ゼミ別 発表要旨
*テーマ / サブテーマ
【カテゴリー】
発表要旨
浅尾 貴子ゼミ
可愛くバズる☆スイーツレシピと盛り付けテク / 外食企業のデザート開発と視覚的ポイントのまとめ
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
エンターテイメント性を重視する外食企業「ダイヤモンドダイニング」の「古城の国のアリス」で店舗業務に携わりながらデザートメニュー開発を行いました。
インスタグラムで話題になるメニューがあると、それを目当てにお客様が来店してくださいます。撮影してもらえるビジュアル、動画を撮ってもらえるサービスアクション、口コミで話題になりリピートにつながる味の美味しさ、の3つを意識しました。担当期間のメニュー企画として、店舗のテーマであるアリスの不思議な世界観を表現しようと考えました。そこで“ハートの女王の大好きな赤いバラのビジュアルとバラの香り”をテーマ素材に決めました。料理の試作では、素材の選び方や最後まで食べ飽きない工夫、食器の選択や色合いなど、工夫が必要な点は多くありました。
春メニューで美味しさを意識した「ローズ香るいちごのティラミス」、夏メニューはビジュアルのインパクトをポイントに「夢見るアリスのプリンアラモード」、動画撮影してもらえるサービスアクションを期待して秋メニューの「真っ赤なりんごのティラミス」のを商品化しました。冬メニューでは、これらのポイントを総動員した「バラ香る苺のモンブランツリー」を開発しました。
苦労も多くあり、考案には多くの時間や労力を使いました。例えば、ハロウィンの時期では、「インパクトのあるもの」や「ワクワク感を得られるもの」が求められ、街中にも遊び心のあるものが溢れます。それらを把握するためにも、ゼミでメニュー開発をするようになってからは、人気飲食店を実際に訪れて創意工夫の情報収集を行い、考案に生かすという習慣も身に付きました。
担当期間4回の商品考案の中では、アイデアが行き詰ってしまったこともありましたが、会社の方にもお力添えをいただき、商品を完成させることができました。相談したり、考えを伝えたりといったコミュニケーション力も開発業務には欠かせないことを学びました。様々なことを経て開発したメニューが実際に店舗で販売されたときは、大きな喜びを感じられました。
腹ぺこ女子も大満足!アレンジ自在な食材の話 / 商品販促・カフェ運営の流れと欲張りなまとめ
【7.お店の企画・運営 / 8.商品開発 / 10.食材の可能性】
豆腐メーカー三和豆水庵とコラボ商品の開発、料理動画作成、おいしさを広めるための豆腐レシピ開発と、豆腐創作メニューを提供する学内カフェの運営を担当しました。
◇学内カフェ営業の流れ
1.企画書・レシピ作成 豆腐の可能性を知ってもらうことをコンセプトに、料理から工夫やアレンジが感じられるか、豆腐がきちんと主役となったメニュー構成か、また量感や原価などを考慮しながら作成しました。考案に行き詰まることが多々ありましたが、市場調査などから、盛り付け方や食材の使い方を参考にするなどして新しい料理に挑戦しました。
2.料理撮影 実施したアンケートで、料理写真に惹かれてご来店くださった方が多いことが分かりました。ぱっと見て興味を持っていただくために写真を撮る角度や明るさはもちろん、料理や季節の雰囲気に合うランチョンマットや小物を使用して、おいしそうに魅せるように工夫をしました。
3.販促 宣伝媒体が少ないことや、営業日が近くなってから宣伝をしてしまったために、カフェを知らない方が多くいることに気づき、認知していただくことが一番の課題だと感じました。インスタグラムでの紹介や予約受付、授業後に直接宣伝を行うなどし、積極的な働きかけをしましたが、集客には毎回苦労する結果となりました。
◇料理動画撮影について
私たちが開発した「女子大生が考えた料理を格段においしく作れる豆腐」の販売促進や、豆腐料理のアレンジの幅を広めてもらうことを目的に、お料理YouTuberとして月1回YouTubeに動画をアップロードしました。有名な料理系YouTuberやサイトに掲載されている動画を見て編集の仕方を学び、どうすれば分かりやすく、作ってみたいと見せ手に思ってもらえる動画になるのか考えました。見やすさを意識して、切る、調味を施すなどの動きを大ぶりにし、手軽に見られるよう動画の長さを2分程に収まるよう編集をしました。発表では実際に作成した動画もご紹介いたしますのでぜひご覧ください!
野菜のチカラでビューティーチャージ / 抗酸化作用を意識したカフェ企業のメニュー開発
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 17.健康・美容】
新宿ルミネ1にある「wired bonbon」にてメニュー開発を行いました。
○開発メニューについて
フォトジェニックなだけでなく、植物性素材のみを使用したヴィーガンスイーツを品揃えするなど、女性の健康や美容を意識したブランドイメージが特徴の店舗です。そこで私は、野菜や果物の色素が身体のサビを防ぐ抗酸化作用を持つことを生かして、素材の色をテーマにしたメニューを考えました。夏にはビタミンカラーをテーマに「ビタミンカラーのレモンチキンプレート」、秋には紫で「ワイン香る秋色ハンバーグプレート」、冬は白をテーマに「クリスマスカラーのフリカッセ風プレート」を考案しました。
○開発背景
お客様がどのようなものを求めているのか、またどのような調理や食材を使うことができるのか、実際に店舗でアルバイトをしながら学びました。ターゲットを30代女性にし、一皿で満足感のあるワンプレート料理を提案することにしました。同時に市場調査も行いながら商品を考案し、企業の方にプレゼンを行いました。ゼミでも先生やゼミ生から様々な意見をもらい試作を行ってきました。そして、実際にメニュー販売になりました。
○苦労した点
実際にメニュー開発を行ってみて、メニューのコンセプト決めや価格設定、料理や盛り付け、原価計算、ネーミング、オペレーションなど一つのメニューでも様々やることがあり想像しているよりも大変でした。また、野菜の色をどのように組み合わせたら見栄えが良くなるのか、味の組み合わせを考えるのに苦労しました。定番料理をベースにしたので、家庭料理風ではない特別感の演出のために、食材や盛り付けに工夫することに苦労しました。
発表では開発の流れや、販売実績のまとめ、野菜の色と抗酸化作用を取り入れたメニュー開発について、実際に企業で開発を行う難しさなどをお話ししたいと思います。
限定カフェメニューを開発する方法! / 店舗や季節などテーマ向け料理考案ポイントのまとめ
【8.商品開発 / 9.メニュー提案】
カフェ・カンパニー株式会社が展開する「WIRED KITCHEN川越アトレマルヒロ店」で “発酵食品”を使用した店舗限定の商品開発に取り組みました。
■料理考案のポイント■
1. 市場調査:自分が考案したいメニューと類似しているものや、同じ素材、調理法のものを探します。他店ではどのような形で提供しているのかを調査し、良い点を参考にし、自分のメニューに活かします。
2. 季節を意識する:旬の食材を調べます。旬の食材でも通年出回っているのも多いので、季節のイメージができる食材を入れることが大切です。期間限定なら、その時期にしか食べられないという特別感をつけることができます。
3. 付加価値をつける:家庭料理、既にあるメニュー、他店と同じにならないよう、差別化を図ります。私の場合は、担当店舗のメニューに発酵食品を使用することで、カフェでも健康感のあるメニューを提供しようと考えました。家庭であまり使用しない食材や調味料、健康要素、その場でしか食べられない料理はお客様から価値を見出してもらいやすいと考察します。川越店の実際のお客様層を踏まえると定番メニューが人気であるため、カルボナーラやティラミスにしたこともポイントです。
■開発の制約条件■
メニュー考案するにあたって、店舗でできる調理法、調理人数、食材、原価等を考慮しなければなりません。実際に1年間スタッフとしてキッチンに立つことで、外側からだけでは知ることができなかった店舗の事情を知ることができました。誰が作っても同じ仕上がりになるように、調理の簡略化、念密なレクチャー、店舗のスタッフと積極的に意見交換をするなどの工夫をしました。
■まとめ■
実際に商品開発の流れを経験し、お客様の目線に立ち、求めているものは何かを考えることが一番難しく、重要であることが分かりました。実際に店舗に来てくださったお客様やスタッフとのコミュニケーションや発酵食品のメニューを食べに行くことで、より良い商品開発に繋がると感じました。発表では、開発の考案から販売までの過程や限定メニューのポイント、苦労した点などをお話ししたいと思います。
甘いフルーツの甘くないメニュー開発 / 制約の多いカフェの商品作りを可能にする方法は何か
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
「フタバフルーツパーラー新宿店」でフルーツを使ったメニューを開発しました。
▼工夫した点
フルーツメニューを開発する上で重視した点は以下の3つが挙げられます。
“フレッシュ・加熱・ドライ・果汁など様々な形態をメニューに取り入れる”
春には「3種の果物とプロシュートのサラダピッツァ」を考案し、トッピングにドライフルーツ、ドレッシングに果汁を取り入れるなど工夫しました。
“カット方法や盛り付け方、メニュー名で視覚からも楽しめるようにする“
夏には「果物屋さんのピーチメルバ」を考案し、桃を半玉分使った盛り付け方やネーミングを工夫しました。
“全体の味のバランスを考慮しつつ、フルーツの持つ甘みや酸味を活かす”
秋には、「柿のハーベストキッシュプレート」を考案し、キッシュに柿をのせて加熱することでより甘みを引き立たせました。冬には「まるごとみかんのラザニアプレート」を考案し、みかんの甘酸っぱさでラザニアをフルーティにまとめました。
▼開発について
お客様目線で感じることを探るため、まずは席に座って店内をじっくり観察しました。その後、メニュー上の課題と理想、ターゲットとコンセプトを考えました。各種専門店にも足を運び、他食材との組み合わせや盛り付けを勉強しました。それらをもとに商品提案・試作を繰り返し行いました。
また、開発する際にはキッチンの動線、提供時間、原価、ブランドイメージ、調理器具、調理人数、売り上げなどを考えながら開発しなければなりません。このようなことを解決するためには、店舗スタッフとのコミュニケーションも必要不可欠だと感じました。例えば、キッチンスタッフとは作業工程の効率化のためのアドバイスをいただきました。ホールスタッフとはメニューのポイントを共有することでお客様にたくさんオススメしていただけました。販促物を作ることで目を惹きやすいようにしました。
発表では異なった形態を組み合わせるメニュー開発の流れ、開発のポイント、販売実績などまとめてお話します。
カフェの海老メニューを開発! / 食材をテーマにした料理考案で求められるポイントとは
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
株式会社ダイヤモンドダイニングの展開するカフェ業態の「CAFE NOISE」にて商品開発を行いました。
▽目的▽
店舗は、池袋サンシャインシティの中にあり、近隣会社員の方や買い物客など多くのお客様が訪れる立地です。利用客のニーズに合わせたメニュー提案ができるよう、市場調査や環境分析を重ね、試作から販売までの手順や販売結果の考察までまとめることを目的としました。
▽開発について▽
現在のメニューは肉料理がほとんどです。海老は原価が高く、手軽な価格帯でのカフェで使うには調理上の工夫が不可欠だと気付き、具材として使う以外にも、旨みや香りを生かすことを考えました。さらに、海老の色味が足りない場合はパプリカパウダーで赤をプラスするなどの手法も活用しました。また、海老には季節イメージがないので、組み合わせる野菜や味付けで表現することも意識しました。実際の販売に際しては、他のメニューとの作業バランスやカテゴリーの重複を意識する必要もありました。
試行錯誤の結果、春には、「えびとほたてのライスBOWL」、夏には「海老カツのロコモコ風プレート」、秋には「海老と秋野菜のトマトクリームライス」、冬には「海老アボカドのビビンバ風BOWL」と4品の期間限定メニューを考案することができました。ランチメニューは1000円未満、夏にテストしたディナーメニューは約1500円での販売を行い、価格に対する検証も実施しました。
ビジネスランチにおいては、提供するまでのスピードが速いことやわかりやすいネーミングにすることも出数を伸ばすには大事な要素であるということも実際の販売を通して学ぶことができました。
▽まとめ▽
会社の方から頂く意見は、自分では思いつかないようなアドバイスばかりで、周りの方々のお力添えで1年間メニューを考案してくることができました。実際にアルバイトインターンとして店舗でキッチンに入り、業務を行ったことでスタッフとのコミュニケーションも美味しい料理を提供するうえで必要だと学べました。
世界の美味をワンプレートで召し上がれ! / カフェ経営のメニュー開発と店舗運営の丸秘マニュアル
【2.世界の食 / 7.お店の企画・運営 / 8.商品開発】
世界の食文化をテーマに長寿国の食の要素や伝統料理をワンプレートにアレンジし、大学内でカフェ運営を8回行いました。各回それに伴ったメニュー開発をしました。
授業での各国食文化の学びや、自ら出かけた旅行から、海外の料理に興味を持つようになったのがきっかけです。リアルなお店を運営する場合にも必要だと思われるような、店舗コンセプトやメニューの決め方、レシピ作りや原価計算の方法、店舗運営や広告宣伝の手法など、フードビジネスの一通りを経験することができました。
◇カフェについて
店名は「GOOD DAY」。“良い1日をここから!海を越え素敵な空間をお届けいたします”というコンセプトは、心にも体にも嬉しい料理を食べ、素敵な時間、1日を過ごしてもらいたいと言う想いを込めて名付けました。
◇メニュー開発について
今までスイス、イタリア、スペイン、シンガポール、カナダ、オーストラリア、フランスの七ヵ国のプレートランチを提供してきました。メニュー開発は市場調査や文献での調査を行いながら進めていきます。メイン料理を決め、味のバランスや彩り、ボリューム感、お皿と料理のバランスなどを、試作を繰り返して改良していきました。長寿国の特徴を生かしながら伝統料理と組み合わせるアレンジと共に、価格内に収めること、実際に仕入れや調理、提供が可能であることも考慮するととても難しかったです。
◇店舗運営について
月によって料理の予約数にバラつきがありました。その理由にはカフェ営業が認知されていないこと、メニュー写真に魅力がないことなどが考えられました。掲示板・SNSの活用や口頭でのアナウンスの回数を増やしたり、メニュー写真の明るさや角度などを調整し食欲をそそるような撮り方を意識したりしたことで、完売に繋げることができました。また、アンケートも実施したことでサービスやメニュー構成に生かすことができ、後半には一気に海外料理を楽しめた、お心遣いが嬉しかった、また来たいと評価していただくことができました。お客様目線で考えることの重要性を実感しました。
憧れのお仕事♪カフェメニュー開発への道 / ~企業の商品開発現場と食材の薬膳効能~
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 17.健康・美容】
●概要 「WIRED CAFE ルミネ立川店」にて、温活薬膳をテーマにメニュー開発をしました。多くの女性が悩んでいる「身体の冷え」に着目し、薬膳の要素を取り入れて進めました。
薬膳は季節や体質と食材の性質を踏まえて作る料理ですが「苦い、手軽に取り入れにくい」というマイナスイメージがあることもわかりました。味も見た目も魅力的かつ、身体の冷え改善を意識してメニュー考案をしました。
●目的 メニュー開発を通して薬膳について調べ、身体の温めに作用する食材をまとめること、カフェ業態の商品開発の企画から販売に至るまでの一連の流れを理解することを目的としました。
●商品開発の流れ
1、環境分析 薬膳や食材がもつ効能や、冷えを感じる女性について調べました。お店でアルバイトインターンを行い、仕入れ可能な食材、使用できる調理機材、どれ位の仕込みが可能か等、数々の制約があることも把握しました。
2、市場調査・課題と理想 薬膳メニュー・健康感を売りにしているメニューを食べた際は薬膳食材の使用法や健康感の演出の仕方等を研究しました。店舗の課題と理想を考え、それに沿ったターゲットやコンセプトを設定しました。
3、商品企画と試作 温かいスープ付きの商品構成にすることや、メニュー全体で生姜や唐辛子、海老等の多種多様な温性・熱性食材を取り入れられるように工夫しました。レシピ作成・試作を繰り返し行いました。健康感とカフェらしさを両立させる盛り付けや、一皿を美味しく食べられる味のメリハリをつけることに苦労しました。
4、プレゼンテーションと店舗導入 本社に伺い、商品開発の方から意見を頂きます。商品決定後は食材の仕入れ方、原価調整、レシピの書き換え、メニュー表の写真撮影、レクチャー会等を経て、発売開始となりました。
●まとめ 春は「季節の温活薬膳ビビンバ」夏は「シンガポール風エビチリボウル」秋は「ラクサヌードル」冬は「クリスマスリースのクリームチキン~ジンジャー仕立て~」と4つのメニューを販売することができました。オシャレなカフェで企画した商品が発売できるなんて、憧れのお仕事!のはずでしたが、仕事量は想像以上に多く、大変でした。発表では、開発の一連の流れをお話します。
【正直レビュー】表参道ビジネスランチの作り方 / 商品開発における価格帯と付加価値の検証
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 17.健康・美容】
ダイヤモンドダイニングが運営する和食ダイニング「隠れ房 南青山店」のランチメニューの開発をしました。唐揚げや生姜焼きなど定番料理が中心で、男性会社員のお客様が中心のため、女性客に来ていただくことが課題でした。
そこで、“腸活からの美肌づくり”をテーマとし、健康感をプラスしたメニューを考案しました。健康要素として野菜重量を増やすことや腸活に良いとされる食材の使用、発酵食品をふんだんに使うなど工夫しました。
実際に商品開発を行ってみると仕事量が膨大にあることがわかりました。1つのメニューを提案するために企画書作成、レシピ作成、試作、プレゼン、メニュー撮影、メニュー表の作成とたくさんの作業があります。その中でも試作はただ料理を作って完成というわけではなく、食材の発注や原価計算、提供するまでの調理工程、器選びや盛り付けなど、考えなければならないことはたくさんあります。
