■世界の3大食用キノコ■   ■キノコの見分け方の迷信■   ■キノコの虫■  
世界の3大食用キノコ「マッシュルーム、シイタケ、フクロタケ」

 キノコの人工栽培は長い歴史がありますが近代的な方法が始まったのは100年位前からのようです。ヨーロッパのマッシュルームは1893年にフランスのパスツール研究所のコンスタンタル、マトルショーの2人によって純粋培養法が確立したと言われています。日本のシイタケ栽培の始まりは300年前からといわれますがその後多くの試行錯誤が続けられ、ナタメ式→胞子注射方(注入・散布法)→榾(ほだ)木菌糸法→埋榾法→などの時代を経て第二次世界大戦の終わり頃純粋培養法が確立しました。

マッシュルーム
 マッシュルームはフレーバーが低く味が淡白で欧米人に好まれます。しかし近年では世界中で食べられており世界の栽培キノコのトップです。マッシュルーム

フクロタケ
 稲わらで栽培できますが発生温度が40度近くと高いので、台湾、中国南部、タイなどで多く栽培されます。
タイで食べたタイスキ。
このフクロタケは日本で出されるものの倍ほどの大きさだった。

シイタケ
 中国のシイタケ栽培は日本より古いフシがあります。しかし需要が多いせいか南宋貿易の頃から日本から輸出していました。
シイタケ


キノコの見分け方の迷信
食べられるきのこと毒キノコを見分けるには1つづつ覚えるしかない。

■迷信その1「縦に良くさけるキノコは食べられる」

まったく根拠のない迷信であり、猛毒のドクササゴ、ドクアジロガサ、ニガクリタケ、ツキヨタケ、マツシメジ、イッポンシメジクサウラベニタケ、オオワライタケ、ワライタケ、サマツモドキ、アセタケなどいづれも傘や茎が縦によくさける。
さけない毒キノコとしてはテングタケの仲間とニセクロハツくらいである。
安全な食べられるキノコでもハツタケ、アカモミタケを代表するハツタケの仲間や、アイタケ、ベニタケ属のキノコ、イグチの仲間、などは肉がもろいため、縦にはよくさけない。

■迷信その2「毒タケは美しく食べられないキノコはおとなしい色をしている」

毒のあるキノコの大部分は美しい原色とは縁がなく、タマゴテングタケ、シロタマゴテングタケ、ドクツルタケ、ドクアジロガサ、ニセクロハツ、テングタケ、イッポンシメジ、クサウラベニタケ、ツキヨタケなどすべて地味な色をしている。美しい色をしている毒キノコはベニテングタケくらいである。
これと反対に食べられるキノコには色の美しいものが多くある。
美しい色の食べられるキノコ
紅色系:タマゴタケ、ベニヤマタケ、ヒイロガサ、ベニハナイグチ、ベニナギナタタケ、カンゾウタケ、アカハナビラタケなど。
紫色系:ムラサキシメジ、コムラサキシメジ、ムラサキアブラシメジ、オオムラサキアンゾタケ、ムラサキナギナタタケなど。
青色系:アオロウジ、ヌメリアイタケなど
橙色系:ハナガサタケ、ハナガサイグチ、アカキクラゲなど
黄金色:コガネタケ


キノコの虫
 キノコの体内には種類によって多少の差はあるが、ショウジョウバエの幼虫のいるものが多くこの小さな虫を取るために調理前に塩水につけて虫だしをします。キノコを餌場として生活する虫には外部から食い荒らす飛来型と、幼菌に産み付けられた卵が傘の開くころ孵化して幼虫となり、内外部から食い荒らすナメクジ型との2つの型がある。前者を外食型、後者を内食型と呼んでいる。ショウジョウバエの幼虫は肉眼的には少しも産卵孔など認められないが、これが傘が開く時に入ると、無数の幼虫によってたちまちバグサレ状態に追い込まれてしまう。私のとってきたキノコもテーブルの上に放置したまましばらく留守にしたところおびただしい数の幼虫が這い出ていた。
 
 外食型に入る虫は、ナメクジを除いて、全部羽のある鞘翅目に属する昆虫(甲虫)ばかりである。
代表的な仲間に、ハネカクシ科、デオキノコムシ科ゴミムシダマシ科、ケシキスイ科、オオキノコムシ科、ヒラタムシ科、エンマムシ科、ムクゲキノコムシ科、タマキノコムシ科などがあり、これらの科に含まれる昆虫の数はおびただしいが幸いな事にいずれも逃げ足が速く、ヒトの近づく気配だけで一斉にキノコから離れてしまう。

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参考
原色キノコ全科見分け方と食べ方
清水大典 家の光協会 昭和43年第1版

食用キノコはすべてクスリ
監修:菅原龍幸 料理:松本仲子 発行者:宇野文博 発行所:株式会社同文書院 1998年9月1日 第一版第一刷

キノコの辞典 
編者:中村克哉 発行者:朝倉邦造 発行所株式会社朝倉書店 1982年2月25日初版第一刷 1983年5月20日 第2版

健康食きのこ
著者:原洋一 菅原龍幸 松本仲子 発行所:社団法人農村漁村文化協会 1989年3月25日第
一刷発行 1989年4月15日第2刷発行


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