教育・研究による取り組み

小児糖尿病サマーキャンプにおける本学学生の活動

小児糖尿病サマーキャンプにおける本学学生の活動

2024.05.13

小児糖尿病サマーキャンプにおける本学学生の活動

サマーキャンプは、糖尿病の子どもたちが糖尿病を正しく理解し、よりよい自己コントロールを得、自立・自律していくことを目的としています。小学生から高校生までの年齢の異なる仲間が集まり、医療者や学生スタッフ、キャンプOB・OGと集団生活を行うことで、糖尿病の正しい知識や新しい知識を得たり、仲間から生活の仕方のヒントを得たり、困ったときに相談しあえるような関係を構築することを目指しています。

臨床栄養管理研究室は、日本糖尿病協会埼玉支部小児糖尿病対策委員会 埼玉つぼみの会に協力し、10年以上、栄養スタッフとして実践栄養学科の3,4年生が8月に行われるサマーキャンプに参加しています。

サマーキャンプにおける栄養スタッフの役割は次の内容です。

  • 安全で自立を促せる栄養食事管理の実施
  • 糖尿病の栄養食事療法に関する知識の提供
  • 食事を通し、社交性を身につける支援

栄養スタッフの活動

  • 栄養食事管理
  • 栄養教育の企画・実施
  • 野外炊飯の企画・運営
  • 補食や水分の準備

半年前から毎月1回、医療スタッフ、医学部、看護学部、心理学部の学生、キャンプOB・OGの生活スタッフとミーティングを重ね、キャンプの企画、準備を行います。

キャンプ中の食事はカーボカウント表により、小学生でも自然にカーボカウントが身につくように工夫

毎食のカーボカウント表の記録は、自宅での目標を記載してもらい、栄養スタッフからのコメントをつけ、ファイルして一人ひとりに返却します。

年齢にあわせて、たのしく栄養を学ぶ!!

さまざまな体験と組み合わせた野外炊飯

キャンプ後の子どもたちの感想文集では、食事や野外炊飯に関する記載が増加し、当初は、野外炊飯の感想も「おいしかった」のみだったのが、「協力して作れた」「みんなでがんばった」「野菜をむいたりきったり楽しかった」「自分が作ったのをほめてくれた」「米担当は大変だったが、達成感があった」などの自身が担当したことや技術の記載が多くなりました。また、「カーボの量を考えるのは苦戦したけど大事だとわかった」「家でカレーをつくる」「来年もカーボをやってほしい」「野菜からたべてみた」などの関心や実行の記載がふえています。

コロナ禍でサマーキャンプは中断を余儀なくされましたが、2023年から再開しました。

2024年は保健養護専攻の学生も参加します。

本学学生スタッフも子どもたちから、多職種から、多くの刺激、学びを得て成長しています。

[臨床栄養管理研究室 恩田理恵 教授]