また、コミュニケーション能力が必要不可欠なことも実感しました。一人の力だけではこれまでのメニューは提案することが出来なかったと思います。先生やゼミ生、会社の方との意見交換はとても大事です。また、お客様の声を聞くことで次のメニュー開発にも繋がりました。
さらに、メニューの出数は自分の努力とは無関係に制限される要因があるということです。夏に冷たい蕎麦メニューを販売しましたが、今年の夏は雨が多く、寒い日が続いたこともあり、なかなか売り上げを伸ばすことができませんでした。天候に左右されることを経験し、季節限定メニューは難しい面があることを知りました。
また、価格帯についても発見がありました。季節ごとに4回の提案を行い、1700円という高価格から1000円まで異なる価格帯のメニュー開発をしました。その中で会社員のランチの適正価格は、素材や内容に関わらず1000円に近いほうが売りやすいということも実証できました。
メニューが販売された時は達成感があり、お客様に美味しいと言っていただけた時にはとても嬉しく、考案してよかったと心から思いました。商品開発の仕事を知るだけでなく、ビジネススキルも身につき、良い経験となりました。
こだわり苺パフェと創作たこ焼きの商品化!? / 〜外食チェーンと小売業のメニュー開発の比較〜
【8.商品開発 / 9.メニュー提案】
ゼミ活動の前半は外食企業の商品開発部での仕事に参加し、後半からは小売業の商品提案を行いました。2業種を経験し、商品を開発する流れ、仕事で求められることを比較し、異なる点や共通点のそれぞれについてまとめました。
▼外食企業のメニュー開発について
北海道が発祥の和食レストラン「とんでん」で冬から春に向けて販売する苺のデザートメニューの商品開発を行いました。厳選された食材を使用して手作りにこだわり、家族三世代をターゲットとしたメニューの構成としていることが特徴です。お客様の中で最も多い年代の方向けに、デザートメニューを考えました。青春時代に流行った「ティラミス」を、現在の嗜好も盛り込んだ要素をプラスし、令和らしく再現する、という提案をしました。また、店舗のメニュー構成から、食事を食べ終えた後にデザートを食べるお腹の余裕がないと考え、小さいサイズ感の「パンナコッタ」や量感を抑えた定食の提案もしました。苺のデザートは、1月から全国の店舗で販売予定です。
▼小売業のメニュー開発について
兵庫県発祥の企業で、食品のセレクトショップである「北野エース」で商品開発をしました。その地域に暮らす人々の文化や生活スタイルに合った商品を揃えているため、店舗ごとに品揃えが違うことが特徴です。駅ナカ立地であるエキュート内の大宮店向けの惣菜商品の提案にあたり、店舗が入っている施設内の惣菜店の調査を行い、他では販売されていない関西系の惣菜を考えました。また、大宮駅には新幹線も通っていることから、新幹線の中でお酒とともに楽しむことができる要素もプラスし、「創作系タコ焼き」を提案しました。
発表では、新しいメニューを考える難しさ・商品化するまでの過程など、実際に2つの企業の商品開発を経験したからこそ分かったことをお話しします。
磯田 厚子ゼミ
私たちの知らないカンボジアの子どもたち / 児童労働から守るために
【4.地域振興 / 18.人間・生活・環境】
【目的と方法】
世界、特に東南アジア、アフリカ地域では学校に行かず、物売りや、過酷な労働を強いられている子どもたちがいる。児童労働は世界的に問題になっており、カンボジアは世界的に見ても児童労働が多い国だ。日本人も多く訪れるアンコールワット、その観光地を支える影には子どもたちの労働があるかもしれない。
カンボジアに児童労働が絶えない原因はなにか、子どもたちを救う取り組みや対策等を学び、何が本当の課題かを考える。方法は、本や論文の文献調査と現地視察・インタビューを行った。
【分かったこと】
1.児童労働とは、学齢期15歳未満のお手伝いではない労働、及び18歳未満の危険な労働をさす(ILO、UNCEF等)。世界の総人口約74億人のうち児童人口は約22億人であり、うち児童労働を行う児童は1億5000万人といわれる。コーヒーやカカオ農園等の農業が7割で、鉱山労働もある。絨毯やエビ工場、路上物売りなどがある。
2.カンボジアの児童労働:児童人口約584万人のうち、児童労働割合は男子20%、女子19%。主な児童労働の7割が農業、漁業、林業が占めている。またレンガ工場、家事使用人、タイ漁船など、長時間や重労働など過酷な労働も多くある。
3.児童労働の要因は、親の失業や、内戦の影響で教員が不足し教育の質も良くなく、また児童労働を容認する社会となったこともある。近年の急激な経済成長もある。
4.子どもたちの支援の取り組み:日本や現地のNGOなどが、子どもの権利や児童労働の危険性などを伝える啓発活動、図書館の運営、自立支援施設の運営を行っている。
5.現地での取り組み例(フィールドワークから):日本のNPO法人から独立したSALASUSUは若い女性達に雑貨製作を指導、販売して収入を得る機会を提供している。これによりその子どもの児童労働も予防している。また、農村部にある民間の養護施設では、周辺の農家で児童労働をしていた子ども達を受容し、外国人に奨学金を募って、通学できるようにしていた。
【まとめ】支援団体の取り組み、子ども達の権利条約はあり、子ども達が守られ働かなくてすむ取り組みはあるが、まだまだ十分ではない。カンボジアの児童労働を研究していく中で児童労働の問題の大きさを改めて知り、改善させる難しさも感じた。
衛藤 久美ゼミ
栄大生が考える食育 / ~+1皿の野菜料理で、よりよい学生生活に!~
【5.情報発信と表現 / 12.食育 / 18.人間・生活・環境】
◆動機・目的
生活習慣が乱れやすい大学生は、食事の自己管理力が特に必要となるが、食育を受ける機会は少ない。そこで栄養学を学んでいない大学生を対象に、「野菜摂取の大切さや野菜の面白さを伝える」ことをねらいとした食育を計画・実施・評価することを目的に、実習に取り組んだ。
第1回発表会では、大学生の食生活に関する文献調査結果、補助スタッフとして参加した食育セミナーで学んだこと、事前アンケートの結果について発表した。今回は、食育プログラムの概要とその評価、反省点などについて発表する。
◆実習内容
1.計画:「+1皿の野菜料理で、よりよい学生生活に!」をテーマに、食育プログラムを計画した。自分が普段食べている野菜の量を知ること、1日の野菜摂取目標量と自分が食べている量との差を知ること、野菜を食べることによるメリット、1皿分の野菜を増やす方法についての大きく4つに分け、内容に沿った冊子を作成した。また実物の野菜を計量して350gのセットを作る、大事なポイントは冊子に書き込むなど聞くだけでなく手や頭を使って参加できる内容にすることを心がけた。
2.実施:2019年9月に東京都内T大学にて、大学1~4年および大学院生計12名(男性7名、女性5名)を対象に、50分間の食育を行った。そのうち9名が自宅暮らし、3名が一人暮らしだった。
3.評価:実際に野菜を触ってもらうことでより興味を持ってもらえたと感じた。しかし参加者の反応を見る余裕がなく、一方的に話すことが多くなってしまった。実施前のアンケートでは、参加者の約半数が食育に対し関心を持っており、ほとんどが普段食べている野菜の量がどのくらいか知らないと回答した。実施後のアンケートでは、参加者の75%が普段食べている野菜の量と目標量との差についてよく知ることができたと回答し、75%が今よりももっと多く野菜料理を食べようと思う、と回答した。
◆まとめ
同世代の大学生でも食育や野菜に対する関心の強さは人それぞれで、興味を持ち進んで実践してもらうことの難しさを感じた。実施者の心がけとして、参加者の発言を取り入れながら内容を広げていくことで、学習内容が印象に残りやすくなると考えた。
日本でもハラールな食事を食べたい! / ~ムスリム観光における食の対応~
【1.日本の食 / 2.世界の食 / 5.情報発信と表現】
◆動機・目的
外国人観光客についての調査・観察を行う中で、彼らが不便に感じることなく食事ができる環境作りが求められると考えた。この実習では「食の禁忌」があるムスリム(イスラム教徒)に着目し、彼らが日本で食事をする際に活用できる情報を発信することを目的とする。
◆ムスリムが持つ食の禁忌
ムスリムは食の禁忌(食べられないもの)がある。例として豚肉やアルコールなどは「ハラーム」といい、「禁じられたもの」を指す。反対に野菜・果物・穀類・正規の手順で屠殺処理された動物等は「ハラール」といい、「許されたもの」を指す。
◆実習1 ムスリムの留学生に向けた「川越観光ツアー」の実施
ハラール対応の日本食を体験してもらい、日本のハラール対応の現状を伝えることを目的とした。また、第1回発表会までに調べてきた川越について、歴史や日本の文化も知ってもらえるようなツアーを計画し、インドネシアからの留学生に協力してもらい2019年8月に実施した。喜多院・氷川神社の参拝、ハラール対応の寿司屋での食事を中心にツアーを行った。実施後のアンケートでは、川越の歴史や文化・食事を楽しむことができたと言って頂けた。加えて、参加者にお祈りの時間と場所を聞いて調整するとさらに良いのではないかという意見も頂いた。
◆実習2 ムスリムに向けた日本食ガイドブックの作成
日本に旅行で訪れるムスリム、また来日して日が浅いムスリムを対象に、ハラール対応の日本食レストランの存在を知ってもらい、ムスリムの方々の日本での食事選びの選択肢を増やすことを目的にガイドブックを作成した。まず、既存のムスリム向けガイドブック2冊を参考に、ハラール対応している飲食店を東京都で8店、埼玉県で3店、合計11店の選定を選定した。料理のジャンルごとに1~2店舗とし、実際に足を運び、店舗ごとのハラール対応についての調査を行った。各店舗見開き1ページに料理の写真・価格帯・電話番号・ピクトグラム・営業時間・アクセス(最寄りと行き方)を掲載しガイドブックとしてまとめた。実際にムスリムの留学生に見てもらい、意見を頂き、最終案を作成した。
奥嶋 佐知子ゼミ
眠らせない!合わせ調味料活用法 / 男性料理教室
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 13.料理を伝えるカタチ】
●背景と目的●
スーパーで綺麗に陳列されたドレッシング。なんだかおしゃれでおいしそうでつい買ってしまうことってありませんか?そうめんの季節に買っためんつゆ、なかなか使えないまま賞味期限が切れてしまうことはありませんか?
せっかく買った合わせ調味料を使うのはそれっきりになり、眠ってしまうことありませんか?
きっとこの現象は私だけじゃないはず!と思い、ゼミの活動である男性料理教室にて、受講者の方に「自宅で砂糖・塩などの基礎調味料以外に使い切れない調味料はありますか」ときいてみました。すると、ドレッシングをはじめ、顆粒だしなど多くの調味料が使い切れていないことがわかりました。
そこで、「砂糖・塩・酢・醤油・味噌」の基礎調味料以外の、多くの家庭に余って眠ってしまう「合わせ調味料」を目覚めさせるレシピを提案するとともに、その可能性を広げようと考えました。
●実習内容●
月に1回、中高年の男性を対象にした料理教室を運営し、合わせ調味料の活用法を提案しています。家庭で眠っている合わせ調味料をメニュー内に使用し、自宅でも作ってもらえるよう、そのレシピを当日配布しています。また受講者の方から「おつまみを自分で作りたい。」という要望に答え、調味料を眠らせないように自宅でも簡単に作れるおつまみレシピも実習するレシピと一緒に載せて配布しています。
5~11月の教室では、夏に出番の多い「めんつゆ」、いつのまにか期限が切れている「ドレッシング」などの活用法について提案しました。めんつゆは、そうめんの付けダレのアレンジを、おつまみは煮浸しを提案しました。ドレッシングでは、炊き込みご飯と枝豆のおつまみを提案しました。また、教室を楽しんでもらう為に、合わせ調味料の提案以外にも、餃子の皮を自分たちで作り、市販品の皮と手作りの皮の食べ比べをしたりしました。
もし、自宅の冷蔵庫に使い切れない合わせ調味料がある、おつまみに興味があるなら、是非、発表を聞きに来てください。そして、少しでも多くの方に調味料の可能性を感じてもらい、眠っていた彼らを今日から起こしてあげてください!
楽しく食べて食の幅を広げよう / 子ども料理教室
【12.食育 / 13.料理を伝えるカタチ】
●動機と目的●
自分で調理をすることで、好きなものがもっと好きになったり、苦手なものも食べられるようになった経験はありませんか。私は今まで生魚が苦手で食べられませんでしたが、大学の調理実習で自分たちが捌いた魚を食べる経験がきっかけで、おいしいと思うようになりました。
この経験は、今までに知らなかった世界が見えたようで、嬉しい感覚です。このような経験を他の人にもしてほしい、特に子どものころから食の楽しさに気づいて、大人になっても健康的な食生活を送るためのきっかけ作りをしたいと考えました。そこで、小学生を対象とした料理教室では「自分のものは自分で作る」ことに重点をおいて企画をし、子どもが様々な食材を知り、「食の幅を広げること」を目指して活動することとしました。
●実習内容●
教室では、子ども一人ひとりに多くの食材を知ってほしいと考え、「自分のものは自分で作る」ことを重視していますが、学年ごとに出来ることが異なるため、子どもたち同士でも協力し合い、子どもたちそれぞれに合った工程が出来るよう進めています。
実習する献立は、季節のイベントや、旬の食材を意識して、楽しみながら学べる内容になるよう心がけています。例えば、10月はハロウィンをテーマにし、かぼちゃや紫芋パウダーを使いました。素材の色を目立たせオレンジと紫でハロウィンらしさを演出し、目で見ても楽しめる、かつ、秋の旬の食材を学べるものにしました。子どもたちの料理教室への参加理由として、「いろんな食材を知りたい」「料理が上手になりたい」という熱心な子もいるので、その声に応えるよう工夫しています。
●教室では●
嫌いな食材・初めて触れた食材を調理することによって、子どもたちは新しい発見があったようでした。子どもたちがウズラの卵の殻を初めて剥いたとき「ザラザラしていて、鶏の卵より剥くのが難しい」ということに気が付いていました。このように、少しずつですが食材のもとの姿や感触を知ることで、食の幅が広がっています。異なる3ヵ所の子ども料理教室で、同じ献立を作った際の私たちの成長と、教え方・声のかけ方によって子どもたちの盛り付けなどの出来が良くなっていく様子を報告します。
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目指せ心と体の健康 / 男性料理教室
【9.メニュー提案 / 17.健康・美容】
●動機と目的
私は短大で食べること・料理をすることの大切さ、栄養について学び、食文化栄養学科ではこれらの栄養の知識を多くの人に伝え、実生活に生かしてほしいと考えるようになりました。ゼミでは中高年男性を対象とした料理教室を運営し、教室を通して食に関する知識だけではなく、料理の楽しさを伝え今後の食生活が豊かになることに貢献したいと思い活動してきました。
そして、受講者の心と体の健康につながる教室運営を目的として運営しています。
●実習内容
月に1回料理教室を運営する中で、「塩分を気にする」「野菜はとるようにしている」といった声はありましたが、食事をバランスよくとるために欠かせない主食・主菜・副菜について「気を使っている」という声はなかったため、バランスの取れた食事について着目したいと考えました。
受講者が安心して自立した生活を続けられるように、バランス良く栄養を摂る方法と主菜の大切さを伝えるために、主菜を活かした献立の提案をしてきました。肉・魚・豆、豆製品を主菜に用い、主菜に取り入れた食材の特徴をレシピに記載し、栄養についての情報を提供することで興味を持ってもらいます。また、家で実際に活用してもらうために、家庭でも作りやすい料理の提案として、白和えをすり鉢を使わなくても作れるレシピ、グラタンをオーブンを使わなくても作れるレシピを紹介しました。せっかく料理教室に参加して頂いているので、手をかけた料理も楽しめる献立の提案を行い、「揚げ物が好きだが家ではなかなか作れない」という受講者のために、食べやすいようにアレンジした揚げ物料理を取り入れたり、要望の多かった餃子を皮から作り、市販の餃子の皮と比較してもらったりもしました。あじの3枚おろしを取り入れた際は「自分でおろすのははじめてだが勉強になった」「家で奥さんに披露しよう」と楽しみながら取り組んで頂けました。このように食の知識だけではなく、料理の楽しさを通じて会話が広がることが私のやりがいとなっています。
発表会では料理教室を通して受講者に伝えることができたこと、料理教室の様子や具体的な受講者の反応を詳しくお伝えします!是非発表を聞きに来てください。
smile cooking 1人で作れるようになったよ! / 子ども料理教室
【12.食育 / 13.料理を伝えるカタチ】
●背景と目的●
正しい食習慣を身につけることは成長期の子供達にとってとても大切なことです。そこで私は料理の楽しさを伝えるために、デザートを作ることをきっかけとして食に興味を持ち自宅でも調理をしてほしいと考え、子供が1人でも作りやすいデザートレシピを提案することにしました。
また、食の知識を伝えるために旬の食材や献立に関わる内容をまとめた「食マスターブック」を毎月配布しています。短文で子供が読んでも見やすく面白い資料を作ることを心がけています。
●実習内容●
料理教室初回であった5月は、牛乳・砂糖・ゼラチンを使った「牛乳プリン」を作りました。材料も自宅にある身近なもので作れ、調理工程も少なく、トッピングをみかんやソースなど子供が自分好みにできるデザートです。牛乳は苦手だがプリンにすることで美味しく食べられたという嬉しい声もありました。5月のレシピは作り方を文章で書いていましたが、6月以降はイラスト中心のレシピにしています。イラストにすることで分かりやすく、子供が自宅でも作りたいと思うようなレシピになるのではと思いました。また10月までに作ったデザートは「サイダーゼリー」「紫いもプリン」などゼラチンを使ったデザートが多かったため、11月は「2色の白玉パフェ」を作ることにしました。
第1回の発表会はテーマを「smile cooking 1人で作れるよ!」でしたが、第2回の発表会は「smile cooking 1人で作れるようになったよ!」としました。料理教室当日に子供から「今日は何のデザートを作るの?」「簡単だから1人で作れる!」という意見を聞き、少し食に興味を持ってくれたと実感したためです。料理教室内では紹介出来なかったデザートレシピを冊子にまとめました。料理教室での子供達の様子や私たちの取り組みについてもお話します。ぜひ発表を聞きに来てください!
駒場 千佳子ゼミ
坂戸のご当地パンを作ろう!
