
女子栄養大学×SDGs
女子栄養大学×SDGs
2024.05.10
私たち日本人は、1日55gほどの油脂を取っています。摂取する油脂の大部分は脂肪酸と呼ばれる物質からなります。脂肪酸は、その構造から飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別され、さらに、不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸、オメガ6およびオメガ3脂肪酸に分類されます(図1)。通常、油脂は数種類の脂肪酸から構成されていますが、性質や機能性はそれぞれの脂肪酸の割合に影響を受けます。
PAやDHAは魚から摂取する以外には、えごま油(しそ油)やあまに油などの植物油から摂取されるα-リノレン酸と呼ばれる脂肪酸からも、私たちの体内で合成することができます。ところが、この合成には遺伝的に個人差があります。日本人の約6割の方では、EPAやDHAが作られにくいことがわかっており、そのような方はより多くの魚の摂取が必要となります。基礎栄養学研究室(川端輝江教授)では、個人の体質に合わせて、健康に良い魚をどのように摂取するか、限られた海洋資源の活用について研究を重ねています。
T1:魚介類摂取量 0~23g
T2:魚介類摂取量 25~68g
T3:魚介類摂取量 70~390g
p<0.001:統計学的に3群間に差がある
図 魚介類摂取量別EPA及びDHA摂取量
[基礎栄養学研究室 川端輝江 教授]