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第5回 香川芳子学術奨励賞授賞式、受賞講演会

香川芳子学術奨励賞の第5回授賞式と受賞講演会が2017年10月21日、卒業生と在校生、教職員約200名が出席して坂戸キャンパスで開催されました。

第5回受賞者は小林葉子氏で、受賞題目は「食品に含まれる匂い(香り)物質による脳・神経系の機能調節に関する研究」です。小林氏は、1986年に本学保健栄養学科検査技師課程を卒業し、自治医科大学の生化学研究室に技師として勤務された後、群馬大学大学院工学研究科に進学して修士、博士の学位を取得。その後、流動研究員やリサーチアソシエートとして国立循環器病センター、創価大学生命科学研究所、東京大学医科研究所、静岡県立大学大学院生活健康科学研究科で研究者として精力的に研究活動を進め、多くの研究業績を挙げてこられました。そして2008年に桐生大学医療保健学部栄養学科の准教授、2014年には同大学教授に抜擢され、現在は研究のみならず、教育にも力を注いでいます。

主要な研究は、香りの作用機構に関するもので、食品の香り物質、特に野菜や果物に含まれる植物特有の「みどりの香り」といわれるヘキサナール、直鎖C6のアルコールやアルデヒド類を中心に、脳・神経系への影響を検討されてきました。パーキンソン病や認知症と関連の深い神経伝達物質であるドーパミンとヘキサナールとの関係やその制御機構について解析された研究は、高い評価を受けています。

授賞式では、記念の表彰盾と奨励金が授与された後、小林氏による記念講演が行われ、本学在学中の想い出や研究生活を続ける上で、恩師・先輩・友人とのつながりがとても大切であること、最後には「飽きずに、続けられること」、「夢を持ち続けること」が重要と話されました。研究内容については、公園のみどりの匂いやトマト・豆などに含まれる植物特有の香りの成分の本体について解説され、また脳神経細胞内でのその作用機構を詳細に説明されました。さらに、実生活の中での匂い成分のもたらす効能や認知症への予防効果についても分かりやすく解説していただきました。これまで物事に誠実に取り組んできた小林氏の研究姿勢を知ることで、学生にとっても大きな刺激となりました。


左:小林葉子氏 右:香川芳子学長

左:小林葉子氏 右:香川芳子学長