【4.地域振興 / 9.メニュー提案】
○動機○
専門学校の授業で、今やメジャーな塩パンが愛媛県のご当地パンであることを知ってもっといろいろな県のご当地パンを知りたくなったこと。いつか、その土地の農作物を使用したいわゆるご当地のパンを作り、地域密着型のパン屋を開きたいという夢があること。この2点から、大学がある坂戸のご当地パンを作るという実習内容にしました。
○目的○
日本のさまざまなご当地パンについて知る。/坂戸の農作物を使用してパンを作る。/パンのレシピを冊子にまとめる。
○実習内容○
まずはじめに、東京のアンテナショップをまわったり、パンのイベントに行ったりして20種類以上のご当地パンを購入し、試食しました。例えば、青森県のイギリストースト、山形県のベタチョコ、富山県の昆布パンなどです。そして、それらのパンが作られた会社の歴史、パンの特徴や生まれたきっかけなどをまとめました。
次に、坂戸のご当地パンを作るために、坂戸農産物直売所に市場調査に行ってどんな農作物があるのか調べました。坂戸農産物直売所には、茎と葉を食べるために作られたすいおうという芋などのスーパーにはなかなか並んでいない野菜から、ナスやトマトなどのスーパーにもよくある野菜まで、さまざまな野菜がありました。そこから、試作も繰り返しながら、見た目もかわいらしく、子供から大人までおいしく食べられるような坂戸のご当地パンを作っていきました。
○まとめ○
坂戸にパン屋を開いたらというシチュエーションで、坂戸の食材を使用して10種類のパンを作りました。坂戸産ということで、すべての野菜を、大学から歩いて10分程のところにある坂戸農産物直売所で購入しました。すいおう、ルーコラ、にんじん、かぼちゃ、たまねぎなどなど。坂戸では皆さんが想像する以上にたくさんの農作物が作られています。今回作ったパンは、夏から秋にかけて作ったものなので、冬から春だったらまた違ったパンが生まれていたでしょう。この発表を通して、地元の農作物や旬の野菜を使用したパン作りに興味を持ってもらえればと思います。
減塩 素材を生かしてもっとおいしく
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
○きっかけ○
私の祖父が高血圧で毎日減塩生活をしています。そんな祖父に美味しい料理を作ってくれないかと言われたのがきっかけです。また、調理師専門学校で素材を生かした美味しい料理をたくさん学びました。これを減塩に活かせると思いこのテーマにしました。
○目的○
3歳までに培われた味覚が、人の一生の味覚を左右すると言われています。小さい頃から味の濃い食事に慣れていると、大人になったら生活習慣病になる可能性が高くなるのです。そのため、将来お母さんになる私のような年代の女性に減塩の重要性を知ってもらいたい。また、日常生活の中で取り入れてもらいたい。減塩を強いられている方のためにも美味しい減塩料理を作りたい。というのが目的です。
○実習内容○
・減塩がどれほど注目されているのか料理雑誌で確認
・減塩商品の入手可能性について身近なコンビニ、スーパーで調査する
・減塩ドットコムで購入した減塩調味料と一般的な調味料を比較する
(醤油、塩、ソース、焼肉のたれ、ドレッシング、だしつゆ、ケチャップ、ゆずぽん)
・定番家庭料理で素材を生かした減塩料理作り(肉じゃが、ポテトサラダ、カレーライス、味噌汁)
・減塩につながる調理方法を開発する
・減塩料理のレシピを冊子にまとめる
○まとめ○
減塩は「味が薄くて美味しくない」というイメージを持たれている方が多くいると思います。しかし、減塩調味料の中では塩味の代わりに甘さや香りなどをプラスしておいしいものもあることがわかりました。減塩料理の考案の際にはおいしいものを作るため味のバランスや調理法を工夫することに大変苦労しました。発表会ではレシピはもちろん、減塩にするための調理のポイントなどを紹介していきます。減塩は少し工夫をこらすことで美味しくすることができます。少しでも多くの人が減塩に興味を持ってもらえたら幸いです。
夢とロマンが詰まったクッキー缶 / クッキー缶にときめきを
【5.情報発信と表現 / 8.商品開発 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
皆さんクッキー缶は好きだろうか。蓋を開けた瞬間、宝石のように顔を並べているクッキーを見ると思わず顔がほころんでしまう。どれから食べようか、好きなのは最後まで取っておこうか、そういうことを考える時間も愛しい。いつの時代もクッキーは私たちを笑顔にしてきたに違いない。
私は「クッキー缶の魅力をたくさんの人に伝えたい。」「クッキーを作って箱に詰め、大切な人へあげるワクワク感を知ってほしい。」と思いこのテーマを掲げ、今までずっとクッキーと向き合ってきた。
クッキー作りは面白い。手順はいたって簡潔なのに、粉や材料の温度、使う道具、混ぜ方を変えただけで食感はすぐ変わるし、アイデア次第で色々な味のものを作れる。
理想の食感や理想の形に焼きあがった時はとても気分が高揚するし、失敗するたび新しい発見をする。
そしてクッキー缶の醍醐味はやはり、しっかり計算され隙間がなく詰められたクッキー達だ。すっぽりとハマるととても気持ちが良いし、隙間なく入ると小さい箱にまるで宝物がたくさん詰まったような愛しさを感じる。彩りや形、味のバランスを考え、相手の喜ぶ顔を浮かべながら詰める作業は私が一番好きな作業であり、一番慎重になる作業だ。
私は今回クッキー缶の魅力を伝えるため、クッキー缶を実際に自分で作ったり、クッキー缶の作り方を教えるワークショップを開催した。私の発表を聞き終わった後には、必ずクッキーが食べたくなると言い切れるほどクッキーまみれの12分になるだろう。
若男女問わず大切な人、お世話になった人にプレゼントを贈るとき、「喜んでくれたらいいなぁ」と思いながら選ぶ。その「喜んでくれたらいいなぁ」と思うプレゼントを手作りのクッキー缶にしてみよう。休日にクッキーを焼いてみよう。あなたが作るクッキーで沢山の笑顔が生まれ、日常が豊かになるだろう。
そんなことを思いながら私は今日もクッキーを焼いている。
高島 美和ゼミ
現代でも魔女になれるのか / ハーブで魔法薬を調合しよう
【8.商品開発 / 17.健康・美容 / 18.人間・生活・環境】
マグル(非魔法族)の皆様ごきげんよう。私は現代にひっそりと生きる魔女の卵の一人です。「えっ?魔女なんているわけがないでしょ?」と思われた方もいるでしょう。私はそんな現代の魔女に対する認識を変えたいと思い、「現代でも魔女になれるのか」という研究を始めました。
私は魔法界を描いた壮大な物語「ハリー・ポッター」の大ファンです。魔法界では箒で空を飛び、杖で魔法の呪文を唱えたり、薬草で魔法薬の調合をしたりしています。そんな魔女や魔法使いたちの生活に幼少期から憧れ、魔女になることをずっと夢見ていました。しかし、大人になるにつれて魔女とは空想の世界の登場人物であるということを痛感し、諦めていました。しかし、今回卒業研究に向けてハーブティーについての文献を読んでみると興味深い資料がありました。過去に魔女と呼ばれた人物たちがハーブを使い、村の人々の健康を守っていたというのです。そこで私はハーブティーを調合し人々の健康や心のサポートをすれば、現代でも魔女と名乗っても差し支えないのではないかと考え、現代でも魔女になれる可能性があることを提案したいと思っております。
前回の発表では、魔女が登場する映画に出るハーブの紹介し、何故人々に魔女=ハーブのイメージがあまりないのかを考察しました。そして、過去に存在した魔女がどんなことをしていたか紹介し、魔女にも悪いことをする黒魔女、良い行いをする白魔女と二分類できると発表いたしました。
後期の発表では、魔女修行をしている私が作ったハーブティーの紹介をしたいと思っています。ただのハーブティーではなく、映画「ハリー・ポッター」で登場する魔法薬を再現してみました。例えば、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」でロンが誤って飲んでしまった「ラブポーション(愛の妙薬)」や、ハリーがある情報を聞き出すために飲んだ「フェリックスフェリシス(幸運の液体)」、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」でハリー達が姿を変えるために使用した「ポリジュース薬」など魔法界おなじみの魔法薬を製作しました。ハーブには健康やリラックス効果だけでなく、魔法の力を秘めています。例えば、ラベンダーには愛を呼び寄せる力、レモンバームには勇気を与える力。このハーブの魔法の力を借りて、魔法薬を調合しました。
パティシエの道具たちから / ~デコレーションの可能性~
【5.情報発信と表現 / 10.食材の可能性】
「どうやって作るのか」、「どんな食材を使うのか」といったレシピの計量、作業工程と同様に『どの道具を使って作業を進めているのか』といったことも、料理やお菓子作りに重要ではないでしょうか。昨年の学園内留学(製菓科)での日々の学びで、私はこのことをとても実感しました。
実際にパティシエが使う道具に着目して、そこからどんな模様や形が生み出され、お菓子に繋がっているのだろうかと思いこのテーマにしました。
第1回の発表では、実際に現場でパティシエが使っている道具の一部を取り上げました。ホイッパーやヘラ、ボウルなど私たちが日常生活で見かけるものから、ガスバーナー、デポジッターなどパティシエ特有の使い方をする道具の特徴等をお話ししました。またこれらの道具の中でも、ヘラと口金の種類や使用目的を詳しくまとめ、このふたつはケーキの装飾に欠かせないものだと分かりました。
SNSが発達する現代社会において、「あっ!」と目を引くビジュアルがケーキにも求められています。それが洗練された美しいモノなのか、思わず微笑ましくなるようなかわいらしいモノなのか、はたまた繊細で上品なモノなのか…。アイデアや発想次第で、多様なデコレーションを施したケーキを作ることができます。そこにはもちろん材料(素材)があってこそですが、さらにそれを活かすことができるのは使う道具ではないでしょうか。デコレーションは、それぞれのお菓子の個性とインパクトを高め、ケーキに込めた作り手の想いを表現することができます。
デコレーションには、生クリーム、バタークリーム、マジパン、シュガー細工、チョコレート、飴細工の6つの素材がよく使われます。例えば生クリームとバタークリームは、素材を塗る・絞るというデコレーションになりますが、使われ方が同じであったり、似ていたりしても、素材が違うだけで与える印象は異なります。今回私は1年を2か月ごとに区切って、計6つの誕生日ケーキを作成しました。季節ごとにテーマを作り、デコレーションだけでなく土台にもこだわりました。各々の特徴を活かしたオリジナルのケーキを作り、視覚的にデコレーションケーキの魅力をお伝えします。
視覚に訴えるスイーツ / パンフレットから伝わる魅力
【5.情報発信と表現 / 13.料理を伝えるカタチ / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
スイーツは見ているだけで楽しい。ワクワクした気持ちになる。そのワクワクを味わいたくて私はスイーツが載っている冊子を手に取ってしまう。食べ物であるスイーツを食べていなくても魅力的に感じるのはなぜなのかという疑問から研究を始め、私が感じるトキメキを詰め込んだ冊子を作ることを目標とした。
第一回の発表では、スイーツを美しく見せるポイントのうちデコレーション技術と写真の撮り方について発表した。デコレーションについては趣味としても始めやすいアイシングやマシュマロフォンダンで作品を飾る技術があること、写真については配置と光の扱い方で仕上がりが大きく変わることが分かった。
冊子作成に向けて、商品紹介パンフレット、イートインのメニュー表、お取り寄せグルメカタログなど多くある冊子形態の中から対面販売店に置く商品紹介パンフレットに焦点を当て、市場調査を行った。百貨店に出店している対面販売形式のお店に置かれているパンフレットを集め、商品のスタイリング、色使いや文字のフォント、載せている情報などを整理した。商品のフレーバーに合わせて文字や背景の色を変えていること、シェフや材料の生産者の想いを紹介するコラムを載せていることなど、商品の魅力を最大限伝え、読み物として読者を飽きさせない工夫があることが分かった。また、焼き菓子を扱うお店のパンフレットにはギフト商品の紹介が必ず載っており、記念日やイベントでの贈り物として購入する方が多いと考えた。
この調査で学んだことをふまえ、自ら店舗を構えると想定し、自社商品を紹介するパンフレットを作成することにした。
想定したのは季節の花をモチーフにしたマフィンを扱う焼き菓子専門店。花言葉に合わせて思いを込め、贈り物に使っていただける商品提案をする。記念日の贈り物に花をイメージする人が多く、近年花モチーフのお菓子が増えていることからこのコンセプトにした。商品紹介に加えて季節の花とその花言葉についてコラムとしてパンフレットに載せる。
料理本を見る楽しみ
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく / 13.料理を伝えるカタチ】
今の世の中スマホがあれば何でも調べることが出来る。料理をする時も、「クックパッド」などのサイトを見ながら料理を作る人が多くなっているが、そんな中で、料理本を見ながら料理をする人はどれだけいるのだろうか。しかし、それでも料理本はなくならず毎年何冊も発行されている。そもそも料理本とは、どのような本のことをいうのだろう。
そこで、「料理本とは」と検索してみた。「料理に関することを書いた本」、「料理を作る際の参考書」と書かれていた。この料理本を書いているほとんどの人が料理研究家と呼ばれる人たちである。
前期にテレビの料理番組について考察したが、「きょうの料理」という番組がテキストとして「きょうの料理」という本を出している。録画の出来ない時代には、テレビの内容と同じことを本として見ることが出来る。それは、繰り返し読むことが出来るのでありがたいことだったと思う。
「『料理本』は時代を映す鏡です」と言っていた人がいたが、まさしくそうだと思った。なぜなら、求められている料理本が世の中と共に変わってきているからだ。料理学校が次々と開校されると、家庭料理の基本書が続々と発行される。西洋料理が入ってくると、それを得意とする料理研究家の本が売れるようになる。折衷料理として洋食が流行すると、西洋野菜やケチャップ、ウスターソースなど、新しい素材をどう使えばいいのかわからない主婦たちが、それを教えてくれる料理研究家たちの本を買う。その後、主婦が働くようになると時短料理を考案した本が売れるようになる。そして今では、家庭料理に変化を求められるようになり、その本を書いている料理研究家たちの生き方やセンス、ライフスタイルをも伝える本が急増しているのだ。
今回改めて料理本を何冊も借りて、読み比べてみた。さらっと読むつもりが、思わず読みいってしまい、次の本次の本と読み続けてしまった。どの本も書いている人の料理に対する思いや、こだわりなどが伝わってきて面白かった。
これから求められている料理本はどのようなものなのか?料理本をもう少したくさんの人たちに読んでもらうためには何をしたら良いか?料理研究家自身についても調べ、考察してみようと思った。
魅せる行事食
【1.日本の食 / 10.食材の可能性 / 12.食育】
日本には行事と関連させて食事をする文化がある。本来行事の目的は、主に自然への感謝、健康祈願、供養や厄払いなどがあり、食材や料理にそれらの想いを込めて現在まで伝わってきた。「毎年食べているから何となく」ではなく、食事を楽しむ1つの方法として行事を位置付けたいと考える。
この実習の目的は、現在日本で行われている、もしくは希薄になっている行事食の由来や意図、またその現状の把握と改善を行うことで食事を楽しむためのツールにすることだ。第1回の発表では「行事食の成り立ち」「手に取りやすさ」「食事の楽しさ」にフォーカスを当てて、ひなまつりの行事食である菱餅をイメージしてミルフィーユにアレンジした。そして今回は、節分の豆まきと七夕のそうめんに着目する。
まず、行事ごとに歴史や由来の文献調査を行った。節分と言えば豆まきと最近では恵方巻を想像するだろう。しかし恵方巻を食べる行事は、伝統的な習慣というよりも、企業の商売戦略であるようだ。そのため、古くから伝わる豆まきの行事に着目し、食事へアプローチができるのではないかと考えた。また七夕は、天の川に見立てたそうめんに願いを込めていた風習や現在とは形や食べ方が異なっていた。
それらの資料をもとに材料や由来についての情報は残したまま、それぞれの行事をイメージできるアレンジを考える。節分では、季節の変わり目であることから健康面への喚起がなされている点に注目し、豆まきに使われる大豆を使用した料理を考え、行事食に位置づけるものを考える。一方、七夕の行事食として特別な存在として食べられていたそうめんが、現在では日常食となっている。そのため、行事食としての意識が薄れてきているのではないかという点に着目し、調理方法を変えてアレンジを行う。
普段何気なく行事を過ごす人、また行事に注目が集まり希薄になりつつある行事食があるとすれば、食べやすい調理や味のアレンジを加えることでより行事食を楽しめるのではないだろうか。そのような工夫を凝らしながら行事を長く伝承していくことが重要だと考える。
伝えたい、素敵な女性の人生 / Européenの人生をお菓子に
【2.世界の食 / 3.食の歴史をひもとく】
皆さんは、ヨーロッパの女性と言ったら誰を思い浮かべますか?ジャンヌ・ダルク?ココ・シャネル?…きっと様々な時代で生き、新たな道を切り開いていった女性を思い浮かべるでしょう。前回の発表では、現代の「自立した女性」のパイオニアともいえる、ココ・シャネルに焦点を当てて、彼女の生き方についてお話ししました。
後期の研究では、ジャンヌ・ダルクやフローレンス・ナイチンゲールなど、各分野で活躍したヨーロッパ女性について文献や資料を読んでいます。その中で私が共感、感動、衝撃など、強い影響を受けたシーンをお菓子に落とし込み、そのシーンを洋菓子で表現する、ということを行っています。今回の発表では、前期の発表に引き続き、私自身が彼女たちの人生から影響を受けたシーンをお菓子に凝縮させ、そのお菓子を通して先人たちの生き方や教訓を、五感を使って楽しみながら知ってもらうことを目的としています。
第2回の発表内容は、研究した数人の女性たちの中から、マリー・アントワネットとエリザベートについてお話していきたいと考えています。
皆さんご存知の通り、マリー・アントワネットはオーストリアの名家、ハプスブルク家の出身で、長年の敵国だったフランスとの外交のために政略結婚したことでフランスの王妃となった女性です。マリー・アントワネットというと、宮廷での華やかな暮らしを思い浮かべる人が多いことでしょう。そんな彼女ですが、最期は革命裁判にかけられ処刑されるという衝撃的な人生の終わりを迎えます。
もう一人の女性、エリザベートはアントワネットほど知名度が高くないかもしれませんが、彼女もまたアントワネットと同じハプスブルク家の出身です。幼少のころから彼女はあまり社交的でなかったことに加え、皇女が嗜むような刺繍などよりも、乗馬や詩を好むような周囲の子供たちとは少し違った子供でした。そしてアントワネット同様、結婚により自身の運命を大きく変えることになります。
研究を進めていくうちに、この二人は生きた時代や境遇は違うけれど、どこか似た部分があるということに気付きました。同じような悲劇の人生を歩んでいった二人の生い立ちや暮らしぶりはどうであったか、どのような悲劇が降りかかり、何を幸せとして生きていたのか…。彼女たちの人生を表現したお菓子と共にひも解いていきます。
ポーリッシュポタリーのある暮らし
【2.世界の食 / 14.食と空間・食シーン / 18.人間・生活・環境】
私は食器が好きだ。実際に使うシーンや盛る料理を想像することが楽しく、テーブルウェアを集めている。大学2年の春にポーリッシュポタリー(ボレスヴィエツ陶器)に出会い、そこから自分が柄物の食器に惹かれることに気がついた。
第一回発表では、自分がなぜこれらに惹かれるのかを知るべく「柄物食器」の定義を考え、それに当てはまる多種多様な食器の比較を行った。その結果、柄物には陶器が多いことや、自分が惹かれる食器の特徴などがわかった。
本発表では、研究のきっかけとなった柄物食器であるポーリッシュポタリーに焦点を絞る。ポーリッシュポタリーの成り立ちを調査し、深くその魅力について紐解いていく。その上で、日常生活でこの陶器を取り入れたくなるような提案を行う。具体的には、魅力をまとめた冊子を作り、手にとってもらうことで提案をしていく。この冊子や発表により、ポーリッシュポタリー、それを通じたテーブルウェアの魅力を知ってもらうことを目的とし、より豊かな食生活を送る日常を提案する。
ポーリッシュポタリーが生まれたポーランドは、ヨーロッパの東側に位置し、7つの国とバルト海に囲まれた国である。ドイツ国境近くの、ボレスヴィエツという街で作られた陶器が世界に広がり、現在ポーリッシュポタリーと呼ばれている。
冒頭で述べたように、私は食器から食シーンを想像する楽しさが食器好きの起源になっている。日本の有田焼や益子焼のような日本で生まれた陶磁器が和食に合うように、ポーリッシュポタリーにはやはり現地の料理が合うと考え、ポーランド料理の調査も行った。ジャガイモやパンを主食とする多民族的な食文化を持つポーランド料理は、シンプルで日本人にも食べやすい。日常生活にも取り入れやすく、その料理を囲むシーンを自然と想像することができた。冊子や発表では、実際に食べて再現したポーランド料理や、常日頃食べている料理をポーリッシュポタリーと合わせ、食シーンとして紹介する。
おいしい映画のひみつ / 映画でみる食の役割
【5.情報発信と表現 / 14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード】
世界には様々な映画がある。それらは、制作国も、制作年代も様々だ。その様々な映画の中には、映画の数だけ様々な食シーンがある。時にさりげなく、時にじっくりと、私たちにとって食事が欠かせないものであるように、多くの映画にとっても食シーンというのは欠かせないものである。と、私は考えていた。
しかし本当にそうだろうか。この学校に通う私にとって食とは身近なものだが、世の中のすべての人がそうであるともかぎらない。同じように、すべての食にドラマがあるとも限らないし、すべての人が食にドラマを持たせたいと考えるとも限らない。そこで、前期の発表同様に洋画と邦画を比較しながら、「食」に関するワードを含んだタイトルの映画に絞って観ていく。
研究を進めるうえで仮説をたてた。一つは、タイトルに具体的な食材を用いているものと、料理にかかわる言葉を用いているものでは、食シーンの立場や扱われ方が異なるのではないかということ。もう一つは、物語の「起承転結」の「転」に食シーンをもってくる作品は意外と少ないのではないかということ。これらの二つの仮説を軸にしながら、それぞれの作品の食シーンをじっくり観ていくとともに、その作品にとってどういう意図をもったシーンなのかを考察し、邦画と洋画とで傾向をさぐる。今回の発表ではこれらの結果と傾向、そして考察を発表する。
私が持つ邦画のイメージは、たくさん食べるし、食べることに意味を持たせるものだった。もちろんそういう邦画は多いし、そういう映画を好む人も一定数いる。そういう映画は昔から家族や友人や、だれかと食卓を囲む日本の得意分野だと思っていた。けれど、日本人の過ごし方の変化にあわせて、どうやら邦画も変化してきているように感じた。食シーンと日本の食文化は切っても切れない。スクリーンから垣間見える「食べる」ことについて、ちょっと深く観てみよう。
高橋 勝美ゼミ
好きなものに囲まれて過ごしたい / 所ジョージさんと北王子魯山人に敬意をこめて
【14.食と空間・食シーン / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
私の研究は食事を楽しむ姿勢を持ち続けたいという趣旨で、栄養摂取の観点でなく器に焦点をあて実家にあるろくろと窯で作陶をしました。後期に向けて「次はどんな器を作ろうか」「その器に何を載せようか」と次回の構想を練っていたところ、奈良に旅行に行く機会を得ました。
その際に立ち寄った高野山の「霊峰館」を観覧し、そこで「魯山人」の器に出会いました。彼の作品は飾られる美術品というよりは実用的な器であり続けるように感じました。
魯山人の器に魅せられた私は、茨城県笠間市にある「春風萬里荘」という彼の住居を尋ねました。そこで彼が器だけでなくテーブルやイス、果てには便器まで作ってしまうという、一つのことに対しての執着ぶりを知ることができました。内部には魯山人が住んでいたままに残されていました。万事に凝り性であった魯山人の「万能の異才」とうたわれた才能を偲ばせる作品が残されています。
私は現代を生きる人物の中で魯山人のような方向性を持った人物を知っています。その人は所ジョージさんです。この二人は生まれた年も生きた時代も違いますが、「自分の身の回りに好きなものを置く」という点で共通しています。
現在、お腹が空いたらいつでもマクドナルドやコンビニで食べ物を買うことができます。しかし、食生活全般で空腹を満たす食事、栄養補給だけで終わらせるにはあまりにももったいないです。同じ食材で作る食事でも食べる環境や時間、見た目が違えば雰囲気が大幅に変わります。私は食事のシーンを盛り上げるのに器は必要不可欠な存在だと思います。器はあくまで料理や食材の引き立てる存在です。しかし、自分の作陶した器に食べ物を置くと見た目も温かみも全く違うことが分かります。
今はまだ実家暮らしで家に帰れば温かい料理がでてきます。たとえこの先一人暮らしになって、経済的にも時間的にも余裕がなくなったとしても、4年間女子栄養大学で学んだ者として、特に「食」に関する心は「所ジョージ」さんや「魯山人」の「好きなものに囲まれて暮らす」という精神を見習って、食事の環境そのものを楽しみたいです。まずはお気に入りの器を集めるところから始めたいと思います。
何故、人は毒のある生き物を食べるのか / 毒と食事の相克の世界へ
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく】
毒のある生き物を食べる。フグを食べる、フグには内臓にテトロドトキシンが含まれている。加熱をしてもこの毒は壊れる事もなく特効薬も存在しない。しかし、私たちはフグの中でも食べられない部分と食べられる部分を分け安全に食べられるようにした。
石川県には猛毒の内臓を加工して安全に食べられる商品を販売している店もある。ジャガイモを食べる、ジャガイモの芽にはソラニンという吐き気や下痢、嘔吐の症状を催す毒が含まれている。私たちはジャガイモの芽を外して食べている。私達はジャガイモの芽を常識的に食べることにより毒の害を避けている。ウナギを食べる、ウナギの血にはイクシオトキシンという毒が含まれている。熱で簡単に失活し食中毒になる人も少ないため、この毒について知っている人も少ないだろう。
ふと考えてみて欲しい。フグ、ジャガイモ、ウナギ、これらには「毒」が含まれているのである。毒が含まれている事も知らずに食べていることもあるかもしれない。しかし私たちはそれを食べている。間違えて食べてしまったら死の危険もある物もあるのである。また毒のある生き物を食べるにも関わらず私たちはその「毒」について多くを知らない。何故毒のある生き物を食べるのだろうか。
もちろん「美味しい」という理由はあるだろう、美味しくなければ食べる事もないだろう。しかし本当にそれだけが理由なのだろうか。それらが自然界で多く生き残り私たちの口に入る機会が多かったという理由もあるのではないのだろうか。その他の理由として毒のある生き物=自然界で強い生き物=強く生き残りやすい生き物を食べることでその強さを自身に取り込もうという文化的な側面もあるのかもしれない。
今回は毒のある生き物を食べる理由の他に、「毒」についての正しい知識を伝えるためのリーフレットを作成し、アンケートを実施した。
不思議で面白くすこし怖い毒と食事の相克の世界に皆さんをお連れしたいと思う。
世にも奇妙なフルーツのはなし
【2.世界の食 / 10.食材の可能性】
●はじめに
誰もが感じる味覚。それは生活の質を高めてくれ、生きる価値を与える不思議なもの。生まれながらに平等に与えられているはずなのに、それらを感じることができない人もいる。私はそんな人々の苦しみを緩和することができるミラクルなフルーツの更なる可能性を研究している。
●本研究の主旨
ミラクルフルーツは、西アフリカ原産のアカテツ科の植物で、「味覚修飾植物」という分野に分類される。最大の特徴として、ミラクルフルーツに含まれるミラクリンというタンパク質は酸味のある食べ物を甘味として錯覚させる特性を持つ。
国内生産量はわずかで、需要があるのは研究施設や。小学校での実験など、ごく僅かであるため、認知度はとても低い。本学学生216人にとったアンケートでも、81%の学生が知らないと答えた。しかし、この特性を活かせば、味覚障害という病気を抱えた方の生活の質(QOL)の向上や、糖尿病患者への健康改善などに役立つのではないかと考えた。
●ノンシュガースイーツの考案
ミラクルフルーツの特性を活用し、砂糖を使用せず、酸味を添加したノンシュガースイーツを考案した。そして、ミラクルフルーツ、スイーツという順で食べることで、砂糖を添加しなくても甘味を感じるため、砂糖の使用量を減らす効果が期待できる。
今回はクッキー、ケーキ、寒天ゼリーに砂糖を入れず、クエン酸を入れることで酸味を添加した。何度も試作を重ね、”ほんのり酸味を感じる”程度で作ることでミラクルフルーツの効果を最大限に発揮できるものに仕上げた。
そうはいっても、ミラクルフルーツは酸味を甘く感じさせる特性を持つが、砂糖を使用した普通のスイーツに“おいしさ”では敵わないことを述べておきたい。
●おわりに
この研究は健全な味覚を持つ人からしてみれば興味もなく、価値のないものとして処理されてしまうかもしれない。しかしながら、その価値を少しでも見いだすことができるように、諦めずに発信しようと思っている。そのために少々、お付き合い頂きたい。
若者の酒離れについて / 酒の醸す空間を守りたい
【1.日本の食 / 11.食の問題 / 14.食と空間・食シーン】
米作が開始された弥生時代、日本で初めて酒類が造られたと言われています。以来酒は、神事や祭祀を初めとする様々な場面で嗜まれ、人々の文化や歴史に密着して今に至っています。そんな古くから多くの人々に嗜まれてきた酒が、人々から避けられる場面が現代の日本で顔を見せるようになってしまいました。
私は酒の醸す空間が大好きです。酒自体も勿論好きであるが、それよりも酒の醸す空間が好きです。
例えば居酒屋で、お客様にキンキンのビールが届き1口目を口にした瞬間!!日々の疲れが一瞬吹き飛んだように笑顔がこぼれるあの瞬間は酒にしか作れないものであると思います。酒の場で実際に私も沢山の友人が増えた経験や、大人数で騒ぎ、少人数ならしっぽりと…そんな様々な色に変わることの出来る酒に大きな力を感じます。そこで私は若者の酒離れについて考える事としました。若者の酒離れの現状を調べる為に、若者世代の方と親世代に分けてアンケート調査を行いました。そこでは、若者世代は今までの酒の役割とは違うところを重点として置いて、店を選んでいるのではないかと受け取ることが出来ました。勿論、酒自体が好きな人は昔と変わらず誰もがイメージするであろう酒場で酒との時間を楽しむと思います。しかし、酒の苦手な人は増えていますが、若者世代であっても、全く飲まない人は、ほぼ親世代と同じ人数でした。この事から私は、呑む頻度が少ない代わりに食事に行く時のように、色々調べて面白そうなところを探して足を運び、普段と違う風景を感じ、綺麗なドリンクを見て呑んで楽しむというスタイルも増えてきたように感じます。その1つとして近年、様々な世界観を演出するとコンセプト酒場というものが増えてきました。中には監獄や、戦国時代をイメージしたものから実際に使わなくなった鉄道の椅子などを使った鉄道居酒屋まであります。実際に上記のいくつかのお店に足を運び、自ら体験してきました。そこでの時間は、全く非日常の世界であり、料理や酒も併せてこだわりのある店ばかりで、見て感じて楽しむことが出来ました。私はその体験から現代では、酒を日常の1部とするのではなく、特別な非日常として取り入れている人が増えてきたのではないかと考えます。
今後、酒離れを少しでも和らげるために、酒本体の新鮮さよりも魅力的な空間を作り、そこに酒を添えて人々の身近に置き続けることが必要であると思いました。
路地裏という異世界
【14.食と空間・食シーン / 18.人間・生活・環境】
皆さんは「路地裏」と聞いてどんなイメージを持つだろうか?
