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女子栄養大学短期大学部×カゴメ株式会社  理想の野菜摂取量1日350gを摂るための簡単ツール、 手ばかりによる“片手6杯”は有用
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女子栄養大学短期大学部×カゴメ株式会社 理想の野菜摂取量1日350gを摂るための簡単ツール、 手ばかりによる“片手6杯”は有用

2024.01.10
女子栄養大学短期大学部 小澤啓子 准教授(栄養指導研究室)が行った、カゴメ株式会社との共同研究の成果が論文にて公表されました。本論文の責任著者を小澤准教授が担当しています。

1日の野菜摂取量目標は350gと国が設定し、20年以上たちます。しかし、日本人の野菜摂取量は2019年の国民健康・栄養調査の結果では、男女共に1日あたり60~75g不足しており、20年間目標値に達したことがありません。その要因として、「野菜」という食材レベルの目標値が浸透していないことや、自分自身でどのくらい食べているのかをセルフモニタリングできないことなどが挙げられます。
これを解消するための指標として、食べる時の状態、すなわち料理レベルで「野菜料理を1日5~6皿/日」の利用が検討されており、一定の妥当性が報告されています。

一方、手軽な目安として、一部の企業や自治体などにおいて、「両手〇杯」「片手〇杯」という「手ばかり法」によるモニタリングが長く使用されていますが、これははかり方や量についての統一性がなく、妥当性の検討もされていませんでした。
今回、本学とカゴメ(株)との共同研究により、片手1杯が60g程度として使用でき、正しい野菜摂取量を見積もることができるか検討した結果、3日間の食事で調査 で、“手ばかり”は実際の野菜摂取量と比べ、相関性があることが判明しました。

小澤啓子准教授は、次のように述べています。
手ばかり法は、自身の手を用いて野菜摂取量を推測する手法で、非常に簡便なもので、「多さ・少なさ」に関して正しく評価できる、有用な手段であると判明しました。ただし、野菜摂取量を定量的に評価するものとしては、過小評価されてしまうので、課題があります。
この過小評価の理由のひとつとして、カレーや煮物、汁物などは、調理する過程で形状が変化してしまい、使用されている野菜を目視で認識しにくいため、野菜量を推測することが難しく、少なく見積もってしまったと考えられます。特に夕食は召し上がっている料理の多様性・複雑度が影響しているように考察できます。
また、今回の結果を受け、手ばかり法を用いることで、「思ったよりも野菜を食べている」と考えてしまうことも危険です。本研究では、写真法でも3日間平均の1日の野菜摂取量は、227.6gであり、目標とする350gには届かない結果でした。
「今年は野菜もしっかり摂って、健康的な食生活に取り組みたい」と考えている方は、自分で料理をする回数を無理のない範囲で増やし、野菜の量がわかる感覚を掴んでいくことからはじめてみるのはいかがでしょうか。片手1杯が60gとなるか不安な方は、野菜料理を1日5~6皿食べよう、という目標を決めた上で「手ばかり法」を活用していくことをおすすめします。
【論文情報】
〇タイトル
 手ばかり法による野菜摂取量推定の妥当性評価
〇著者名
 北田 千晶・信田 幸大・小澤 啓子
〇掲載誌
 日本健康教育学会誌2023年 31巻 4号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kenkokyoiku/31/4/31_310408/_article/-char/ja

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