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学長メッセージ

「今こそ、栄養学の時代」を実感できる社会へ

女子栄養大学は、「食により人間の健康の維持・改善を図る」を建学の精神に、「自分のこととともに他人のことも考えられる」「個人の幸福とともに社会の福祉を思う」「現在のこととともに未来のことも深く考慮する」人づくりを教育の目的として、栄養学を生活にいかす「実践栄養学」を基盤に、教育・研究に取り組んできました。
学園創立当時の日本人の平均寿命は男女とも50歳に届いていませんでしたが、現在では女性87歳、男性81歳と大きく延伸し、まさに人生100年時代と謳われるようになったいま、生涯を通して健やかに生きることは、個人にとっても社会にとっても大切であり、それを支える食の重要性も増しています。
他方、世界に目を向けると、すでに人口減少社会を迎えている日本の状況とは異なり、世界の人口は未だ増加傾向にあり、2050年の人口は約97億人と推計されています。また、世界の栄養不足人口が8億人に迫る一方で、肥満人口が6億人を超えるなど、栄養の格差は広がっています。
こうした状況の中、日本では、食料の多くを海外からの輸入に依存しつつも、食品産業の発展により多種多様な食品が流通し、様々な食品を手軽に入手できる環境が整っています。豊富な食べ物に囲まれ、一見、豊かさを享受しているようにみえる背景では、国内の農業・漁業従事者の激減、気候変動や自然災害による影響など食料生産をめぐる問題が年々深刻化しており、子どもの約7人に1人が貧困状態という社会経済的な格差も生じています。
本学の創立者の香川綾は、“誰もが”健康にと願い、そのために“誰もが”日常の生活で実践しやすいように、料理の味付けを計量化するための計量カップやスプーン、食事バランスが手軽に整う食品の組合せの目安「四群点数法」など、科学的で合理的なアプローチ法を開発し、検証し続けてきました。こうした“誰もが”という思いは、現在、社会的関心が高まっている「持続可能な開発目標(SDGs)」において“誰ひとり取り残さない”社会を目指している姿とも重なっています。
本学では、日々の教育研究、社会連携活動、さらに卒業生の社会での活躍を通して、科学の進歩とともに、現実に起きている課題や将来へとつながる潜在的課題への洞察のもと、広い視野と柔軟な思考で、本学が究める栄養学の捉え方や考え方、それに基づく実践の姿を社会に開放することで、もっと多くの方々と関わり合い、もっと深く社会について学び合い、本学の特色である実践栄養学を深化させていきたいと考えています。
時代がどう変化しようと、本学は、人類が自然や環境と共生し、平和を維持する社会に貢献するための栄養学とその実践を追求し続けていきます。そのために必要な教育研究を行う環境を整え、健康や幸福を求める人々にとっての栄養学の学びの場を充実させ、栄養学を社会にいかすことのできる人材を育成していきます。
2033年に迎える学園創立100周年を見据え、ますます多様化する社会の中で、栄養学の魅力あふれる大学として深化できるよう、教職員一同努力してまいります。
女子栄養大学
女子栄養大学短期大学部
学長 香川 明夫
(出典)「栄養と料理」 2022年4月号(p1)「きょうも元気に」(学長巻頭言) イラストレーター: 後藤美月さん
(出典)「栄養と料理」 2022年4月号(p1)「きょうも元気に」(学長巻頭言)
イラストレーター: 後藤美月さん