人通りが少ない、狭くて細い、非日常的、昭和の香りがするなど、イメージだけが先行してしまい具体として語りにくいかもしれない。
路地裏には、その街で生活する人たちの生活感が溢れ出ていて、車が入ってこない安心感から懐かしさや温かさを感じることができる。また、意図せず入った路地裏にばったり出会ったときの別世界に紛れ込んだような不思議な楽しさやワクワク感、さらには季節や時間帯によって雰囲気が変わり風情が味わえるなど、一度経験してしまったらきっとその不思議な魅力に引き込まれるだろう。
前回の発表では路地裏の魅力を伝え、東京・神楽坂の路地裏カフェを紹介した。今回は、路地裏の魅力に加えて、昭和の雰囲気を存分に味わえる路地裏横丁について発表する。暖簾や赤提灯が並ぶ横丁は、ふらっと立ち寄りたくなるような昭和の香りが漂う温かさが残っている。終戦直後に駅周辺で広まった闇市をルーツとする横丁は、昭和の雰囲気、赤提灯、狭い路地、匂い、笑い声など五感で楽しむことができ、またお客さん同士の距離が近いことから、コミュニケーションの場として、また心の拠り所として集う場所としても愛され続けている。横丁の「丁」には「行き交う」という意味があり、その名の通り横丁には今も人の集う路地の文化が色濃く残っているのだ。また、近年では若者の間でも密かにブームであり、路地裏横丁はチェーンの居酒屋とはまた異なった独自の魅力を放っているといえる。
タイムスリップしたかのようなワクワク感や懐かしさなどの不思議な魅力の詰まった横丁から、新宿「思い出横丁」渋谷「のんべい横丁」吉祥寺「ハーモニカ横丁」の3つの横丁に絞り、それぞれの特徴や歴史を含めて比較した。まず、新宿の「思い出横丁」は、闇市の形態をそのまま残し、焼き鳥やもつ焼きが有名な歴史の深い横丁である。
次に渋谷の「のんべい横丁」は、洋酒中心のモダンなバーやビストロもあり個性的な店が数多く存在する。最後に吉祥寺の「ハーモニカ横丁」は、花屋や多国籍料理などリニューアル店が多く立ち並び、変化し続ける横丁だ。
なぜ路地裏のお店は魅力的で愛されるのか、愛され続ける理由を上のような横丁の特徴から追求し、路地裏リーフレットを作成した。
竹内 由紀子ゼミ
SAITAMA DRAMATIC BEER / ~完結編~
【6.生産者と消費者をつなぐ / 16.食とエピソード】
〇研究動機と目的
近年、人気を集めている「クラフトビール」。ここ数年間で、全国的に小規模な醸造施設が増加してきている。なぜ、ビールの消費量が減少している今日に、クラフトビールの醸造家たちはビール醸造に参入したのか。
「醸造家がどんな想いで、ビールの醸造を始めたのか」「醸造家のこだわりや想いはどのようにビールに表現されているのか」等を、埼玉県内に地域を絞り、醸造施設のフィールドワーク、醸造家へのインタビューを通じて明らかにする。
〇実習内容
第一回の発表までは、調査地域を広くし、関東圏内のクラフトビールを対象に研究を進めた。そこで、さらに研究対象を絞り、地域の社会・文化状況を踏まえたフィールドワークが必要であると感じた。対象地域は、埼玉県内に絞ることとした。研究を進めていく中で、クラフトビールに関する研究はとても少なく、ネット上の情報にも偏りや不足があるように感じた。そこで、県内にある醸造施設を訪問し、醸造設備の見学、試飲、醸造家へのインタビューを行った。可能な限り県内の醸造施設を回り、醸造所の雰囲気やお店づくり、ビールの味を体感した。既存の情報には記されていない醸造家の生の声を聞き、そこから小規模醸造の現状を理解することができた。また、同じクラフトビールメーカーでも、醸造規模や、親会社の有無などの違いがあることがわかった。これらのことをまとめ、今回の発表会でお伝えする。
〇まとめ
第一回の発表では、ビールとは何か、クラフトビールから地ビールへと呼び方が変わったこと、フィールドワークで学んだこと等を発表した。今回の発表では、前回の内容をさらに掘り下げ、既存のメディア資料等には載っていない、埼玉県内のクラフトビールの魅力を紹介しようと考えている。クラフトビールには興味があるものの、まだ飲んだことのない人、クラフトビールをさらに知りたいと思っている人、何かを作り出すことに魅力を感じている人。そんな方々に楽しんで聞いていただけるような発表にする。
一緒にクラフトビールの世界にいらっしゃいませんか?お待ちしております。
シンガポールを味わう2
【2.世界の食 / 17.健康・美容】
☆背景☆
私は、多民族国家であり健康寿命が長いシンガポールに興味を持ち、訪れる機会に恵まれフィールドワークをすることにした。前回の発表では、シンガポールが1819年頃に英国の植民地かつ自由貿易港となり、出稼ぎや貿易商売等のために中国系やマレー系、インド系、欧州などの様々な民族が移住し、多民族国家となった歴史を確認した。
シンガポールには、民族や宗教が違ってもみな平等であるという政策があるが、現地にてシンガポール人の友人とその友人達とバーベキューを体験させてもらい、食事面で異なる料理を(豚肉等の禁忌食がある人ない人)一緒に楽しく囲む様子を伺うことが出来た。健康に関する政策もあり、幼稚園から大学での学食では宗教や民族を考慮して4店舗以上設備されている。ヘルシアチョイスというマークを食品につけ消費者がより健康な食品を購入しやすくなっている。子どもから大人まで健康指導を受けていることが確認できた。
☆シンガポールの概要☆
1965年に独立し、現在先進国の1つ。東南アジアに位置し、東京23区よりやや広い面積約720平方キロメートルの小さな島国である。総人口は約564万人(うちシンガポール人約399万人)。公用語はマレー語とされているが、教科書や道路標識は英語が多く使用されている。シンガポール国民の民族の割合(2018年)は、中国系74.3%、マレー系13.4%、インド系9.0%、その他3.2%である。宗教の割合(2015年)は、仏教43.2%、イスラム教14.0%、ヒンドゥー教5.0%、キリスト教18.8%、無加入18.5%、その他0.6%が混在している。
☆まとめ☆
12月の発表では、引き続きシンガポールの健康について触れる。今回、シンガポールの研究する機会に恵まれたが、知識が深まるごとに、以前にも増してこの国への関心が高まっている。日本と同程度の長い健康寿命を誇る国だが、多民族国家ということもあり政策や手段など異なる点がいくつもあった。半世紀ほどで先進国となり、教育水準が高いが、ストレスも高いという。今後も多様な視点からこの国に注目していきたい。また、健康についての観念や政策等も日本で活かせることを見出していきたい。
忍者と兵糧丸と、その観光資源化
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく / 4.地域振興】
○研究動機と目的
私は子供の頃から忍たま乱太郎が好きだった。尼子騒兵衛作の『落第忍者乱太郎』には、忍者が知恵を使い、戦国時代をどう生き抜いたが描かれている。私はその忍者の食に興味をもち、忍者の携帯食とされる「兵糧丸」や「かたやき」に注目した。
○実習内容
前回は、兵糧丸の実像や忍者の里として有名な伊賀・甲賀を訪ね、当地の忍者が観光資源として活用されていたことに注目した。
今回の発表では、「戸隠忍者」を標榜している長野市戸隠を訪れた。「忍者の里 チビッ子忍者村」「戸隠流忍法資料館」「忍者からくり屋敷」といった観光施設が集まり、大変にぎわっていた。また、かたやきの製造過程を見学できる伊賀市「小澤製菓」のフィールドワークなどを発表したい。
戸隠でのフィールドワークでは、各施設への交通の利便性、入場者数、客層、忍者に関連した土産品(食品)はどのようなものかを調査し、忍者の観光地としてどのようにアピールしているかを体感した。伊賀・甲賀も来訪したが、戸隠が観光地として一番成功しているように見えた。戸隠忍者の歴史を、文献資料をもとに調査した。
伊賀市でのフィールドワークでは、本来かたやきは忍者の食として生まれたのではないことが分かった。かたやきの主材料は小麦粉で、四方を山に囲まれた伊賀盆地に自然と伝えられた素朴な食べ物であった。現在、かたやきは伊賀市において伊賀忍者の土産菓子として親しまれている。発表では、かたやきの詳しい製法や、観光資源として変化したかたやきの姿を紹介する。
○まとめ
伊賀・甲賀・戸隠と忍者の観光施設へフィールドワークしたが、観光地として一番賑わっていたのが戸隠であった。甲賀は私が思ったほど観光化が活発ではなかった。その一方、甲賀では薬草栽培が盛んであることと、生薬を材料とした兵糧丸が、関連があることが分かった。伊賀は観光に非常に力を入れている。ただ、観光土産であるかたやきは忍者との結びつきが文献で確認出来るものではなく、地域の人々が観光土産として育ててきたものであると言えよう。
田中 久子ゼミ
本気で遊べる食育ゲーム / もったいないおばけと鬼ごっこ
【5.情報発信と表現 / 11.食の問題 / 12.食育】
[動機・目的]私は小さなころから食べることが大好きでした。なにをどれだけ食べればよいのか、テレビなどで特集されている食知識は本当なのかという漠然とした食事への不安がありました。
そのため、子供たちに正しい食知識を得る機会を与えたり、食をより楽しんで欲しいという思いから、食育に関する研究を始めました。
研究の目的は子供に食をより知って楽しんでもらうことで、地域の野菜やその他の食材の認知を高め消費量を増やすこと。商品提案やゲーム制作を通じて、偏食や食品ロスを減らすきっかけを作ることです。
[内容] 内容は、大きく分けて学校用冷凍食品の提案のまとめ・小学生向け食育ゲームの開発の2点です。学校用冷凍食品の提案については、第1回発表会のまとめとその後についてお話します。小学生向け食育ゲーム開発については、実際に制作したボードゲームのプレイ動画を作り、お披露目します。また、食育ゲーム完成のプロセスや実際に子供に遊んでもらった際の反応なども発表します。食育ゲームについては、子供が学んでいる感覚無く学べるよう工夫し、楽しく何度もプレイしているうちに、食材への知識が増えていくようなゲームにしたいという思いで制作にあたりました。それをプレイ動画などで感じていただけたら幸いです。
[発表内容について] 第1回発表会では、学校用冷凍食品の提案について中心にお話しましたが、第2回発表会では小学生向け食育ゲームについて中心にお話しさせていただきます。食育ゲームについては、大人でも楽しめるような内容になっているので、ぜひプレイ動画を見て楽しんでみてください。
この発表を聞いて、少しでも食や食育に興味を持っていただけたら嬉しいです。
絶対にインスタに載らないインスタ映え給食 / 女子大学生による学校給食向け商品提案
【4.地域振興 / 8.商品開発 / 12.食育】
【動機・目的】皆さんは学校給食というとどのような思い出がありますか?私は子供の頃、学校の給食が何よりの楽しみでした。授業や休み時間で頭も体も使ってお腹はペコペコ状態。瓶の牛乳やごく普通のみかんが学校ではなぜあんなにおいしく感じられたのでしょう。
小中学校では給食が唯一の食事の時間であるため、より特別感がありますよね。しかし、最近の学校給食は増々進化していて栄養バランスの良さやおいしいことは当たり前になっています。そこで驚きや喜びを加え、給食をもっと楽しい時間にさせることを目的にこの実習に取り組みました。思わず目を引く少し変わったメニューで子供たちの興味を引き、県産農畜産物の魅力を伝えるとともに食費拡大にも繋げていきます。
【実習内容】埼玉県内の小中学校向け学校給食の商品開発に携わりました。依頼された商品開発の条件は1.冷凍中華総菜、2.埼玉県産食材の使用。そうした中で「インスタ映え給食」をテーマに掲げ見た目を重視した華やかなメニューを提案しました。前期では主に埼玉県学校給食会、JA全農さいたまの関係者の方々に考案したメニューのプレゼンをして意見交換を行いました。食肉加工場の視察や学校給食会主催の行事にも参加し、最終的に3色餃子を提案した結果、試作・試食会を経て商品化が決まりました。後期では商品化にあたり埼玉県庁で記者会見を行いました。3色餃子の商品名は「豚de野彩(とんでやさい)餃子」に決定し、11月から埼玉県内の学校給食メニューとして、12月からJA全農さいたま組合員への食材宅配として取り扱いされる予定です。また、埼玉県産野菜を使用したお菓子の作成・販売にも取り組みました。今回の食材はケール粉。青汁の素でクセの強いケールを食べやすくマーブルマフィンにし、地域の方々のコミュニティの場である昼市で販売しました。発表ではこれまでの活動の経過報告や商品開発で感じたことなどを詳しくお話ししたいと思います。
Select Pan / パンのセレクトショップの企画と運営
【4.地域振興 / 7.お店の企画・運営】
●動機・目的
最近、全国各地でパンフェスが開催されるなど、空前のパンブームが起きています。しかし、パンフェスでは、パン屋さんが主催側に出店料を支払ったり、人件費が多くかかったりするため、パンを通常より値上げして販売していることが多いです。
また、気になるパン屋さんがあったとしても、そのために遠くまで買いに行ったり、いくつもパン屋さん巡りをしたりすることは、なかなか難しいと思います。そこで、地域の人にもっと身近にいろいろな美味しいパンを楽しんでもらえるよう、私がこれまで食べ歩いてきた中でおすすめのパン屋さんのこだわりのパンを集めて、セレクトショップをオープンすることにしました。
●内容
北坂戸にあるコミュニティスペース「北坂戸ぽんわか」にて、4月、7月、10月と3回にわたり、パンのセレクトショップ「Select Pan」の企画・運営をしました。実際にお店をオープンするにあたって、合計で5店舗の埼玉県内のパン屋さんにご協力いただき、何度も打ち合わせを重ね、SNSなどでの宣伝をしました。オープン当日は、ゼミ生や障害のある子供たちと一緒にパンを販売し、コミュニティスペースを盛り上げました。パンの販売価格に関しては、パン屋さんで普段売っている価格と同様です。
また、「Select Pan」の影響を知るために、アンケート調査をお客様は3回目の営業時に、パン屋さんは各店舗に訪問し行いました。アンケート調査結果は、パン屋さんと北坂戸ぽんわかの今後のためにフィードバックする予定です。
今回の発表では、「Select Pan」3回の営業を通してわかったこと、セレクトショップの利益について、お客さまとパン屋さんの反響などを中心にお話します。
根岸 由紀子ゼミ
いろいろな葉でお茶を作る
【1.日本の食 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
茶外茶とは
茶は、和名チャノキ(茶の木)(Camllia sinensis)の葉や芽、茎を加工して作られる飲み物であるが、チャノキ以外の植物の葉、芽、花、樹皮、根などを材料として湯を注ぎ抽出したものも「茶」と呼ばれてきた。
それらの広義の「茶」を、一般的な茶と区別するため茶外茶など様々な名称が用いられている。また、その原料として使用されているものは植物に留まらず、原材料の個性を味わうことのできる飲み物である。
日本においては「茶ではない茶」、「茶外の茶」などとも呼ばれ、健康茶、野草茶、代用茶、養生茶、漢方茶、変わり茶などが含まれる。日本では、そば茶・昆布茶・柿の葉茶などさまざまな茶外茶があり、昔から親しまれていたことがわかる。
実習目的
柿の葉茶やとうもろこし茶などお茶にも様々な種類があることを知り、ほかの野菜や果物でもお茶を作ることができるのではないか、どのような味・香りになるのかを知りたいと思い、新しい茶外茶を作っていこうと考えた。また、お茶の渋みや苦みが苦手な方でも果物の葉で作られたお茶であれば、飲みやすくなるのではないかと考え、渋みや苦みの少ないお茶を作っていく事を目標にした。
実習内容
普段のお茶の葉とは違う(いわゆる茶外茶)、植物で実際にお茶を作り、普通のお茶とは味・香りがどのように違うのか、どのように作れば香り・味の良いものになるのかを実際に作り調べている。様々な葉でお茶を作っていき、試飲してもらい評価を得る。さらに、その結果をもとに食材によっての美味しいお茶のつくり方を研究している。ブレンドしたものの方が飲みやすくなるのではないかと思い、二種類以上の葉を混ぜ、ブレンド茶も作っていこうと考えている。また、茶ごとに合う「茶請け(食べ物など)」も提案していく予定である
上尾市にある老舗酒造
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 9.メニュー提案】
私の地元である埼玉県上尾市に、明治27年創業の北西酒造株式会社があります。長い歴史をもつ酒蔵であるのに、私の地元でさえも、名前を知っている程度で、あまり詳しく知られていないことが多いです。
そのため、より多くの人に、上尾市にもこの伝統的な酒蔵があると知っていただくこと、そして、魅力を伝えていくことを目的に、実習を進めています。
第一回の発表では、北西酒造株式会社、5代目代表取締役社長にインタビューをして頂いて聞いたことや、公式ホームページに基づいて、この酒蔵の歴史や、お酒の特徴、そして創業以来、井戸からくみ上げている仕込み水にこだわりがあることなどについて紹介しました。
今回の発表では、北西酒造が製造しているおすすめのお酒を購入したときに合わせて食べたい、簡単な季節ごとのおつまみレシピを提案します。「純米吟醸スパークリングPUPPY」は、爽やかなヨーグルトの風味に炭酸がきいてさっぱりとした味わいです。そのため、おつまみは、しっかりとした味付けで、夏におすすめだと考え、しっかりとした味の明太子と、旬の食材であるオクラを用いた冷たい料理を提案しました。ゼミ内で何度か試食を行い、先生やゼミ生から意見をいただいて、メニューをブラッシュアップしました。
さらに、より身近に感じていただくために、紹介「リーフレット」を作成しました。北西酒造株式会社の歴史や、「文楽」をはじめとするお酒をピックアップして、どんな味か、どの食べ合わせがおすすめかを紹介します。また、メニュー提案を行ったレシピを掲載し、まとめました。
今回の発表を通して、上尾市にも伝統的な酒蔵があることを魅力に感じていただき、できれば、愛していただけたらと思います。
米麹甘酒
【3.食の歴史をひもとく / 9.メニュー提案 / 17.健康・美容】
最近、スーパーマーケットなどで甘酒売り場をよく目にするようになりました。少量で手ごろに飲める125mlから、1000mlサイズの紙パックのチルド飲料、缶入り、粉末をお湯で溶かして飲むものなどが販売されています。
味がついているものもあり、ショウガやトマト甘酒、ゆずの甘酒、豆乳ブレンド等も販売されています。また、甘酒は大きく分けて2種類あり、米麹で作る米麹甘酒、酒粕で作る酒粕甘酒があります。それぞれに良さはありますが、今回私は砂糖不使用でも甘く、アルコールも含まないので子供や妊婦さんも安心して飲める米麹甘酒について実習を進めることにしました。
今回の実習では、白米または玄米・水の量などで米の状態を変えた、5つのパターンで甘酒を作り、どの作り方だと糖度が高くなるのか、時間による糖度の変化を測定しました。また、ゼミのメンバーに試飲をしてもらい、甘さ、香りの良さ、飲みやすさ等の評価を依頼しました。市販のものよりとても甘みが強かったため、そのままでは飲みにくいと考え、ココア等とブレンドして様々なメニューを考えました。
甘酒には独特の風味があり苦手という人もいます。その人々にも甘酒を飲んでみようかなと思ってもらえるように魅力を伝えます。前回の発表では、手軽に5分以内で作れるメニュー「電子レンジで甘酒プリン」「甘酒ジンジャーエール」を提案しました。今回の発表では砂糖などの代わりに甘酒を使用し、料理の幅を広げるために料理やデザートにも甘酒を使用したレシピを提案します。今まで甘酒を飲んだことがなかった人や、苦手な人、すでに飲んでいる人もそんな料理にも使う方法があったのかと知ってもらえるようこれからの食生活にさらに利用してもらえるように提案します。
お米の食べ方改革 / ~米粉の普及拡大に向けて~
【1.日本の食 / 10.食材の可能性 / 11.食の問題】
■皆さんはお米を一日何回たべますか?■
日本人の米の消費量は年々減っており、今後人口減少などで消費量減少に拍車がかかると予想されています。
そこで、米の消費量を上げるために米粉というひとつの米の食べ方に注目し、米の消費量増加に少しでも貢献することを目的にこの実習を進めてきました。
第一回の発表では主に米粉のメリットや歴史、利用の仕方などについて発表しました。
