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【女子栄養大学×文京学院大学 学長対談】異系列大学間包括連携協定締結 栄養学とのコラボレーションで新たな教育・研究分野に挑む
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【女子栄養大学×文京学院大学 学長対談】異系列大学間包括連携協定締結 栄養学とのコラボレーションで新たな教育・研究分野に挑む

2023.02.16

両大学の英知が結集
異系列の2大学が、あらたな大学スタイルを構築します。

女性に「自立」の力を与えたい。
大正から昭和初期の激動の流れの中、創立者自身がそう願い、そのことを教育で実現しようとしてきた歩みに共通点があり、異なる領域で長く大学教育をけん引してきた、女子栄養大学と文京学院大学。

予測が難しく、変化が大きいこれからの社会で、変わりゆく大学の役割。だから今、原点に立ち戻り、これまで大切にしてきたことを、これからも継承し、更に創造する姿勢を大事にし、ここからあたたかい未来を共に創っていこうと考えました。2つの大学が、それぞれの長所を活かしあうことで、2大学の基礎力を2倍、3倍の魅力あふれるパワーにして、あらたな『大学スタイル』の構築を目指します。

両大学の包括連携協定に向けて、 女子栄養大学 香川明夫学長(写真左)と文京学院大学 櫻井隆学長(写真右)が、大学教育への思いと具体的な取組、そして包括連携協定締結に向けた抱負について語り合いました。

図3
対談場所:文京学院大学 本郷キャンパス まちづくり研究センター


理念

―香川学長(女子栄養大学)
1933年、「家庭食養研究会」という小さな研究会を作ったところから始まります。創立者の香川昇三と綾は共に医師で、当時社会にまん延していた脚気の治療と予防に取り組むなかで、「医師の使命は病人を治す前に病人を出さないこと、そのためには正しい食生活が重要である」という信念を持ち、食と健康を主軸とした教育・研究を行いました。ここから、栄養学に特化した大学づくりがスタートします。
1950年、栄養士養成のために短大を開学した際、創立者の綾は、女子教育について、女性たちが独立して考え、自立して生活し、社会に寄与する存在となるよう、また国民の食生活の改善と女性の地位向上に役立つなら、社会にとって有益だと考えました。
1961年の4年制大学設置当初から1学部のみで、栄養学部のみの単科大学というのは世界的にもめずらしく、本学の一番の特徴です。また、栄養学を生活にいかす「実践」を重視した教育研究も本学の特色です。栄養学部の学科構成は、実践栄養学科、保健栄養学科、食文化栄養学科の3学科で、保健栄養学科には栄養科学専攻と保健養護専攻があります。人々の健康のために栄養学の科学とその実践を追求し、管理栄養士や栄養士をはじめ、臨床検査技師や養護教諭、家庭科教諭など、食で社会に貢献できる人材育成を行っています。

―櫻井学長(文京学院大学)
1924年、「島田裁縫伝習所」の開塾が出発点です。関東大震災に遭遇した創立者の島田依史子は、一夜で財を失った人たちを目の当たりにして、知識や経済力も無いが故の不幸が多かった女性の自立を支える女子教育に取り組むことを決意しました。この時、依史子は22歳、15名の生徒での授業から始まりました。
1964年の短大の開学は英語英文科でした。当時の女子短大は家政学や文学が主流でしたが、今後の国際社会を見据え、世界的視野に立つ豊かな教養と知性を備えるため、英文学一辺倒ではなく英語とビジネスを結び付けたカリキュラムにしました。
現在、大学は4学部10学科ですが、4年制大学は、1991年に女子大初の経営学部として出発しました。経営学部というのも女性の自立を支えるという創立者の強い思いの表れです。常に、時代の流れを読み、必要とするものとを先んじて取り組むという姿勢で、人間学部、外国語学部、保健医療技術学部を開設してきました。すべての学部にわたって、実学を中心とした教育に取り組んでいます。
2005年、文京学院大学は男女共学となりました。女性に自立の力を与えたいという思いは、性別にかかわらず人間に自立の力を与えたいという思いとなり、「自立と共生」という本学の建学の精神として引き継がれています。


特徴

―櫻井学長(文京学院大学)
4学部、それぞれの学部で特色を活かした実学教育を行っています。たとえば、経営学部の長期フィールドワークでは、大学の外に出て、自分たちの学んだことが社会でどうつながっているかを学びます。単に商品を作るだけではなく商品化して流通にのせていけるか、作り、伝え、売る力を、実社会と連動してトータルで学び、体得していくのも特徴です。世界最大級のアニメイベント「AnimeJapan」にブースを出して、実際に企業からオファーをもらう、企業の方から商品化に向けた意見をもらう、世の中に出た商品を見る、さまざまな体験を通して学んでいきます。学生の活動を、教職員がしっかりサポートする仕組みもあります。
今日の会場となっている「まちづくり研究センター」、通称「まちラボ」と呼ばれるこの施設も、実学教育の拠点です。共生社会の構築を目指す教育・研究の場として授業や地域活動が行われています。社会的「距離・不平等・格差」を主に様々な社会課題に対し、学生が主体となって「産・官・学・民」の体制から取り組み、成果を社会に還元していくことを目指しています。
それぞれの学部で特色のあるフィールドワークを通して実践的に学び、社会に通用する力を身に付けていきます。

