しさをわかりやすく伝えてくださり、学生達は将来を考え、自らの可能性に夢を膨らませたのではないでしょうか。

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