さらに、スーパーやショッピングモールの食品売り場を見ていく中で、米粉商品はとても少ないと感じ、日常に取り入れやすい米粉食品を提供していくべきだと感じました。
第一回の発表で米粉はパン、めん、うどん、菓子など様々な食品に使われると報告しましたが、その中でも最も毎日の食事に取り入れやすく主食にもなるパンであると考えたため、今回は米粉パンについての提案をしていきます。
パンには間食や菓子にもなり得る菓子パンなど多くの種類がありますが、今回はご飯の代わりにも食べることのできる「食事パン(総菜パンやおかずパン)」を提案します。
また、ひとことで米粉パンといっても米粉パンの主な材料である「粉」には、米粉とグルテンや強力粉を混ぜて作ったもの、米粉100%で作られたものなど様々です。
さらに、手作りの米粉パンだけではなく、手軽に取り入れやすそうな市販の冷凍の米粉パンにも着目しました。
そこで、どのような米粉パンが日常的に使いやすく、主食にしやすいかなどを確かめるため、実際に試作をして何人かの学生に試食してもらい、簡単なインタビューを行ったり、米粉パン専門店に足を運び、どのような米粉パンが人気なのか、工夫している点はなにかなどを店員さんにお話を聞いたりをしました。
これらの結果をもとに、今回の第二回の発表では簡単にパンを作る方法やレシピを紹介します。
川越老舗和菓子屋への商品提案
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
◯目的
川越を拠点とする老舗和菓子屋紋蔵庵へサツマイモを使った和菓子商品の提案を行っています。
川越の更なる活性化を目指す事と、栄養学生的な視点で商品の提案を行うことを目的としています。
◯商品提案の流れ
1.商品提供したいターゲットに向けた商品のデザインなどを簡単に描き、先生や紋蔵庵の方に実現しやすいものを選んでいただき具体化していきました。
2.紋蔵庵の方と打ち合わせをして商品提案の流れを決め、主なスケジュールを決めていきました。
3.2回目の商品提案では本格的なデザインで商品を描き、10個の中から商品化が実現できそうな物を話し合って決めました。提案例として、最中やプリン、団子などを考えました。今回はテイクアウト商品か店舗販売できる商品にするか話し
合った結果、テイクアウト商品に決まりました。サツマイモを使用し、餡やクリームにし、団子の中にいれたり、のせたりで考えました。
4.考えた商品を紋蔵庵の工場で試作していただき、大学で試食をし、話し合って決めた完成形のものが11月中旬にお団子に決まり、最終決定となりました。その後商品の栄養的な特徴を販促物などで紹介していきます。試作は改良を加え
3回程行いました。
5.12月1日の「紅赤の日」のイベント時に参加者へ実際に提供します。
◯まとめ
商品を考える時には、提案するという事は簡単ですがそれを商品化するという過程になるとどうしても不可能な事、妥協しなくてはならない事を実感しました。また、自分でも実際に試作をしましたが、日持ちなど、衛生面などからも考えると商品を作るという事は素人の力ではとても難しい事を痛感しました。今回紋蔵庵の方の手厚い協力の元商品提案に携わることができ、とても貴重な経験ができたと思います。この研究を通して、多くの方々に商品提案への興味を持っていただけるように、またサツマイモの可能性や川越の魅力を伝えられたら良いと思います。
これからの肉は昔からの肉 / ジビエ肉を使ったお礼品の提案
【4.地域振興 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 10.食材の可能性】
【ふるさと納税】ふるさとや応援したい自治体に寄附ができる制度のことである。
福岡県のとある市のふるさと納税のお礼品として商品のブランディングに関わらせてもらった。
その中でこの制度の利用者の多くがお得な返礼品目的である現状を知る。お礼品として送ることで地方の現状、名産品のPRにつながる良い機会の場なのになんだかもったいない。今年の6月1日から制度の一部が改正され、返礼品が地場産品であることが義務になった。これは返礼品競争の緩和と同時に商品に注目する利用者が増えるよいきっかけだと私は考える。
最終的に今回の企画は商品化に至らなかった。しかし、実際にブランディングを行っている方のアドバイスを聞きながら企画を練ることで、私の考えるお礼品の漠然としたイメージを理想のかたちにまとめることができた。
今回商品提案で使用した地元のモノは“猪”の肉だ。臭みがありそう、安全か不安、そんなマイナスの印象が強い食材に挑む。猪のような野生肉は畜肉と違って味のバラつきがうまれる。そこを今回は加工品のソーセージにすることでカバーしてみた。ソーセージはアレンジが可能な肉の加工品の代表のひとつだ。ほかの動物(たとえば豚)の脂肪を加えることでジューシーになる。スパイスやハーブを加えることで独特な味が軽減される。どんなソーセージがお礼品にふさわしいか、ゼミ生に試食、評価してもらいながら試作を繰り返すことで考えてみた。同じ肉でも加工品にすると魅力が増すことがある。加工品にしてより食としての価値をつくりだしたい。
普段使う“肉”という言葉は畜肉を指していることが大体だ。そのため食肉と言えば豚、牛、鶏をイメージする方が多い。最近は身近になってきているジビエだが、この背景には鳥獣害の現状があると考えられる。ただ実は江戸時代から猪は日本で食べられている。肉食が禁止されていた時代でも食べるための抜け道を考えるほど肉は魅力的な食材なのだろう。そんな食文化の流れの中で猪は、また戻ってきた食材と考えてみるとおもしろい。日本の肉食文化の歴史をもとに「肉を食べること」について考えてみた。
豚とサツマイモの関連性について
【4.地域振興 / 10.食材の可能性 / 11.食の問題】
私たちの血や肉になってくれる豚さん。普段何気なく食べている豚さんにもたくさんの品種があり、さまざまな料理に使われている。
その豚さんは、どこで生まれ、何を食べ、どんな気持ちで肉になり、私たちの元へと届くのでしょうか。人間に人生があるように豚さんにも豚生(トンセイ)があるのです。病気になったり、子孫を残したり、最終的には、お肉に。私はこの実習では養豚と地域のことや養豚場が抱えている問題などについてまとめました。
そして第1回目の発表会までに行えなかったフィールドワークも行いました。私がこれまで考えていた問題は農家の方の経営環境の厳しさや後継者不足、天候や自然災害によるもの。だから私たちにできることはないと思っていました。そして、そういうことに興味や関心が全くありませんでした。けれど自分で調べ、講演会でサツマイモ農家の方や海外の方のお話などを聞くうちに私が考えていなかった問題や解決策などがありました。自分の知らなかったことを知ることができ、若い人たちにも何か少しでも発信していき、できること、力になれることがないのかな、自分も何か協力したいと考えることができました。あと、そのことについても触れたいと思います。大規模な養豚業は別として、農家で飼育する豚さんは何でも食べてくれてサツマイモも大好きです。沖縄では豚さんは(鳴き)声以外は全て利用できると言われています(毛や皮は食べないが別のものに利用されている)。一方、サツマイモ栽培では、イモはもちろん、つるや葉も全て食べられます。サツマイモと豚さんは全て利用できるという意味で似ています。そこでこんな資料もみつけました。サツマイモと豚さんの世界は奥深いのだなと改めて実感しました。
知られざる万能調味料“梅酢”の魅力
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
【研究動機・目的】
みなさん、梅酢をご存知ですか?梅酢とは、梅干を製造する過程で発生する液体のことです。そもそも私は梅干が好きなのですが、強い酸味や柔らかい触感から苦手意識を持たれる方もいらっしゃると思います。
また、梅干を料理に取り入れることは、なかなか難しいと感じていました。そこで私は梅酢に注目しました。液体であれば、梅干そのものよりも手軽に食生活に取り入れることができます。そこで、梅酢の利用法や調理法を提案し、まだまだ知られていない梅酢について興味をもってもらうことを目的に実習を進めています。
【実習内容】
第一回発表では、梅酢ができるまでの過程、酢との違い、効能など梅酢についての文献調査、梅酢ドリンク、梅酢おむすび、梅酢から揚げの試作・試食を行いました。梅の栄養素を含む梅酢は、クエン酸・リンゴ酸・ポリフェノールなどの成分を含んでおり、疲労回復・老化防止など多くの効果が期待されています。またそれら健康効果だけでなく、抗菌・殺菌作用も期待されている万能な液体なのです。
梅酢は梅の実と塩のみで作られています。梅酢はどの料理に使用しても食材に馴染みやすく、程よい酸味で料理の味を引き締める効果があることが分りました。塩や醤油を使うように、梅酢を調味料として使用することができると実感しました。第一回発表に実施した梅酢ドリンクの試食アンケートでも、「塩味がしっかりしている」「調味料として使えそう」「熱中症対策に良い」など梅酢の塩味に関する意見が多くありました。試作・試食を通して、梅酢は短い時間・手順で美味しく仕上げることができる万能調味料であることが分りました。
今回の発表では、第一回発表に引き続き梅酢を利用した料理を提案します。また、実際に青梅から梅酢ができるまでの様子や、梅酢の抗菌・殺菌作用について実験を行い、その結果について発表します。今回の発表を通して、梅酢を知らない方、梅干が苦手な方にも梅酢の魅力を感じていただき、日常に取り入れていただけたらと思います。
おいしい青 / 香りある色
【15.五感で楽しむ・五感で味わう】
お祭りで食べるブルーハワイのかき氷が大好きだった私は、近年話題になったかき氷のシロップはどれも同じ材料で作られていて味が違うと感じるのは視覚が影響している論に衝撃を受けた。
他のシロップにはない爽やかさや夏を感じていたあの味はなんだったのか。それが気になって大人(?)になった今、自らカキ氷機とシロップを買ってブルーハワイのかき氷を作って食べてみてもやっぱりあの味は変わらなかった。それじゃあ他のシロップよりも特別に美味しく感じるあの味は一体何なのだろうか。また青色はなぜだか食品において議題に上げられがち。「インスタ映え(死語?)」や「話題性」のあるものが人気を集め、「おいしい」の基準が曖昧である近年、その色でものを判断する意味はあるのだろうか。
後期では青色の琥珀糖をつくり、ゼミ生を対象に試食会を実施した。青色だからといって食べる気が失せたという意見は1つもでなかった。また、市販の琥珀糖と比較して実施したが、市販品には香料が入っており、琥珀糖の食感や甘さに加えて香りも感じられ、多くのゼミ生から試作品の琥珀糖にも香りがあればもっと美味しかったのではないかと意見をもらった。もしかすると先ほどのかき氷シロップに関する疑問も香料に秘密があるのかもしれない。思えば五感の中でも嗅覚と視覚だけが食べる前に感じるものである。舌で感じる味だけでなく、その他も含む五感がおいしさに影響するのだから、食欲のわかないような見た目(色)だけで判断できないのではないかと考える。であれば口に運ぶ前からわかる視覚と嗅覚から料理のおいしさを考えてみたいと思った。そこで琥珀糖に風味を添加して再度試作を行った。青色から連想される爽やかな香りだけでなく、お菓子のような甘い香りなどにも挑戦し、様々な琥珀糖を作った。このような実践をもとに、後期の発表では青色料理を香りと見た目の観点から「おいしい」を捉えていく。
平口 嘉典ゼミ
食×加賀野菜×九谷焼
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 9.メニュー提案】
<背景>
私の地元の石川県金沢市は、北陸新幹線が開通したことに伴いメディアに取り上げられることも多くなり、注目度が高まってきた。
周りの友人たちの中にも、金沢市に興味を持つ人や旅行に訪れている人も多くいる。しかし、金沢市の「食」といえば海産物のイメージが強いように感じる。金沢市には海産物のほかにも魅力的な「食」があることを知ってもらいたく、実習テーマとした。
<目的>
本実習では、金沢市の伝統野菜である「加賀野菜」と石川県の伝統工芸品である「九谷焼」を、「食」とともに他県、特に関東圏の方に向けてPRする。そのために、金沢市東京事務所へヒアリングを行い、「加賀野菜」と「九谷焼」の現状を把握する。また都内で行われる金沢市のPR活動にも参加する。さらに、「九谷焼」の器に合わせた「加賀野菜」を用いたレシピを考案し、発信する。
<結果>
金沢市東京事務所では、「加賀野菜」と「九谷焼」、そして、東京都での金沢市についてのPR活動についてヒアリングを行った。「加賀野菜」は数ある伝統野菜の中でも、広く認知されており、京野菜や鎌倉野菜に並ぶことを知った。
都内目黒区には金沢市とゆかりのある「旧前田公爵邸」があることを知り、実際に訪問した。また、都内板橋区民祭りにおいて加賀野菜の販売PRが毎年行われており、その活動に参加した。
さらに、「九谷焼」に合わせて「加賀野菜」を使ったレシピの考案を行い、情報発信に努めた。
<まとめ>
この実習を通じて、県外の方の金沢市に対する関心は高いことを感じられた。また、私自身金沢市についてさらに知ることや発見も多くあった。PR活動をする際には、その知識が重要であることを実感した。今回、私が作成したレシピに興味を持ってもらい、一人でも多くの方に、金沢市を訪れてほしい。
花のまち鴻巣をエディブルフラワーでPR
【4.地域振興 / 7.お店の企画・運営 / 8.商品開発】
【実習背景】
埼玉県鴻巣市は、花き栽培が盛んであり、ポピーは栽培面積、マリーゴールド、プリムラ、サルビアは生産量が日本一に輝いている。
しかし、埼玉県内の方々からは、運転免許センターのイメージが強いと言われる。そこで、多くの方々に「花のまち鴻巣」をエディブルフラワー(食用花)という食で伝えたいと思い、実習のテーマにした。
【目的】
本実習は、エディブルフラワーを使用した商品によって、鴻巣市が花のまちであることを市内外に広め、同市の活性化につなげることを目的とする。そのため、鴻巣市役所、鴻巣花組合へのヒアリングやイベント参加を通じて、花き栽培の現状と花に関するPRの現状を把握する。さらに、エディブルフラワーの理解を深め、鴻巣市ならではの商品開発に取り組む。最後に、鴻巣市内で、エディブルフラワーを使用したカフェ運営をすることで、市内外に花のまち鴻巣をPRする。
【調査結果】
鴻巣花組合長にヒアリングを行った結果、市内の小学校に出向いて寄せ植え体験を実施するなど、子ども向けのPR活動を積極的にしていたが、大人向けの活動はあまりされておらず、大人が花に触れる機会が必要だと考えた。
そこで、市内で開催された「鴻巣花まつり」において、エディブルフラワーを入れたローズヒップゼリーソーダを考案し販売したところ、多くの方々からご好評を頂けた。
さらに、NPO法人にこにこmama’sと日本薬科大学の協力のもと、エディブルフラワーを見て、食べて、体験できる期間限定カフェをオープンした。この取り組みは、複数のメディアに取り上げられ、多くのお客様に来店していただいた。
【まとめ】
今回、イベント出店やカフェ運営によって、市内外の方々に鴻巣の魅力を伝えることができた。また、この研究をきっかけに、鴻巣市、日本薬科大学及び本学の3者による包括連携協定が締結され、鴻巣市民の健康増進と市産業の活性化が図られることになった。今後、花のまち鴻巣をエディブルフラワーでPRするためには、行政による産業振興と、市内の生産者、飲食店・菓子店、行政の連携による加工品開発が必要である。
まだまだ知らない山梨県 / ─商品提案を通じて富士川地域を振興─
【4.地域振興 / 8.商品開発 / 10.食材の可能性】
【実習背景】
山梨県といえば、ブドウや桃などの果物、ほうとう、信玄餅、富士山、富士急ハイランドなどのイメージが強い。しかし3年次プロジェクトで山梨県の富士川地域を知ったことで、山梨県にはまだまだ知らない魅力的な食材があることに気がついた。
このような魅力的な食材を多くの人に知ってもらいたい、そして地域振興をしていきたいという思いから実習のテーマとした。
【目的】
本実習では、山梨県富士川地域の食材を使用した商品提案を通じて富士川地域のPRを行い、地域振興につなげること、また、まだまだ知られていない食材をPRすることで富士川地域の魅力を山梨県全体の魅力の1つにすることを目的とする。
【調査結果】
第1回発表会までの活動では富士川地域の市川三郷町を中心とし、役場の方や市川三郷特産農産物活用研究会の方にヒアリングを行った。農業の現状や特産物の大塚にんじんなどについて知る中で、加工品も販売されているが知名度がまだまだ低いという課題点が挙げられた。そのため新たな商品の提案を行うことを決め、若い人にも興味を持ってもらえるような健康志向なマカロンの商品提案を行うことにした。
第1回発表会後、対象地域を市川三郷町だけでなく、富士川地域の5町(市川三郷町、早川町、身延町、南部町、富士川町)すべてとした。富士川地域には大塚にんじんをはじめ、甘々娘、ゆず、しょうが、あけぼの大豆など様々な特産品があることを知り、富士川地域の和菓子店、竹林堂様と共同で、5町の魅力の詰まったマカロンの開発を進めた。
【まとめ】
この実習を通じて、今まで知らなかった地域や食材について知ることができた。また、商品化するにあたって試作や話し合いを繰り返し、理想的なものに近づけていく大変さを身をもって感じた。町を振興するというのは容易ではないが、商品提案を通じて微力ながら貢献できたと思う。今後、さらに5町が連携して情報発信やPRを行い、魅力を発信することが重要である。
やさシティ松戸 / ~都心に近くても農業は盛んだぞ!!~
【4.地域振興 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 11.食の問題】
【実習背景】
千葉県松戸市は、特にどんな場所なのかイメージがない。そんな松戸市は、実は都心に近いが農業が盛んな街なのである。
【目的】
この実習では、松戸市が農業に対して積極的に取り組んでいるということを少しでも多くの松戸市民に知って貰うことを目的とする。
具体的には、松戸市の恒例行事である「松戸まつり」への参加し、農産物の販売や松戸市民へのアンケートを通して調査した。
【調査結果】
松戸市の代表的な農産物には、あじさいねぎ、矢切ねぎ、梨、松戸えだまめ、樋野口覆下こかぶがある。またJAとうかつ中央へのヒアリングを通じて、農業に関する多くのイベントがあることがわかった。
「松戸まつり」とは2日間にわたり各会場でのイベントと数多くの屋台でにぎわう、市内でも特に注目される行事である。駅西口のイベント広場ではパレードなどのストリートイベントが随時開催されている。西口デッキ下では全国ふるさと観光物産展などが行われており、JAとうかつ中央の下、松戸産農産物の販売に携わった。また、松戸市のイメージおよび松戸市産農産物の認知度に関するアンケートを行った。
その結果、若者は松戸市の農産物についてほとんど認知していないこと、それに対し高齢者はある程度認知しているということがわかった。また、多くの方が松戸市は治安が悪いというイメージを持っていることがわかった。
【まとめ】
アンケート結果から、若者への松戸市産農産物があるという情報提供がさらに必要であると感じた。松戸市民にあまり認知されていなくとも、矢切ねぎのように市場で高く買われる農産物もある。今後は、一人でも多くの松戸市民が松戸市は農業が意外と盛んであるということを知れば、松戸市のイメージアップ、地産地消へと繋がる可能性があると考える。
埼玉県をうどん県に / 加須手打ちうどんによる地域振興
【1.日本の食 / 4.地域振興】
【実習背景】
埼玉県は全国でも有数のうどん県であり、うどん生産量は全国第2位である。また、県内には20種類を超える様々なうどんが存在するともいわれている。
そのなかでも、江戸時代からの歴史がある加須うどんを中心に、埼玉県をうどんでこれまで以上に盛り上げていきたいと思い、実習テーマにした。
【目的】
本実習では、加須うどん店の現状を把握するとともに、県内で開催されるイベントに参加し、加須市および埼玉県をうどんで振興する方策を考えることを目的とする。そのために、加須手打ちうどん会へのヒアリングやうどん関連のイベントに参加した。
【調査結果】
