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女子栄養大学のいま
[学園フォーカス]学長メッセージ 栄養学の実践を通して、現実社会と向き合う
学園

[学園フォーカス]学長メッセージ 栄養学の実践を通して、現実社会と向き合う

2022.04.26
女子栄養大学/女子栄養大学短期大学部 
学長 香川 明夫(かがわ あきお) 
[学園フォーカス01 APRIL 2022] 

4月、新入生の皆さんをお迎えし、2022年度の授業がスタートしました。依然として新型コロナウイルス感染拡大防止の対応が続く中でのスタートとなりましたが、新入生にとっても、在学生にとっても、ここから、本学の学びが積み重ねられていきます。授業は、一人ひとりの可能性を最大限に伸ばすために計画され、実行され、改善・工夫される仕組みが整えられています。
今回は、本学の教育姿勢や学びの特長についてご説明します。

本学は、「食により人間の健康の維持・改善を図る」を建学の精神に、「自分のこととともに他人のことも考えられる人」「個人の幸福とともに社会の福祉を思う人」「現在のこととともに未来のことも深く考慮する人」を育てることを、教育の目的としています。

図4


■大切にする学びは、現実社会に生かせる理論と実践
本学は、「理論」とともに、「実践」することを大切にしています。実践とは、実際に自分で行動すること。実際の場面や状況で、行動してみることで、うまくいくこと・いかないことがわかり、次はうまくいくように工夫することができます。創立者の香川綾は、「栄養学は生活の中で生かされてこそ、私たちの生命を支える」と考え、人々の健康づくりのために栄養学の教育・研究に取り組み、栄養学に特化した大学をつくり上げました。

現在、人類は多くの問題に直面しています。新型コロナウイルス感染症の拡大、自然災害の発生、そして大切な生命が奪われていく戦争の惨状。本学は、どういう時代や状況にあろうとも、現実社会において、人類が自然や環境と共生し、平和を維持する社会に貢献するための栄養学とその実践を追求し続けていきます。また、その時代の食生活や環境にあわせて、また多様な価値観を理解し尊重する中で、実践しやすい形に変えていく、しなやかな姿勢を育み、持ち続けていきます。

図3


■健やかに生きるために「食」を想像し「食」を創造する
学園創立当時の日本人の平均寿命は男女とも50歳に届いていませんでしたが、現在では女性87歳、男性81歳と大きく延伸し、まさに人生100年時代と謳われるようになったいま、生涯を通して健やかに生きることは、個人にとっても社会にとっても大切であり、それを支える「食」の重要性も増しています。

本学の「食」の学びのコアとなっているのが、栄養と料理です。建学の精神である「食により人間の健康の維持・改善を図る」ことを具現化する、すなわち、栄養学を実践に移すには、「料理」がおいしいものであること、栄養バランスのとれた「献立(料理の種類や組み合わせ方)」であることが必要だからです。料理は、調理器具を使う生活場面での科学実験であり、プログラミング的思考を育む大切な体験ともいえます。どういう料理を作りたいか、どういう味にしたいか、その具体を想像することから始まり、出来上がりの料理や味といった結果を見通しながら、プロセスを考え、次の手順のために優先すべきことを思考・選択しながら、味を確かめながら、つくり上げていきます。

本学には、栄養と料理を、学問として探求してきた伝統と実績があります。そうした年月は想像と創造の連続であり、その成果が、計量カップとスプーンであり、レシピです。計量カップとスプーンは、料理をおいしい味に仕上げるために調味料を計る道具として、今から70年以上も前に、創立者の綾が考案しました。それを使うことで、料理の食材の重量に対して調味料をどのくらい使ったらよいかを明らかにすることができました。食材の重量に対する調味料の量の割合(調味パーセント)を用いて、料理に使う食材の種類や調味料の量、作り方の手順を示した、料理の設計図といえる「料理カード」も考案しました。料理カードは、現在のレシピに相当するものです。

栄養と料理をよりよいものにするには、栄養素のはたらきや消化吸収、代謝はもちろん、食物の選択や組み合わせ、食費の使い方、調理方法、食卓の整え方、誰とどのように食べるかなど、科学と技術の統合が求められます。そして、社会の経済状態、日本や世界の食料の生産・流通までを含めた広い視野に立つことも必要になります。栄養と料理に、想像も創造もつきることはありません。

図1

(左)計量カップとスプーン。写真上:1948年頃の試作品。写真下:現在の計量カップとスプーン。[香川昇三・綾記念展示室で展示]
(右)調理学実習では、計量スプーンを使って調味。サバの味噌煮は、サバの重量に対し、塩分1.2%、糖分8%でおいしい味に。調味パーセントを使えば、サバの重量が変わっても、調味料の量が算出可能。

図2

(左)月刊誌「栄養と料理」の1955年1月号の表紙。イラストは、その当時、摂取が推奨された食品(当時は、たんぱく質摂取の増加が停滞し、ビタミン・ミネラルの摂取不足が顕著)。
(右)栄養と料理(1955年1月号)の付録の「料理カード」。食材や調味料の分量と作り方、出来上がりの料理のイラストを記載。調味料の分量は、計量スプーンの大さじ・小さじで表記。

■主体的に考え行動する学生、卒業生とともに、大学も深化し続ける
本学は、科学の進歩とともに、現実に起きている課題や将来へとつながる潜在的課題への洞察のもと、広い視野と柔軟な思考で、本学が究める栄養学の捉え方や考え方、それに基づく実践の姿を社会に開放していきます。そこには、日々の教育研究や社会連携活動の中で、主体的に考え行動する、生き生きとした学生の姿があらわれてきます。現実社会で栄養学を実践する魅力的な卒業生の姿もあらわれてきます。

本学の栄養学とその実践を広く知っていただくことで、もっと多くの方々と関わり合い、もっと深く社会について学び合い、人々の暮らしや社会に役立つ栄養学を深化させていきたいと考えています。

来年2023年、学園創立90周年を迎えます。ますます多様化していく社会の中で、人類にとっての食や健康の本質を見失うことなく、栄養学の魅力あふれる大学として深化し続けるよう、教職員一同努力してまいります。

学園紹介(今こそ)

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