―香川学長(女子栄養大学)
すべての学科で1年次に実践栄養学の授業があり、自分の食を学ぶことから始まります。食事記録をつけ、実際になにを食べたか、バランスはどうかなど分析を行い、よりよい方向にしていくプロセスを組み立てていきます。実践栄養学科では2年次に、様々な計測を通して自分のカラダの状態を知り、食事記録の結果とつなげることで、自分を実例に、カラダと食べ物の関係、実際の改善方法を体得していきます。さらに、それぞれの人が置かれている生活環境やライフスタイル、価値観なども含めて、総合的に課題解決できるスキルを身に付けるために、多彩な課題発見・解決型学習を取り入れています。
養護教諭を目指す専攻では、2年次に、一定期間連続して学校に行って、様々な活動に参加し、子どもの様子や教職員の仕事を学べる、長期学校体験実習取り入れています。これにより学校全体を知ることができ、教員になった時に役立っています。
食文化栄養学科では、食ビジネスとしておいしさや楽しみを追求した商品やメニュー開発、地域振興の観点からフィールド調査を行い地場産物を使ったメニュー開発など、栄養バランスにも配慮し、学生自身が学んだことを実際に社会で試してみる実習や活動を行っています。


連携活動

―香川学長(女子栄養大学)
本学の社会連携活動は、連携協定数も、連携活動数も多くなってきています。一方、そうした協定や活動は連携先と本学という1対1の関係にとどまり、そこから先の広がりにまでつながってはいかないのが現状です。ここから有機的につなげて、さらにつながりを広げていくことはできないか。文京学院大学さんとの連携で、そうしたことが少しずつ実現できたらと考えています。
例えば、この対談の会場である“まちラボ”の施設も、実際にこうやって訪れてみることで、活動のあり方や、そこからつながっている方々の姿を想像することができます。本学も、教育研究と一体化した社会課題解決型の拠点を作りたいと考えているので、ヒントがたくさんあると思いました。また、先ほど実学教育でお話があったように、どんなにいいもの、おいしいものを作っても、多くの人に手に取って、味わってもらわないと意味がないので、コラボで、みんなに親しまれる商品、売れる商品を手がけてみたいと思いました。

―櫻井学長(文京学院大学)
この“まちラボ”が、本郷通りに面してガラス張りで作られているのも、地域を大事にしていて、地域の方々に本学の活動の様子がみえて、気軽に立ち寄っていただける拠点にしたいと考えたからです。これからも地域や企業との連携を大切にしていきたいし、拡大していきたいとも考えています。
そのためには、本学にない学部との連携によって、教育や研究のいろいろな面で幅が広げられるのではないか、今回の女子栄養大学さんとの連携は楽しみでもあり、期待もしています。
教員の研究分野も、栄養学という視点が加わることで新たな接点が出てきそうです。また、学生同士の交流、さらに教員、職員同士の交流が進んでいくと、今まで本学になかったカラーが出てくるのではないかと思います。

―香川学長(女子栄養大学)
これからの連携に非常に楽しみが増えてきたなという感じです。

―櫻井学長(文京学院大学)
女子栄養大学の柱である「栄養学」という学問領域と「食と健康」による人の幸せへの貢献という姿勢は、本学の建学の精神に紐づくイズムや学問領域と親和性が高いものと考えています。
本学が培ってきた「多文化」「経営」「子ども」「福祉」「心理」「保健」と言った学問と「栄養」「食」「健康」が融合することで、人や社会が心身ともに豊かになる様々なアイディアが生まれることが想像できます。先行き不透明な時代だからこそ、こうした新たな価値観の創造にワクワクしながら取り組みたいと考えております。


展望

―香川学長(女子栄養大学)
大学の形も社会の状況によって変わっていきますので、それに柔軟に対応できる思考を持ち続けたいと考えています。人々の暮らしや健康にとって食は土台となります。貧困や災害など個人では解決しにくい社会課題もありますし、これから現れてくる課題も含めて、一人一人に寄り添う形で取り組んでいける大学でありたいと思います。そして社会的理解やサポートが十分とはいえない子どもの健康や女性の健康、環境負荷の軽減や持続可能な食のあり方などにも、栄養学からどうアプローチできるかを考え、向き合いたいと思います。そのためにも、学生さんの発想や創造力は必要で、自由なアイデアや試行錯誤のプロセスを受けとめられる大学でありたいと思います。
誰もが生活者である事実を起点にすれば、栄養学の可能性はさらに広がります。大学を外へ外へと開いていくことで、もっと多くの方々と関わり合い、もっと社会について学び合い、栄養学の魅力あふれる大学を目指していきます。

―櫻井学長(文京学院大学)
学院創立100周年に向かう大学の将来構想 “B‘s Vision 2024 ”でも、学生や社会と共に成長する大学としての姿勢を明確に示しています。
また、大学開学30周年の際に、ブランドタグラインとして、“共に育つ、わくわく悩む。”を策定しました。大学の4年間、学内だけでなく、地域や企業の方など、多くの人と共に学ぶこと、悩み、失敗しながらも、前を向いて進み、少しずつ共に成長することを大事にしています。悩み、葛藤し、ときには挫折したり失敗したりする経験を、大学時代に経験することは、社会に出た後も、困難を周囲の方と協働しながら乗り越えられる礎となります。
中々一歩が踏み出せない、やってみたいけれど自信がないというような不安や悩みを抱えた高校生の方こそ、どんどん入ってきてほしい。文京学院大学は、そんな方々と、教職員、先輩たち、地域の人々とが共に学び、みんなで悩み、喜び、共に成長する大学であり続けたいと考えています。


キャラクター


まちラボ


【本掲載文についてのお問合せ先】
◆女子栄養大学 広報部 学園広報課 e-mail: gkoho@eiyo.ac.jp
 ホームページ www.eiyo.ac.jp
◆文京学院大学 戦略企画・IR推進室 e-mail: irplan@s.bgu.ac.jp
 ホームページ www.bgu.ac.jp

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