加須は昔から家庭でうどんを打つ文化があり、冠婚葬祭では必ずうどんが登場していた。しかし、現在は家庭でうどんを打つ機会は減ってきている。以前、うどん会で小学生を対象に手打ちうどん教室を行っていたが、各店舗運営と同時進行で教室を行う負担が大きく、近年では開催されることがなくなっていた。しかし、今回、加須市商工会の協力により、加須うどんを食べたことのなかったゼミ生を対象に、プロによるうどん教室を復活させることができた。
また、加須手打ちうどん会が参加するイベントに同行し、市内で開催された「こいのぼりマラソン」におけるうどん配布や、全国的なうどんのイベントであり、今年度は熊谷市で開催された「うどんサミット」の見学と出店者へのヒアリングを行った。イベントに備えての準備の大変さや、うどんサミット優勝争いの激化による負担等があるが、それらに参加することで、より多くの人に加須うどんを知ってもらえるきっかけを作るとともに、多くのお客さんに喜んでもらうことができることがわかった。
【まとめ】
イベントを開催したり、参加したりするのは容易なことではないが、知名度の向上や多くの人においしいうどんを味わってもらうチャンスになることがわかった。今後は、メディアやSNS等を利用した情報発信を行うことで、より一層イベントの効果が期待でき、これまで以上に加須市および埼玉県をうどんで振興することができるだろう。
週末は、地域振興してきます。 / ~富士川と韮崎をペアリング~
【4.地域振興 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 10.食材の可能性】
【実習背景】
日本の地方の主たる産業は農業だが、農業従事者数は年々減少し、後継者不足が深刻な問題となっている。また、中山間地域や小規模な地域の中には、人口減少により消滅が危惧される場所も少なくない。
この実習の中で山梨県の二つの地域に出会い、毎週のように足を運んだことで見えてきた、地方の課題を解決するための方策とは…。
【目的】
本実習では、山梨県富士川地域の特産品開発及び同県韮崎市のぶどう栽培・ワイン製造体験を通じて、農業と地域振興の関係性について考察し、山梨県全体の活性化につなげることである。
【調査結果】
昨年の夏から、ゼミ生全員で山梨県富士川地域における食の魅力向上プロジェクトに関わり、各町の特産品を用いた料理の提案を行った。
次に今年の春から、山梨県韮崎市においてぶどう栽培とワイン製造に関わった。同市の株式会社クピドファームでは、新規就農の促進とぶどうの収量・品質の安定を目指したドローンやスマートフォンアプリを活用した、ぶどう栽培支援ツールを開発・実践している。今年2月から9月まで、同社が管理する農園でぶどう栽培の体験を行った。
更に、同社役員が運営するワイナリー・ドメーヌ茅ヶ岳のワイン製造を体験した。代表銘柄アダージョ・ディ・上ノ山は、国内ワインコンクールで受賞歴のある銘品である。このワインを通じて山梨県の魅力を発信したいと考え、100本限定でオリジナルラベルのデザインを行った。またこのワインのペアリング料理を富士川地域の食材を用いて考案し、パンフレットにまとめた。そして、11月の駒込祭ではワイン販売とパンフレット配布を行い、山梨県の魅力発信に努めた。
【まとめ】
この実習を通じて、魅力発信といえども一筋縄ではいかないことが多く、地域を巻き込んで振興することはとても難しいことだと実感した。一方で今回のようにたとえ微力な学生の力でも、その地域の特産品を用いてレシピ作成やイベント出店等、PR活動を続けることが地域の認知度を向上させ、地域の活性化に貢献できると考える。
川口の魅力とは / ─復活、醸造文化があるまちへ─
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 6.生産者と消費者をつなぐ】
<背景>
生まれ育った埼玉県川口市には鋳物・植木など様々な魅力がある。しかし、自分の専門分野である『食』についてイメージするものが何もなかったことから、川口の食の魅力を知り、市内外の人に発信していくことをテーマとした。
<目的>
本実習では、川口市内外の方々に鋳物や植木だけでなく、『川口の食』についてイメージをもってもらうことを目的とする。そのために、川口御成道味噌に注目し、市内事業者交流会やイベントの参加を行い、『川口の食』の認知度向上に取り組んでいく。
<結果>
川口市農政課へのヒアリングにより、市の特産物にはハマボウフウや木の芽があることを知った。さらに調べていくと、川口市には麦味噌をはじめとする醸造の歴史があり、それを復活させ、クラフトビールの醸造にも取り組む企業があることを知った。
次に、川口御成道味噌のブランディングに関する市内事業者交流会に参加できることになり、川口市土産のアソートセットの企画と、共通ロゴの作成に携わらせていただいた。交流会では、学生として、また若者としての意見を伝え、一部採用してもらうことができた。完成したものは、10月に開催された「川口市市産品フェア」で川口市内外の方々にお披露目をし、醸造文化の歴史を知る機会を提供することができた。
また、9月下旬には「埼玉地酒街めぐり」で御成道味噌を使用したおつまみを考案し、試食配布とアンケートを行った。アンケート結果では、『川口の食』について、特にイメージするものがないという意見が多く見られたが、今回の試食配布がきっかけで、約9割の方が御成道味噌に関心を持っており、川口の食のPRに繋げることができた。
<まとめ>
川口には醸造文化の歴史があったことや、それを復活させ、味噌やクラフトビールを作り、『川口の食』を盛り上げている方々がいることがわかった。しかし、市民の認知度が低いことから、引き続き市内外にPRしていくことが大切であると感じた。また交流会から生まれたロゴや商品に賛同していだだける方を増やしていくことが今後、更なる市の活性化に繋がっていくと思われる。
こしがやの食の魅力を発見! / 越谷市のくわい
【4.地域振興 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 10.食材の可能性】
<実習背景>
私の地元である埼玉県越谷市は食に関するイメージがない。しかし、実際は全国トップレベルの生産量を誇るくわいやいちごなど多くの特産品がある。
そこで、くわいを通して越谷市の食の魅力を知ってもらいたいと思い、実習のテーマにした。
<目的>
本実習では、越谷の特産品であるくわいの現状を把握し、市内外の人にくわいを知ってもらうことを目的とする。そして、越谷の食の魅力を発信することで、地域振興を図る。そのため、市役所、くわい農家、くわい加工品を扱う店舗にヒアリングを実施し、くわいの特性を活かしたレシピ考案を行う。
<調査結果>
くわいはおせち料理に使用される食材で、芽が出る形状から縁起物とされている。埼玉県は全国2位の生産量を誇り、越谷市はさいたま市に次ぎ県内2位の生産量である。越谷市の学校給食では30年以上前からくわい料理が提供されていることから、食育活動にも力が入れられている。
くわい農家へのヒアリングから、くわいは冬季の極寒での作業の大変さや高齢化、後継ぎ不足などの課題があるとわかった。越谷市七左町周辺でくわいを生産している農家は、35年前は9戸あったが、現在は3戸に減少している。
くわいは加工品にすることが難しく、くわいの特徴である、独特の苦みやホクホク感を活かしきれない。また、原価が高いため、手をかければかけるほど価格が高騰してしまう。これらの課題を解決し、くわいの新たな食べ方を発信したいという思いから、くわいを使用したレシピを考案し、くわい羊羹・くわいゆべしの2点を「こしがや彩りレシピコンテスト」に応募した。
<まとめ>
調査を通じて、越谷市ではくわいの知名度を高めるために様々な活動が行われていることがわかった。くわい農家は減少傾向にあり、生産を維持するための対策が必要である。また、くわいの独特の苦みが苦手な方も多く、今後はそうした方にも食べて頂けるような工夫をした料理を考案し、発信していく必要があると考える。
まるごとあきたを活性化!
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 10.食材の可能性】
<背景>
私の生まれ育った秋田県は、秋田県産米の「あきたこまち」が有名である。しかし、秋田県にはそれ以外にもたくさんの農産物がある。秋田の美味しい農産物の調理法やレシピを知ってもらい、多くの人に食べてもらいたい。
<目的>
本実習の目的は、首都圏に住んでいる方々に秋田県の農産物を知ってもらい、興味を持ってもらうためのPRをし、地域活性化につなげることである。そのために、秋田県東京事務所やアンテナショップを訪問して秋田県の農産物の概要を知り、試食販売や秋田と首都圏をつなげる交流プロジェクトに参加し、メニュー提案を行った。
<調査結果>
秋田県東京事務所へのヒアリングでは、現在秋田県では、枝豆、ネギ、りんご、さくらんぼなど様々な農産物に力を入れているが、米以外はなかなか市場に出回らないとのことであった。その原因として、農産物の生産量が少ないこと、県内の業者と首都圏の業者の取引が続かないこと、首都圏から遠く物流コストが高くなることが挙げられた。
都内アンテナショップにおいて秋田県の山菜の試食販売活動に参加した際には、首都圏では見慣れない山菜も多くあったため、来店者から味や調理法について質問されることが多くあった。そのため、販売時に調理法やレシピを添付する必要性を感じた。
秋田と首都圏をつなげる「縄文食で大館とつながるプロジェクト」は、縄文の歴史にまつわる食のメニューを開発して歴史と食を通じて大館市の魅力をPRし、関係人口の創出、拡大を図っていくプロジェクトである。このプロジェクトに参加し、実際に大館市に訪問し、大館の歴史、取り巻く状況や課題を知るとともに、大館市の食材や食文化について学んだ。そして、大館市の食材を使って縄文時代の食を彷彿とさせるメニューを考案し、広く発信することに努めた。
<まとめ>
秋田県の農産物を首都圏でPRするためには、首都圏でのイベントや秋田と首都圏の交流が継続して行われることが大切だと分かった。また首都圏で農産物を販売する際は、調理法やレシピを食材と共に提示することで様々な人が買いやすくなると考える。
地場野菜でメニュー開発 / ─川越の美味しい野菜をPR─
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 9.メニュー提案】
【背景】
私の地元である埼玉県川越市は観光地というイメージが強いが、実は農業も盛んで、駅から少し離れると田んぼや畑が広がっている。しかし、その事実はあまり知られていないため、県内外の方にも川越の美味しい野菜を知ってもらいたいと思いこのテーマにした。
【目的】
本実習の目的は、川越の美味しくて新鮮な野菜を多くの方に知ってもらい、食べてもらうことである。市内の農業の現状を把握するために、川越市役所農政課の方へヒアリングをした。そして、縁があり市内飲食店で川越いもを使用したメニュー開発を行った。
【調査結果】
川越市内では、サツマイモの他に、里芋やほうれん草、トマトなど多くの野菜を栽培している。地元のスーパーや直売所などで市内の野菜を購入することもでき、地場野菜に触れる機会も多い。
市内飲食店でメニュー開発をすることになり、オーナーさんから川越いもを使用したおつまみやデザートを考えてもらいたいとのことだったので、川越いもを使用したミニグラタンとレアチーズケーキのレシピ作成をした。何回か試作を重ね、納得のいくものができた。その二品を団体のコースメニューに入れてもらい、提供させてもらった。料理を食べた方には好評だったものの、コースの最後にチーズケーキは重いという意見もあったので提供するタイミングや量も大切だと分かった。
また、川越市のイベントにもボランティアとして参加させてもらった。イベントは忙しく大変だったが、地域の方々が楽しむ姿を見つけることができた。
【まとめ】
メニュー開発を行うことは、想像していた以上に難しく、大変なことだとこの実習を通して感じた。地域の野菜をPRし、知ってもらうことは容易ではないが、イベントでは様々な方々と交流ができ、コミュニケーションの大切さや地域の人々の温かみも感じることができた。今後、川越市はさらに発展し、観光客も増えると思われる。観光客に川越の古風な建築物とともに、川越産の美味しい野菜も知ってもらえたら幸いである。
秩父のおいしい魅力発信! / 地元の魅力再発見
【4.地域振興 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 9.メニュー提案】
<背景>
都心から2時間程度の“ちかいなか”である埼玉県秩父市は私の愛する地元である。自然豊かで食べ物は美味しく、魅力溢れる観光地だと思う。
しかし、市外の方からは田舎で何もないと思われていると感じた経験が何度もある。もっと多くの方々に秩父の魅力を知ってもらいたいと思い、実習のテーマとした。
<目的>
本実習の目的は、私の地元である秩父地域の食の魅力を再発見し、地域内外の方々へ秩父の魅力を発信することである。そのために地元のいちご農家の後継者と連携し、共にメニュー考案を行う。さらに、秩父の食材を使ったカフェ営業を行い、秩父の食の魅力を広く発信する。
<結果>
秩父地域には多くの特産品があるが、なかでもいちご、ぶどう、キノコなどの農産物が豊富に存在する。いちご狩り体験なども行うことができ、旬の季節になると多くの観光客が訪れる。
そこで、秩父の食の魅力をさらにPRしたいと考え、地元のいちご農家の後継者であり、埼玉県農業大学校で農業経営を学ぶ学生と連携し、いちごを使ったカフェメニューの考案を行った。この農家では、ぼかし肥料を使用するなど栽培方法にこだわっているため、素材の味を活かせるようなカフェメニューを目指した。また、秩父の観光地である芝桜の名所等でその場で手軽に食べられる方法も検討した。考案したカフェメニューは学内カフェで提供し、改善点を探るとともに、食の魅力を発信する活動を行った。
また、秩父の食を地域外の方にPRするために、鶴ヶ島市チャレンジショップ「つるカフェ」にて、秩父の食材を使用したランチメニューを期間限定で提供した。
<まとめ>
この実習を通して、秩父地域の観光事業や食のPRについての活動を知り、地元の食の魅力を再発見することができた。また、農家の後継者と連携して食の魅力を発信するためのメニュー考案を行うことができた。今後も、食・農・観光が連携し、秩父の魅力をさまざまな視点からPRすることでさらなる秩父地域の活性化に繋がると考える。
DEEPな街を活性化! / ~志木駅南口・街バル運営を通じて~
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 18.人間・生活・環境】
<実習背景>
埼玉県新座市に位置する志木駅の南口にはDEEPな街が広がっている。私は大学に入ってから志木駅周辺に魅了され、導かれるように多くの人々や飲食店に出会った。
それぞれの店には、個性豊かなマスターや温かい常連のお客様が集い日々食事と酒を楽しむ空間が生まれている。
<目的>
本実習では、志木駅南口の飲食店の現状を把握し、近隣の方に「しきみなバル」を通じて飲食店を知ってもらうことによって地域振興を図ることを目的とする。現状把握のために、市役所や駅前の飲食店へのヒアリングを行うとともに、実行委員としてイベント運営に関わる。そして、志木駅南口の魅力を発信し、知名度向上に貢献する。
<調査結果>
志木駅南口商店会ではこれまでも、阿波踊りの開催や近隣の子供たちを対象にした縁日の開催などさまざまなイベントを行ってきた。今年度は、商店会の開設50周年の記念事業として、商店会加盟店を地域の方により広く知ってもらうために、商店会としては初の試みとなる「しきみなバル」の運営を開始した。
私は実行委員会役員としてSNS広報を担当し、インスタグラムの運営を行いイベントの開催情報を発信した。また、飲食店と地域、飲食店同士の結びつきについて経営者や利用者の方へヒアリングを行った。そして、食イベントの開催が地域にどのような効果をもたらすかについて考察した。ヒアリングの結果、飲食店同士の繋がりはあまりなく、各々の店には何度も通い続ける固定のお客様が多いことが分かった。また飲食店の経営者からは、今回のバル開催に期待することとして、新たなお客様との出会いや飲食店同士の繋がりができることが挙げられた。
<まとめ>
この実習を通して、志木駅南口における飲食店と地域の現状を知り、理解を深めることができた。また「しきみなバル」の運営に加わり、地域の方々や参加店と連携しながらイベントを運営する難しさを身に染みて感じることが出来た。美味い!は勿論、そんな人情溢れるこの街がさらに、地元の人に愛されるものであってほしいと願っている。
みんな知ってる?あけぼの大豆 / 大豆を日々の食卓に
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 8.商品開発】
【実習背景】
3年次に、ゼミ生全員で山梨県の富士川地域活性化プロジェクトに参加した。富士川地域は五つの町からなっており、私は身延町を担当した。
そのなかで身延町の特産品であるあけぼの大豆に出会い、初めて食べたときそのおいしさに感動した。そこで、あけぼの大豆のことを一人でも多くの人に知ってもらいたいと思い研究のテーマに選んだ。
【目的】
本実習ではあけぼの大豆の認知度を上げ、身延町の活性化につなげることを目的とする。具体的には、地元の方にはより身近な食材となり、町外、県外の方たちにはあけぼの大豆を知ってもらうきっかけとなるようにあけぼの大豆を使用した商品開発を行い、PR方法を考える。
【調査結果】
あけぼの大豆は、明治時代に身延町曙地区というところで広まった在来品種である。昭和45年頃から枝豆として市場に出荷されるようになり、今でも枝豆と大豆の兼用利用の生産が続けられている。標高300~700m、昼夜の寒暖差が大きい身延町曙地区で作られた種子を使用して町内で栽培されたもののみがあけぼの大豆と呼ばれている。生産地域が限られることで生産量も限られており、希少性が高いことから幻の大豆と呼ばれている。
身延町産業課にてあけぼの大豆の生産、流通の現状についてヒアリングをした結果、生産量が限られているため町外にはほとんど出回らないことが課題として挙げられた。
次にあけぼの大豆をより多くの人に知ってもらうために、身延町にある「ゆば工房五大」様のご協力のもと、商品開発に取り組んだ。あけぼの大豆をより手軽に、そして幅広い年代の方に食べていただけるような商品を考案した。
【まとめ】
あけぼの大豆は生産量が少ないため、町外、さらには県外の人にまで知名度を高めるにはまだまだ課題が多いと感じた。今後は首都圏での物産展への出展などを通じて町外へのPRをする一方で、町内で行われるイベントの魅力を高め、町外から身延町に人を呼び込む取り組みが重要ではないだろうか。
小江戸だけじゃない!川越のさらなる魅力発信
【4.地域振興 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 9.メニュー提案】
【背景】
以前、川越のファーマーズマーケットに参加した際、川越市には活気あふれる生産者の方々や、魅力的な農産物があることを知った。
そして、それらをもっと発信したいと思った。川越=小江戸というイメージが定着しつつあるが、川越には小江戸の他にも魅力があることを知ってもらいたいと思った。
【目的】
本実習では、川越の新たな魅力として、「食」と「農」を市民の方や観光客に認知してもらい、川越市のさらなる魅力向上を目的とする。そのために川越産農産物を用いたメニュー提案を行い、食農体験プログラムを企画・実施を実施した。
【調査結果】
川越市の産業観光部農政課の方へのインタビューでは、川越市の農業の課題としては後継者不足、資金不足などが挙げられた。また、川越市の市民農園の拠点となるべく「蔵inガルテン」も開業予定であるが、周知活動が十分でないことも課題であった。そのため、市民へ少しでも川越の農産物に興味を持ってもらうために、本年6月までの活動では川越産農産物を用いたレシピを記載したパンフレット作成を行った。
また、観光地ならではの課題としては、小江戸に観光客が集中しすぎて、オーバーツーリズムが起きていることがわかった。そこで本年6月以降の活動では、川越の「農」や「食」の魅力を高め観光客を分散させるため、市農政課、市内ぶどう農家と連携し、川越産ぶどうの収穫と調理が体験できる食農体験プログラムを企画・実施した。この中で私はぶどうを使ったお菓子作り教室の企画とインスタラクターを担当した。
