JOURNAL KAGAWA ヨクシル
大学病院に勤務して、幅広い患者さんと向き合う

実践栄養学科

卒業生紹介

大学病院に勤務して、幅広い患者さんと向き合う

活躍する卒業生

献立作成から、病棟での栄養評価や栄養指導まで幅広く対応

 埼玉医科大学病院は埼玉県西部に位置する特定機能病院です。この病院に勤務して3年目になります。1年目は、病院で提供される食事について厨房で作業しながら学びました。給食管理を基礎から学び理解することで、病棟で患者さん個々に合わせたベッドサイドでの栄養管理や栄養指導ができると考え、当院を志望し入職しました。現在は、食数管理と臨床栄養管理を兼務しています。特に食物アレルギーのチェックや嚥下調整食の調理、行事食の献立などもおこなっています。一方、病棟では、入院患者さんを定期的に栄養評価をし、問題があれば主治医に栄養プランを提案することもあります。また、小児科でのアレルギー負荷試験のための栄養指導や、外来では糖尿病等の栄養指導も担当しています。大学病院であるため、入院患者さんの病態も様々です。毎日が学びの連続です。

「食は生命なり」を胸に、管理栄養士として病院で栄養管理をサポート

 香川綾先生の「食は生命なり」、「食べることは生きること」という言葉を、4年間の講義や実習を通して深く学びました。この教えは、現在の私の仕事に大いに活かされています。


 病院は傷病者に医療を提供する場所ですが、治療が滞りなく行えるようにするためには、私たち管理栄養士が全身の栄養状態の維持や改善をサポートする必要があります。特に生活習慣病を治療する患者さんにとって、食事療法は欠かせません。食事療法は患者さん自身が納得し、実践することで初めて効果が現れます。そのため、私たち管理栄養士自身が健康であることが、最も説得力のある指導につながると考えています。日々、香川先生の言葉を思い出し、どんなに忙しくても3食バランスよく食べ、自身の健康管理に努めています。また、女子栄養大学はその名の通り栄養専門の大学であり、栄養に関する幅広い分野に精通する先生方がいらっしゃいます。興味や疑問をすぐに相談できる環境が整っており、在学時から卒業後までサポートが充実していると感じています。
 

患者さんのため、自分のために日々勉強!

 日々複雑化し進歩する医療の中で、常にアンテナを張って勉強を続けていかなければならない環境です。私自身、もともと勉強は得意ではありませんでしたが、新しい学びや発見があることで、管理栄養士としても一人の人間としても成長できることをありがたく感じています。また、「患者さんの笑顔が見られた時」や「感謝の言葉をかけられた時」にやりがいを感じるというのは本当です。人を相手にする仕事なので、コミュニケーションがきちんと取れて、相手に伝わったことが分かると、より強くやりがいを感じます。最近では、自分が栄養指導した患者さんが、私の指導を生活に取り入れてくださり、次の外来で数値が改善していた時のことを、特に嬉しく思い出します。もちろん、上手くいかない日々もありますが、常に目の前の病態だけを見ているのではなく、患者さん全体を見てサポートすることを心がけています。

将来は小児アレルギーエデュケーターの資格取得を目指して

 現在、アレルギー分野に興味があり、実際にアレルギー負荷試験の栄養指導にも携わっています。そのため、今後は小児アレルギーエデュケーターの資格取得を目指しています。この資格は、学生時代にはあまり触れることのなかった分野ですが、就職して小児科の栄養管理を始めてから目指そうと決めました。実際に、院内だけでなく地域の学校で講演を行ったり、学会で発表をしたりするなど、エデュケーターの資格を持つ先輩が活躍されています。私も厨房と病棟を行き来する管理栄養士として、実践的なアレルギー対策や調理の工夫、知識を深め、日々の指導に繋げられるよう努めています。
他にも様々な専門資格を持つ先輩方がおり、日々刺激を受けています。

高校生へのメッセージ

 私が管理栄養士を目指したきっかけは、「食べることが好き」「健康に長生きしたい」という思いからでした。栄養学は非常に奥が深く、分野も多岐にわたりますが、勉強してきて後悔したことは一度もありません。「食べることは生きること」という教えのもと、「食」に向き合った大学4年間は、私の人生に大きな影響を与えたと実感しています。そして何より、母校を愛し、誇りに思っている卒業生が多いことが印象的です。卒業後も学生時代の友人と定期的に集まりますが、その際には必ずと言っていいほど「栄大でよかったね」という話が出ます。ぜひ、同じ体験をしてほしいです。

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