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女子栄養大学のいま
アメリカで活躍する本学大学院修了生によるセミナーを開催
学園

アメリカで活躍する本学大学院修了生によるセミナーを開催

2023.09.06
▲(上写真)Dr.Chaの指導教員である香川靖雄副学長(左)とDr.Cha(右、青いシャツ)

8月29日(火)、本学大学院の修了生であり、現在アメリカで研究者として活躍されているDr.Seung Hun Chaが来日し、大学院セミナーを開催しました。

Dr.Chaは1996年~1998年まで女子栄養大学院の修士課程に1998年~2001年まで博士後期課程に所属し、香川靖雄副学長の下で博士号を取得されました。その後渡米して研究を続け、現在はJohns Hopkins大学傘下のHopkins technology venturesにおいてResearch Directorとして活躍しています。

セミナーのテーマは" Metabolic effect of AQP5 on food intake via hypothalamic AMPK, malonyl-CoA and regulates hypothalamic neuropeptides" 現在のアメリカで行われている最先端の研究であり、難しいテーマではありましたが、学生・教員含め16名の参加がありました。

ヒトは毎日大量の水を吸収したり、対外に排出したりしていますが、こうした体内での水の移動を支えているのが細胞膜を通して水を通す孔の水チャネルであるアクアポリン(以下、AQP5)です。AQPは,1992年,米国の研究者によって赤血球の膜タンパク質として発見され、その体内での機能について複数存在することが確認されていますが、AQP5は唾液腺細胞の細胞外液分泌に重要な役割を果たしていることが分かっています。食物の摂取量が多いと脂肪酸の原料であるマロニルCoA(マロニルコエー)が増えて肥満します。そこで代謝の中枢である視床下部でマロニルCoAの量が増えると食欲を抑える神経ペプチドを作るのです。この調節機構に視床下部のAQP5が関与していることをDr. Chaが明らかにしました。視床下部にAQP5の遺伝子を導入するとマロニルCoAの合成が減り、食欲を増進する神経ペプチドによって肥満する仕組みをマウス等の実験を用いて得たデータを使い大学院生に分かりやすく説明をしてくれました。

自身の研究内容だけでなく、大学院での学修についても、「とにかく院生が活発に発言し議論することが大切」とご自身の経験を踏まえて、アメリカの大学と比較しながら、話をして下さいました。アメリカの大学では週に1回ジャーナルクラブというものがあり、他の研究室の学生同士がお菓子やランチを取りながらカジュアルに研究論文について語ったり、議論する場があるそうです。

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「とにかく、人との関り(Relationship)が一番大事。人と集まり、人とかかわることで‘自分が分からないこと’を超えていくことが必要。今はデータ集計や分析は全てAIができる。人がクリエイティブでなければ、AIを利用してオリジナリティのある仕事をすることができない」

研究室で机に向かうだけでなく、人と関わる楽しみを持ちながら、研究を進めて欲しいと、栄養学研究の拠点である女子栄養大学大学院の先輩として後輩に力強いメッセージを頂きました。

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▲左から香川副学長、福島教授、Dr.Cha、武見副学長

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▲川端副学長(左)より記念品を贈呈



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