【まとめ】
プログラム体験者へのアンケート結果から言える今後の課題は二つある。一つは他の観光農園では扱ってない食物や料理を扱うことである。今後は「川越市でしかできない体験」とは何か、参加者の立場に立って考える必要がある。もう一つは参加者のニーズに合わせた体験内容の提供である。例えば市内の方には親子で気軽に参加できる短時間の内容を提供し、市外からわざわざ川越まで足を運んでもらった方には、予算を増やして充実した内容を提供することで、双方のニーズにこたえることができるだろう。
平野 覚堂ゼミ
潔いごはん
【5.情報発信と表現 / 13.料理を伝えるカタチ】
私は、私の料理が好きである。別に手作り信仰があるわけでも、丁寧に暮らしたいわけでもない。ただ単純に、ときめくのだ。
鮮魚コーナーに鎮座するピカピカのゴマ鯖に心奪われたり、木ベラや鍋をキュキュッと洗いあげたり、真夜中に巨大オクラをゆがいてみたり(必ず一本はゆでたてにマヨネーズをつけて齧る)。小腹が空いた時に熱々の豆乳でつくる黒胡椒まみれのラーメンはたまらないし、ありもの野菜のみそ汁と納豆ご飯は、毎朝食べてもけっして飽きない。「今日のお昼は何を食べよう」とぼんやり考えるのも、小さな台所の流しで立ったままかぶりつく甘く冷たい桃も、半端に鍋に残るのが嫌だからと皿に全部盛りつけてしまうのも、作りたくない時は作らないのも、私の料理なのである。
現代に生きる私たちは、自分で料理をせずとも生きていくことが出来る。食事を用意してくれる身近な人の有無にかかわらず、お金を払えば時間や手間を省いてすぐに食事にありつけるのだ。それでも私は、無性に料理がしたくなる時がある。それは大抵、空腹を満たすだけでは満足しない時なのだ。プロの料理人や食品メーカーが作り上げた「均一で隙のない味」ではなく、自分の作る「不完全でムラのあるごはん」を食べて安心したいのかもしれない。調理工程の簡略化を謳ったレシピツールの数々。レトルト食品やカット野菜が所狭しと並ぶ、スーパーマーケットの陳列棚。料理のハードルがどんどん下がりつつある一方で、こうした既製品の利用や少ない品数の食卓に罪悪感を覚える人が存在する。私は、そんな人の気持ちを軽くしたい、自分の好きなものを気ままに料理する心地よさを伝えたい、そう考えるようになった。必要最小限の食材と手間をかけ、もっと自由にたのしむ料理。私はこれを「潔いごはん」と名付けた。前回はこれをzineにまとめ、東京都内のzine専門店で販売した。zineとは、個人やグループが自由なテーマで作った小冊子である。今回は、約三か月間にわたって私が日々作り、食べてきたものたちをスマートフォンのカメラで記録した。そこから新たに『潔いごはん Vol.2』を制作し、東京都内の書店で販売する。忙しない日々の中で、ごはんを作ったり作らなかったり、全部ひっくるめて自分の生活を愛し、たのしんでいる。筆者自身のリアルな生活の一端を見せることで、たった一人にでも自分のごはんを好きになるきっかけを与えられたなら、この企画は成功といえるのだ。
エクストリームワガシ
【1.日本の食 / 13.料理を伝えるカタチ / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
世界はたくさんのおかしにあふれている。日本のおかしと言えばそう、和菓子だ。もみじに象られた練りきりを見れば秋季を感じるし、手がかじかむ時期になればあたたかいおしるこが食べたくなる。
和菓子は端正で美しく、おいしい。それから季節の訪れを告げてくれる一つのツールでもあるから、いつも人々の目を楽しませている。
しかし私はそんな和菓子にときどき退屈してしまう。単調で古めかしい。季節の表現も今とかけ離れすぎていて、いまひとつ親しみづらい。そんなときがあるのだ。
端正で美しい姿はそのままに、現代に寄り添った和菓子を作れないだろうか。それが「エクストリームワガシ」である。和菓子の新しさに挑戦するから「エクストリーム」つまり「極端な」、「過激な」という派手な意味を持った言葉を用いた。6月の発表では和菓子が親しみづらいことに焦点を当て、「音」をモチーフにした。それは和菓子の題材にあまりなっていなかったが人々に最も身近であるもののひとつだからだ。
今回は「春夏秋冬」、それぞれの季節をモチーフとする。それは今までの伝統的な造りをただ踏襲するのではなく、エクストリームワガシの名を冠しているから、現代的かつ革新的な和菓子になることを目指した。
ただ桜の花びらになぞらえて作るのではなく、今の花見の光景―薄紅に色づいた桜と地面に敷かれたブルーシート、この二色のコントラストで春を表しても悪くない。夏は金魚が浮かぶ錦玉羹も涼しげでよいが、夕方にザァっと降ってさっと引いてしまうゲリラ豪雨の羊羹を作ってみても私たちには身近でより夏を感じられるかもしれない。もちろん革新的なのは形だけではなく味や食感にも工夫を凝らした。
私は研究を始めるまでほとんど和菓子に関心がなかった。研究を進めていくうちにさまざまな和菓子に出会い、良さを知った。エクストリームワガシは一年半前の私同様に和菓子に興味がない人におくる和菓子の入り口である。世界はたくさんのおかしにあふれている。洋菓子、中華菓子、さまざまあるが、その中でもふと「和菓子っていいな」と思う人を増やしたい。
玉食 / ─感じ取る贅沢展─
【15.五感で楽しむ・五感で味わう】
母がつくるごはん。あるところでは家事、またあるところではおふくろの味なんて呼ばれるあのごはん。私を作り上げたのはあのごはんと言っても過言ではないくらい、長年共に暮らしている。
そんな私にとっての暮らしの一部を、贅沢だなんていう友人。仮にそれが贅沢だとしたら、私は毎日贅沢していることになってしまう。贅沢って、時々奮発しちゃうとか、いつもより良いお肉を食べちゃうとか、普段できないことをたまにすることだと思っていた。友人の言いたいことがわからないわけではないが、なんだか腑に落ちない気分だった。
私にとっての贅沢は誰かにとって普通なのかもしれないし、誰かにとっての贅沢は私にとって普通なのかもしれない。きっと贅沢というものは、人それぞれのものなのだろう。自分だけの贅沢。悪くない。しかし、皆が同じように感じられる贅沢はあるだろうか。個人がそれぞれ感じる贅沢と共に、皆が同じように感じられる贅沢があったていい。この些細な思いが、テーマとなる「玉食」を生み出すきっかけとなった。
ここできっと、大半の人が疑問に思うだろう。贅沢からなぜ玉食と。
人は贅沢をしている際、自然と心地よさを得ているのではないだろうか。感情にすると、美味しいだったり、幸せ、あるいは、美しい、綺麗だったり。少なくとも負の状況下にはいない。たとえ、どんなに高級料理を食べていたって、食べている本人がいい気分でないと贅沢をしているように思えないだろう。贅沢には、心地よさが必要不可欠なのである。そこで、人に心地よさをもたらす形、丸(玉)をモチーフとし、玉食を作成する。
心地よさを与えることのできる丸の効果を利用し、玉食を生み出すことで、皆が同じように感じられる新しい贅沢を提案する。決して、玉食を見たから、食べたからといって、それが贅沢だと言いたいわけではない。玉食から、心地よさを感じ取ってもらうことが目的である。心地よさを感じ取ることこそが、私が提案する皆が同じように感じられる新しい贅沢なのだ。玉で彩る世界、さあ贅沢展へようこそ。
みんなでレッツビビジャ!
【2.世界の食 / 14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード】
『今日新大久保で何食べるー?』「うーん、チヂミ、サムギョプサル、ビビンバ、トッポギ、クッパ、サムゲタン、うーん、何にしようか〜」
本場韓国では、そんなピビンバを「これでもかー!」という程よく混ぜて食べるのである。混ぜ方が甘いと食堂のオンマ(お母さん)がスプーンを取り上げ「こうやって食べるのよ」と言わんばかりに、よく混ぜてくれる。そんなお世話焼きな面も韓国ならではだと思う。
他にも混ぜる料理は、多く存在する。例えば、日本の焼肉屋さんでも、よく見かけるクッパ。韓国では『
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(ククパプ)』と表記される。『
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(クク:汁)』『ご飯(パプ:ご飯)』という意味になる。では、日本の雑炊と何が違うのだろうか。雑炊は、ご飯をスープの中に入れて煮込み、台所で完成した状態で運ばれてくる。一方、韓国のクッパは、地域によってスープにご飯が元々入っている状態で提供されることもあるが、スープとご飯が別々で出てきたものを自分で混ぜて食べることが多い。クッパは、日本でいう『ねこまんま』そのものである。しかし、日本でねこまんまは行儀が悪いなど、一般的にはあまり良くないイメージが多い。しかし、韓国では『混ぜる』という文化が根強くあるため、それらに対し、行儀が悪いなどのイメージは、全くないのである。他にも、日本で『器は持って食べる』という習慣があるが、反対に韓国ではそれがタブーとされている。
似ているようで似ていない。知れば知るほど、違いがある日本と韓国。そこで、それらの『混ぜる』という内容を中心に韓国式すごろく『
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(ユンノリ)』を作成した。ユンノリとは、4本の『ユッ』という木の棒を使って行われる日本のすごろくに良く似たゲームだ。ユンノリには、韓国の食べ物についての内容が中心となっているが、その他にも、韓国の食文化、韓国の人々、韓国現地について、これまでの自分の経験を元に作成した。また、それらの内容をより詳しく記載したユンノリ付属の別冊子を作成した。『混ぜる』を中心に企画を行い、様々な面での韓国を知る。また、今まで知らなかった新たな韓国料理との遭遇もあるかもしれない。
『今日新大久保で何食べるー?』「うーん、スンデクッとマンドゥがいいな!」
食×アニメーション
【5.情報発信と表現 / 14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード】
私はアニメーションを見ている時にどうしようもなく食欲をそそられた経験が何度もあります。現実にはないものでも食べてみたいと思ったり、どんな味なのだろうと想像するだけでたちまちお腹が空いてきます。
アニメーションで表現できることのほんの一例として、あり得ない大きさのパンケーキや、架空の食材で作られた料理、自然には存在しない色の食物等が思い浮かびます。現実では難しいことでもアニメーションの中でなら、どんな色や形の食材でも、味を想像させることも、美味しそうに食べる表情も、どこまでも自由に表現ができるのだと思いました。
また現実との比較をし、現実で起こる食品の動きの面白さにも注目してみました。バターが溶ける、ミキサーの中身、クレープの生地を広げる、たい焼きにあんこを詰める等日常生活の中やお店に足を運んだ時に目にしたものをずっと見ていたいと思うことはないでしょうか。さっきまで全然お腹が空いていなかったのに見ていたら急にお腹が空いてきた、買うつもりはなかったのに買ってしまったなんてこともあると思います。こうした生活の中にも食欲をそそられる場面がよくあると改めて実感しました。
アニメーションと現実の良いところを融合させ想像を広げていくと、雲がわたあめだったら良いのにとか、フルーツジュースが綺麗な虹色だったら素敵なのにという夢のような話を考えたこともあると思います。そんなことから、「食欲をそそる」「ずっと見ていたくなる」美味しくて楽しくなるアニメーションを作成しようと考えました。
6月の発表では「食品ロス」を題材にし、より多くの人に食品ロスについて考えてもらうきっかけ作りを目標としてアニメーションを作成しました。食品ロスという題材は複雑で解決に時間を要することもあり、まずはより多くの人に問題意識をもってもらうことが何よりも大切だと考えました。12月は楽しいと食欲を合わせて、見ていて楽しくなる、お腹が空いてきて何を食べようか考えたくなるようなものをお届けします。
おいしいひと
【13.料理を伝えるカタチ / 16.食とエピソード】
料理はたまにするけれど、外食が多かったし母や叔母の味が身に染みていて、私は自分の作った料理をおいしいとなかなか思えない。
私は、料理を作るとき自分の食経験を思い出しながらすることが多い。だから、まずは自分自身が、なにをよしとするかが分からなくては、食べたこともない、おいしいと思ったことがない料理を作ってみても、正解がわからない。しかし、そもそもこの正解は誰が決めるのだろうか。友人においしいよといわれたお店に食べに行っても、そう思わない時だってあるし、私がおいしくても他のひとにとってはそうではないかもしれないのだ。そこで、まず私が作る料理を、私自身がおいしいと思うようになるために、何を食べても心からおいしいと思えるアルバイト先のマスターの料理に視点を置くことにした。
マスターが作る料理は、すべての食材の味がきちんと分かる。すべてのバランスがとても分かりやすいほどに良くて、なんとも優しい味だ。どの料理も何回も何回も改善されていて、年々おいしさが増しているようにも思える。一番近くでこの様子を見ているから、お客さんがマスターの料理をわざわざ食べに来たくなるのも納得である。
アルバイト中も、料理の話が絶えない。幅広く食材のことを知っていて、深く料理のことを研究している。例えば、料理に砂糖はほとんど使わない。味が甘くなってしまって使わないようにしているというわけではなく、必要がないから使わない。たまに賄いで作ってくれる肉じゃがなんかが良いお手本で、カツオだしに切った玉ねぎと豚肉をコトコト煮て、二つの味がにじみ出たところにじゃがいもを入れ、醤油だけで味付けをする。食材の甘味がぐっと引き立つし、しつこくないからペロッと食べられる。これは本当に目から鱗で、どのレシピを見ても砂糖やみりんが入ってて、それを疑いもせずに皆は作っている。そのようなことから、私は調味料の必要性も考えるようになった。これは、マスターの考え方に対する一つの例に過ぎない。
今回の発表では、マスター自身に注目してどのような考えで料理を作ったのかなどを再びZINEにした。
おもしろくておいしい / ─ニセモノだからこそできる形─
【1.日本の食 / 5.情報発信と表現】
いつも見ている食べ物。その日、その日で多少形は違うものの、根本は変わらない。
そのような食べ物の根本的な部分が形となっている食品サンプル。パッと見て「リアル」、「おいしそう」と思うだろう。たくさんの食品サンプルが並んでいる中ではリアルに見え、今何を食べたいのかを選択する。しかし、実際に料理が目の前に運ばれて来たとき、違和感を覚えたことはないだろうか。焼き加減、色味、大きさ少し違う。日常で食品サンプルを見ていてそう思うようになった。ショーケースに入っているサンプルに個体差はなく、すべてが均一なのだ。きっと私たちがリアルだと思っているものの中には、おいしそうに見えるフィルターがかかっており、リアルすぎるものは返っておいしそうには見えないのかもしれない。
近年では、食品サンプルを置かないお店も増えている。写真や映像での細かな表現が可能となり、食品サンプルより様々な情報を発信するツールが増えたこと、価格の高さなどが理由として挙げられるだろう。
食品サンプルの在り方は、サイズ感、量、何が入っているのかというのが一目見てわかるところにあると思う。
また、現在ではショーケースに入って展示されているもの以外にアクセサリーやマグネット、キーホルダーなど使えるもの、身に付けられるもの、外国人観光客のお土産としての需要がある。しかし、それらも一見リアルに見えるが、食べ物のおいしそうな綺麗な瞬間が形になっているものばかりに感じる。
もっと普段私たちが作る綺麗さだけでない、焦げや、少し形がいびつな食品サンプルがあっても面白い、リアルすぎて返ってリアルに見えない食品サンプルがあってもいいのではないか。また食品サンプルの本物ではないからこそできるシチュエーション、形があり、見る、使う以外に新たな食べ物の表現が可能になるのではないか。
レストラン、カフェでの食品サンプルとしての機能が低下しつつある今、食品サンプルのリアルさ、自由自在に形作ることができるという特徴を最大限に生かし、本物の食べ物ではできない、食べ物の新たな形をサンプルで再現した。
想像から生まれる食べ物の形や、現実ではありえない色味の食べ物を見て、普段とは違う新たな視点を感じて欲しい。
純喫茶だからまあいいか
【14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード】
今は多くのカフェや喫茶店があり、店を探すことに苦労しない時代だ。駅の中にもカフェがあり、少し休憩するためなどに多くの人が利用する。
そんな選択肢の多い時代で、あえて純喫茶を選んで行く人もいる。純喫茶に関する雑誌や本を探すことなど簡単で、それを頼りに純喫茶巡りをする人も多くいる。
そもそも純喫茶とはどういうものか。純喫茶という言葉は、大正から昭和初期頃にかけて使われ始めた。特殊喫茶と区別をするために生まれた言葉で、純粋にコーヒーと軽食を提供する喫茶店という意味だ。しかし、現代での使われ方は少し曖昧で、昭和からやっている古い喫茶店という解釈がほとんどだ。
そんな解釈とは別に人々は純喫茶にどんなイメージを持っているのだろう。「純喫茶がすきだ」と私が言うと、純喫茶へ行ったことのない友人に「へえすごいね、おしゃれだね」「純喫茶に行ってもなにをしたらいいか分からないよ」と、言われたりする。しかし純喫茶へ行ったことのある友人に話しをすると、「あの古い感じがいいよね」「おじいちゃんがかわいいよね」などと言われる。
人が純喫茶に行く理由は様々なように思う。おいしいホットケーキを食べるため。マスターとお話をするため。空いた時間を潰すため。また、純喫茶での過ごし方も人それぞれで、それでよいのだ。あの空間では何をしていても許されるのだ。
純喫茶には純喫茶の空気が流れている。扉をあけてしまえば、外とは違う、今なのに今ではない空気感がある。あの扉を開ける瞬間がクセになってたまらない。一度ハマったら抜け出せないなにかが、純喫茶にはある。
メニューがボロボロで読みづらくても、マスターがカウンターでつっぷしていても、レトルトのカレーが出てきてしまっても、「純喫茶だからまあいいか」と、なってしまう。むしろそれこそ純喫茶らしいと思ってしまう。この純喫茶だから許せてしまうものはなんなのだろう。
この、行ってみないとわからない「純喫茶だからまあいいか」を集めたZINEを作成した。ホットケーキを食べたりクリームソーダを飲んだりするだけが純喫茶じゃない。そこで起きる「まあいいか」ごと全て味わってもらいたい。
美味しさを読む / ─グルメ雑誌から読み取るオノマトペ─
【13.料理を伝えるカタチ / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
「昨日食べた○○は、○○だったからすごく美味しかったんだ。」
こんな風に食べ物について語る場面は、食が大好きな栄大生なら特に、日常生活の中で頻繁にあるだろう。
自分自身、説明力不足で食べた時の感動をうまく伝えられず、もどかしさを感じることが多々ある。この中にもそのような人も少なからずいるのではないだろうか。何がどのように美味しかったのか、なぜ好きなのか、どこが苦手なのかと言った会話の中では、どれだけ具体的にその食べ物を表現し、聞いている人に自分の感じた食感や味を理解してもらえるかが重要であり、共有できたときには喜びを感じる。
今回はその表現方法として、オノマトペに注目した。子供の教育や食育としても用いられているオノマトペは、多くの人が小さい頃から慣れ親しんだものであり、伝わりやすく身近である。そしてオノマトペは、食感の表現に非常に多く用いられている。
ふわとろ、シャキシャキ、ほくほく、などオノマトペを言うだけで、料理や食材がイメージできてしまうと言っても過言ではない。特に日本語は多言語に比べて食感のオノマトペが445語と非常に数が多い。少し文字を変えるだけで詳細に表現を分けることができる日本語のオノマトペに、強く関心を抱いた。
