創立以来、本学の学生は「野菜づくり」を体験してきました。これは「生きものが育っているところを知らずに学問をしても、頭と心がアンバランスになるだけ」という創立者・香川綾の教育方針によるものです。その理念は、現在も選択科目「農園体験」に引き継がれ、学生の実体験の場として、様々な作物が育てられています。

ご挨拶

食は生命なり - 今に続く女子栄養大学農園

学長  香川 明夫

坂戸キャンパスから歩いて10分程に位置する「女子栄養大学農園」では、旬の野菜や果物などの作物を数多く育てています。 
農園設立当初は、全学生が農園で作物を育てていました。時と共にご入学される方が増え、現在は「農園体験」の科目選択をした方や、クラブ活動等を中心に、農園と関わりを持っています。また、駒込キャンパスにある菓子工房プランタンでも、農園で育てた作物を使用した商品を販売するなど、「女子栄養大学農園産」の作物を学園一同、大切にしています。

農園通信

2024年度4月

新しい学生が訪れ、作付けを畑が待っています。 今年はどんな風に手をかけてもらえるのだろうかと、 今は静まり返って時を刻んでいます 
まもなく140名余の学生が農園に賑やかさとと もに訪れ、汗を流します。

イソヒヨドリ。名のとおり日本では磯や港に生息する鳥だそうです。しかし、近年、内陸部でも見られ、都市部や住宅街でもそのきれいな鳴き声を聞くことができるそうです。昨年来、度々、農園でも見かけるようになりました。そして、最近はつがいで畑の周り飛び交い、餌を啄ばみ、電柱や屋根の上でとても響く声で囀っています。
オスはきれいな青色をしているので幸せの青い鳥ともいわれるようです。

こちらはおなじみのヒヨドリ。
ローズマリーの花が開き始めると枝にとまり啄んでいます。啄むのはローズマリーだけでなく、ビオラなどへも盛んにくちばしを伸ばし、花びらを引きちぎっていました。

花や芽生えなどを見つけては、飛んで来て啄みます。
畑を耕起していると飛んで来て虫を食べるハクセキレイやムクドリ、そしてカワラヒワもやって来ては草の種にくちばしを伸ばしています。鳥たちでにぎやかな農園です。

大麦が出穂して緑鮮やかです。  <br>学生の喉を潤す麦茶になります。

大麦が出穂して緑鮮やかです。
学生の喉を潤す麦茶になります。

もう一つ、鳥のお話。
今まではなかったのですが、この春、流し台の手洗い用の固形石鹸が持ち去られました。おそらく、カラスの仕業かと。まだ、餌が少なく、固形石鹸は油分を原料に含むため持っていって、食べるようです。ネットに入れておいても持っていくことは承知していたのですが油断していました。
また、畑を耕起していると手を伸ばせば届くような近くまで来ます。目当ては土から出てくる虫。こんな近くで見ることは稀なことです。

バックナンバー

2024年度

2023年度

2022年度

農園での体験と学び

選択科目 共通特論Ⅲ「農園体験」

対象学科・学年 
全学科・全学年

授業の目的 
個々に野菜を栽培しながら、農作物の基本的な性質や栽培方法、生産した農産物の加工や保存についての知識と技術を学ぶ。あわせて農作業の大変さを体験し、食物を大切にする心を育む。

授業の評価方法 
取り組む姿勢(農作物の栽培管理状況)とレポートで評価を行う。

授業概要 
体験畑(一人1m×2m)で4~5種類の野菜について、種まき、定植、灌水、除草、収穫等を行う。原則週1回に来園し、作業を行う。 
収穫した野菜は持ち帰り、調理する。あわせて大学農園で栽培する野菜を試食、あるいは持ち帰り、調理して様々な利用方法を学ぶ。さらに配布資料等で、野菜の栽培管理技術の基礎知識などを学ぶ。

※授業計画は学園ホームページ「WEBシラバス」よりフリー検索に「農園体験」と入力し、ご確認ください。

在学生・在校生のみなさま

「女子栄養大学」の大きな看板を東上線の車窓から見ることができます。そこに大学農園はあります。
周囲を住宅に囲まれた2,400㎡の畑で、「農園体験」の授業を行います。
「農園」の中で野菜栽培を「体験」します。その中にサツマイモの栽培・収穫があります。芋掘りと言うと「幼稚園の時にやった」との声をしばしば受講生から聞きます。しかし、一から掘ることに戸惑います。 
栄養の根源である食。食のプロを志すみなさんが根源の一端に取り組むのが、「農園体験」です。
日頃、スーパーなどで手にし、食卓に上がる野菜を自分の手で作ります。畑を耕し、種を播き、大きくなる姿を見つめながら手入れし、収穫します。もちろん収穫した野菜は調理し、味わいます。自分で育てたものの味は格別です。野菜の生長観察や畑の管理を、暑さ・寒さの中で行います。野菜の調理前の姿は知っていてもどのように育つのか、同じ野菜でも品種が違うと形や味に違いがあるかなど新たな体験もあります。土をいじる、野菜につく虫など苦手なことも仲間と取り組み、克服できかもしれません。「農園体験」はみなさんの記憶の中に刻まれて役立つことがあると思います。開放された畑で野菜を愛で、気分転換を図る気持ちで農園へ足を運び、「農園体験」を受講してください。そして、「食は生命なり」を思い出し、「農園体験」に取り組んでください。

アクセス・農園概要

アクセス

所在地  埼玉県鶴ヶ島市上広谷 
若葉駅より徒歩8分 
坂戸キャンパスより徒歩12分

MAP

農園概要

敷地面積 
3,026㎡

主な収穫物 
春:コマツナ、ジャガイモ、タマネギ 
夏:キュウリ、トマト、ナス、ズッキーニ 
秋:サツマイモ、ダイコン、カブ 
冬:ブロッコリー、キャベツ、ホウレンソウ 
その他:果樹類