オノマトペを調査する手段として、私はグルメ雑誌を用いた。グルメ記事からオノマトペを収集し、分類してどのような場面でどんなオノマトペが利用されているのかを分析する。グルメ雑誌から見つけたものを「1.食べ物を五感で感じるときのオノマトペ」、「2.食品の食べ方に関するオノマトペ」「3.料理場面のオノマトペ」の3つに分けて考えた。また、ターゲットの読者の年齢層と使用されるオノマトペの関係性についても考える。類似の料理の特集の中でもそれぞれ違うものが用いられていたり、普段使わないような特異なオノマトペで面白い表現をしていたりと、新たな発見が多くあった。
このように収集して分析したオノマトペを用いて、オリジナルのグルメ記事にして表現する。
スイカに塩はふりたくない / ─作・演出・出演 一人─
【14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード / 18.人間・生活・環境】
私が演劇と出会ったのはいつだっただろう。保育園のお遊戯会か、小学校の学芸会か、中学校の文化発表会か、高校の演劇部か、大学生で入った劇団か。私の人生はずっと演劇の舞台に憧れ続けてきました。
しかし、世間一般には演劇を観賞する人口は増えていません。時間が合わない、チケット代が高い、そもそも面白いのかわからない。忙しい現代人には手を出しにくい文化です。
「発表会って、演劇ができるのではないか」そう思ったのはゼミ選択をする時期の少し前だったように思います。どうせなら演劇をやっている自分にしかできないことがしたい。なんてったって卒業研究。これは自分の存在証明であり、私なりの演劇への恩返しなのです。そう思って一人芝居を作ることに決めました。決めたはいいものの、何の話をしましょうか。ここは食文化栄養学実習発表会というステージ。やるからには食の話をするしかありません。何かを舞台上で食べる、おいしそうにごはんの話をする、誰でも思いつくこの2パターンはどうしても避けたいと思いました。
そうしてできたものが前期の『ピーマンを肉に詰めたい』でした。自分のトラウマや演劇経験を、嫌いなピーマンに肉を詰めて克服していることに例えたお話。演劇によって救われるまでの自分語りです。お客さんに話しかける形の演出で自分の心境の変化を表現しました。
そんな私の後期の発表は、「スイカに塩をふりたくない」人の話です。スイカと塩と、ふりたくない人と、その家族の、他愛のない話。食べ物から思い出す家族の一面。ちょっと見つめなおす自分のこと。
スイカにはふりたくないくせに、家族という当たり前で特別な存在には塩をかけてしまう。そんな人に見ていただきたいです。もしかしたら、これも私の自分語りかもしれませんね。
前回ともまた一味違う発表になっております。ご来場お待ちしております。
4歳児サキはたべるより遊びたい
【12.食育 / 16.食とエピソード】
去年の2018年夏ごろ、私は母と4歳の妹・サキと3人で、ファミリーレストランに行った。一人暮らしの私にとって、2人と食事をするのは久しぶり。なにより驚いたのは、何でも嬉しそうにパクパクご飯を食べる、サキの姿だった。
なぜなら、4歳くらいの子どもは、好き嫌いが多くて好きな食べ物しか食べない、最後まで座ってご飯を食べられない、食べ物で遊んでしまう、というイメージがあったからだ。しかし母に、「サキはなんでも食べてて偉いね」と言うと、「今日は特別。外食だし、あんな(私の名前)がいるから。いつもは2時間くらいかけて食べるよ」と、答えた。2時間?!と驚くと、「毎日怒ってる。でもちゃんと食べ切ってほしいから、ほうっておくこともある」と、苦笑した。
この会話から、本テーマは始まった。私の妹・4歳児サキは、だらだら食べをする。レタスをゆっくりすするように食べたり、口に入れたものをなかなか飲み込まなかったり。パンやお菓子はすぐに食べ終わるが、朝昼晩の食事となると、なかなかスムーズに完食してくれないことがある。はたからみると、子供だから仕方ないと思える行為でも、ほぼ毎食一緒に過ごす母は、「せっかく作ったのに」「早く片付けたのに」と、イライラする。
一方で育児情報サイトを見ると、世の中では、だらだら食べを解決するには、時間になったらご飯を取り上げてしまうことが一般的らしい。だがこれは、「きちんと栄養を摂ってほしい」「出されたものを食べ切る癖をつけてほしい」という思いを持つ母にとって、あまり良い解決方法とは言えない。
そこで、そんな母の希望も叶えつつ、4歳児サキが進んで食べられるよう、遊びを取り入れた食べ方「遊んでたべる」を提案することにした。子供は遊ぶことが好き。食事に遊びを取り入れれば、夢中になってご飯を食べてくれると考えた。
前回の発表では、サキが楽しくご飯を食べられる3つの「遊んでたべる」を考えたが、それにより調理や食事の時間が長くなるという課題が残った。これを踏まえ今回は、母の負担の少ない、よりシンプルで簡単なものを考えた。
この発表を通して、育児が自由であっていいことを少しでも感じてもらえればと思う。
藤倉 純子ゼミ
日本の食事マナーを伝える / ミニチュアを使用したコマ撮り動画を活用して
【1.日本の食 / 5.情報発信と表現 / 16.食とエピソード】
◆目的◆
2020年、東京で第32回夏季オリンピックが開催される。オリンピックは世界的な行事であり、海外からの日本への観光客が増えることはもちろん、日本そのものへの注目も高まる。
日本に注目が集まるこの時期に日本の文化に興味を持ってくれた世界の方々へ、日本独特の食のマナーや作法を伝える為、コマ撮り動画制作をしTwitterとInstagramに投稿する事にした。
◆制作方法◆
世界中の人に親しみを持って、言語の垣根を越えて閲覧してもらうためにミニチュアを用いたコマ撮り動画の制作をした。動画にしたときにスムーズに動くようにピントが固定できるカメラアプリであるM CAMERAを使用して撮影し、写真同士を繋げて動画にするPerfect Videoで編集を行った。また、動画にBGMを付けるためにSpliceを使用した。
◆実習の内容◆
お箸のマナーや茶道具の使用方法を動画にした。試作段階では世界中の人々が理解できるように動画内に文字や言葉は使用しないで動画制作を行っていたが第一回の発表会では、少し文字があったほうがわかりやすのではない、かという評価だった。検討した結果、わかりにくい動きをしている動画内には擬音語や効果音を簡単な英語で注釈することにした。
改良後の動画の評価を得るために、アンケートを実施した。回答数は140名であった。「内容が伝わったか」は57%、「動画の内容は海外の人に伝わると思うか」は54%とどちらも約半数の人から伝わった、伝わると思うという回答だった。「普段から箸を使っている人には伝わるがそうでない人には難しいと思う」というコメントが複数あった。
日常的に箸を使用していない人にも伝わるように手の実写動画を箸で流すなどの改善が必要であると考えた。またTwitterとInstagramに投稿した動画の閲覧数を増やす工夫も必要である。
松田 康子ゼミ
Cafe Forest / 米粉を使ったもちもちおしゃれシフォン
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
Cafe Forest(カフェ フォレスト)では、シフォンケーキをメインとしたカフェの運営を月に1回行っています。まるで自然の中にいるかのような落ち着けるカフェを目指しています。
内装やメニュー名から森を感じられるようなカフェとなっております。Cafe Forestのシフォンケーキはベーキングパウダーを使わないのが特徴です。
【テーマ】
ゼミ生一人一人がテーマを持ち、それぞれメニューを考案しています。私は「米粉を使ったもちもちおしゃれシフォン」をテーマにメニューを考案してきました。このテーマにした理由は、私が小学生の時に地元にあるケーキ屋さんで食べた、米粉を使ったロールケーキの「米粉ロール」があまりに美味しく感動したため、私も米粉を使った感動するほどおいしいシフォンケーキを作ってみたいと思い、このテーマにしました。私が作った米粉のシフォンケーキでみんなが美味しいと感じて幸せになってもらえたら、嬉しいと考えています。また、米粉を使うことで、小麦粉で作ったシフォンケーキとは違った、もちもちとした食感を楽しんで頂けることと、小麦アレルギーの方でも食べられるシフォンケーキを作ることを目的としました。
【これまで考えたシフォン】
12月:クリスマスショコラ
ショコラシフォンとベリーの酸味がいい相性になっていました。このシフォンは個人テーマが決まっていない段階だったため、小麦を使ったシフォンケーキです。
4月:もちもちさくらシフォン〜うさぎさんの春休み〜
シフォンと同様、クリームにもさくらリキュールを加えることで桜をより感じられるシフォンとなっております。
5月:うさぎさんのもちもちブリュレシフォン
もちもちとしたシフォンとパリパリのブリュレの2種類の食感が楽しめます。
今回の発表でも引き続き、米粉を使ったシフォンケーキについて発表します。今回は、「7月のはちみつレモンシフォン」、「10月のブラックココアシフォン」などのレシピやポイント、盛り付けの工夫についてご紹介していきます。前回よりも更に工夫した点や難しかった点などを発表します。
Cafe Forest / 季節の果物シフォン
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
Cafe Forestとは森、森林をイメージして名付け、来ていただいたお客様に落ち着いて食べれるような空間にしています。月1回、ゼミ生一人一人がテーマを持ち考案しています。
私は、「季節の果物シフォンケーキ」をテーマに考案してきました。このテーマにした理由は、ケーキ屋さんなどに行った時、季節の果物のケーキがあると買ってしまうほど好きだからです。季節の果物を使ったケーキは種類が少ない為、自分で考えたメニューをたくさんの人に美味しいと思ってもらえるように試作を行ってきました。
果物を使用したシフォンケーキは生のものを使うので同じ時間焼いても、水分が多く生地が生焼けになってしまうことが多く、成功するために何度も試作を行いました。お客様の立場になって考えてみたり、ゼミ生や松田先生などからアドバイスをもらったりしてメニューを考案してきました。また、メニューだけでなく季節を内装からも感じられるように春は桜を飾る等の工夫をしました。
第二回の発表では7月,9月のオープンキャンパスの内容と6月,10月の営業について紹介します。7,9月のオープンキャンパスでは、普段の営業時に来るお客様の人数より大幅に増加する見込みがあったため、半セルフサービス形式で営業を行いました。半セルフサービス形式で営業を行なって良かった点は、お客様が集中して来店するピーク時も滞りなく営業を行えました。お客様の声でトッピングを自分たちで行いたいとあったので、多くのお客様にご満足いただきました。また、悪かった点は、お客様の来店が少ない時間帯に、呼び込みができていなかったなどの反省点がありました。
6,10月の営業では試作、営業して工夫した点や反省点を紹介します。個人テーマである季節の果物を使ったシフォンケーキを作る工夫や見映えのよい盛り付け方について発表します。
Cafe Forest / シフォンケーキの魅せ方
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
■はじめに
Cafe Forestでは月に1回、シフォンケーキをメインに提供、営業しています。森がテーマの空間、内装づくりをしています。
前期は3号館実習室で、それぞれ盛り付け、ランチプレート、季節に合ったシフォンなどを試作し、提供しました。また、7月と9月のオープンキャンパスにも営業し、ペーパーに包んでワンハンドで食べられるようにしました。シフォンケーキに自由にトッピングして頂けるように、提供の際は生クリームだけ挟み、お客様が好きなシフォンケーキに仕上げられるよう工夫をしました。
■シフォンケーキの魅せ方
私は3年次の学園内留学で、様々なお菓子の盛り付けを学びました。専門学生の時にゼミのテーマは何にしようか悩み、製菓専門学校でのデセールという盛り付けの授業が思い浮かびました。プレートの盛り付けをしていると、あれこれとやりたい盛り付けがどんどん浮かび、その時の時間がとても楽しく感じた時間だったため、私のテーマは盛り付けによるシフォンケーキの魅せ方に決めました。私はプレート上での表現は無限だと考えます。どのように盛り付けるかによって、そのシフォンケーキの見え方が変わります。これまで写真に撮りたくなるような、かわいいシフォンプレートを目指して試作を重ねてきました。今まで作ってきたシフォンケーキは次の通りです。
7月 マンゴーシフォン:ドライマンゴーを入れることによって、マンゴーを強く感じられるようにしました。涼しさを表現したかったのでお皿は透明に、その上にゼリーを盛り付けることできらきらとした宝石のような初夏の海を表しました。
10月 スイートポテトシフォン:ハロウィンらしさを表現するため、紫芋でシフォンケーキを作りました。黒いお皿を使用してダークさを出し、食べた時に楽しめるようにちょっとしたいたずらもしました。
■発表で話すこと
前期では、シフォンケーキをお客様に提供するまでの工程や営業した中で、改善点がありました。前期を踏まえて、後期ではどのように改善したのかを発表します。また、7月、10月、11月のシフォンケーキやプレートの特徴を説明し、プレート上で表現出来る可能性についても発表します。
Cafe Forest / 香りを活かしたシフォンケーキのレシピ提案
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
【はじめに】
Cafe Forestでは、月に1回3号館にてシフォンケーキをメインとしたカフェを運営しています。森や自然の中にあるカフェをコンセプトとし、日常から少し離れた非日常の空間をイメージしています。
内装には自然を感じられる花や葉を多く取り入れ、お客様にとって居心地の良い、リラックスできる空間作りをしています。
私はハーブやスパイス、茶葉を使用して香りを活かしたシフォンケーキを研究しています。香りには、癒しの効果があると言われています。それをスイーツにも応用できないかと考え、味や見た目を楽しむだけでなく、良い香りも感じてもらうことで、気持ちが豊かになるようなシフォンケーキの提案を考えてきました。
【提案したシフォン】
7月はチョコミントシフォンを提供しました。生地にミントリキュール、チョコチップを加え、ミントのさわやかな香りと色合いを表現しました。トッピングにはミントリキュールを加えた生クリームとココアクッキーを使用し、涼しげな色合いに仕上げ、また、ざくざくとした食感も楽しめるように工夫しました。
10月はアップルジンジャーシフォンを提供しました。生地にリンゴジャム、リンゴジュース、生姜のはちみつ漬け、シナモンを加えました。複数の食材を使っていても、バランスの取れた香り、味になるよう配合を工夫しました。生姜の風味を主張させるため、トッピングには生姜のはちみつ漬けを使用したアイシングをかけました。また、真っ赤な色が特徴のりんご、秋映をシャキシャキとした食感の残るコンポートにして盛り付けました。
【香りを活かす】
香りを活かすシフォンでは、香りのバランスを取ることや、盛り付けを考えることに苦労しました。表現したい香りが、他の材料や主材料である卵の香りに負けないように調製すること、強すぎず、万人受けする香りになるよう調製することを意識しました。また、シフォンだけでなく、プレート全体で1つの味を表現しようと考え、トッピングには香りの要素を追加するものや食感に変化をつけるものを取り入れました。
発表会では試作の流れ、今回のレシピ、営業を通して学んだことなどを発表します。
Cafe Forest / 調理師が作るシフォンプレート
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
○Cafe Forest
Cafe Forestでは森や自然をテーマに落ちつく空間を作り出しています。松田ゼミでは月に1回のペースで、3号館キッチンラボにてシフォンケーキをメインとしたカフェを運営しています。
各個人で決めたテーマに沿って、メニュー提案して、試作・販売・提供まで行います。
私は3年次に学園内留学制度で調理師専門学校に通い、調理について多くを勉強してきました。そこでの経験を生かしたメニューを考案して提供したいと考えました。前期には、ランチメニューの提供を行いました。後期は別の取り組みをしたいと考えてデザートとしてのプレートを研究しました。
○前期:ランチプレート
前期はデザートとしてのシフォンケーキをランチとして食事として食べるプレートにして、今までにはない面白いメニューを考えることにしました。4、5、6月に提供したシフォンケーキは、甘さ控えめで塩味のシフォンサレにし、このサレを活かしたランチプレートのメニュー提案を行いました。各月それぞれシフォンサレの味だけでなく、食べ方も変えて提供しました。
○後期:デザートプレート
後期はシフォンケーキの食材の幅を広げる研究に取り組むことにしました。先ずは、秋が旬と言われているナッツをベースにしたシフォンケーキを考えました。前期のランチプレートと、デザートプレートでのメニュー提案の考え方の違いや、ナッツをシフォンケーキにすることで出てくる課題などを発表します。
○まとめ
前期と後期でテーマを変えてメニュー提案を行い、考案するにあたって学ぶことがそれぞれ異なりました。それをどのように改善していくのかを考えることがとても面白く、また、お客様からのアンケートでいただくコメントで自分では気づくことができなかったことを発見することもありました。今回は6月、10月、11月に提供したプレートについてと、4月からのまとめとしてカフェの営業やメニューの試作を繰り返して改善した点やこだわった点、気づいた点などを発表します。
宮内 正ゼミ
カフェを通じた新しい自分の居場所 / 〜従業員と友人のような関係〜新しい接客
【7.お店の企画・運営 / 14.食と空間・食シーン / 18.人間・生活・環境】
カフェを利用する際、そこに自分の居場所はありますか?居場所とは、学校・バイト先・サークルにあるような「自分らしくいられる場所」です。そこでは誰かに自分のことを話したり誰かの話を聞いたり、人と人との繋がりがありますよね。
カフェに行き食事したり勉強したり、目的があるのは当たり前です。そこに自分の居場所を見つけてみませんか?カフェは「サードプレイス」と言われている今日ですが、本当にそうでしょうか。学校やバイト先・サークルのように、カフェに自分の居場所があるという人は多くないと思います。しかしお客さんと従業員が友人のような関係になれば、日常の会話やちょっとした報告をすることが出来ます。そしてそのような関係性から、少しずつ自分の居場所を見つけることが出来るはずです。またそこから、新しいカフェの価値観が生まれるのではないでしょうか。
ではその為に必要なことは何でしょう。従業員の接客の仕方・接客されるお客さんの態度…。様々な要因が関係してきます。従来のカフェでは、感情労働やマニュアルを使った誰もが平等に働ける環境があります。しかしそれでは1人の人間として働き、人と繋がるのは難しいはずです。感情を押し殺して接客したり誰もが出来ること同じようにやっていても、“自分”である意味が無くなってしまいます。自分にしか出来ないことをすることで、お客さんから求められ繋がりが出来るはずです。一方でお客さんの立場から見てみても、「お客様は神様」と従業員との優劣をつける人では繋がりを持つことは難しいでしょう。上下関係をつけると、日常の会話やちょっとした報告も出来ませんよね。学校における友人関係と同じことが言えると思います。お客さんだから・お金を払っているから偉い訳ではありません。このようにカフェで自分の居場所を作ることは、従業員だけでもお客さんだけでも成り立ちません。カフェで自分の居場所を作るにはどうすれば良いか、様々な視点から考察しまとめていきたいと思います。
なぜ人はカフェに行くのか
【14.食と空間・食シーン / 18.人間・生活・環境】
皆さんはカフェを利用しますか? また、どんな時に利用しますか? 現在はコンビニで飲める100円コーヒーや自動販売機で売られている缶コーヒーの種類も多くなり安くて手軽に飲める美味しいコーヒーがたくさんあります。
そんな中、カフェは増えています。なぜでしょうか。単純にコーヒーが飲みたいと思ったときには安くておいしいコーヒーであればコンビニや缶コーヒーを買うと思います。しかし、コーヒーが嫌い・飲めないという人も少なくないと思います。コーヒーを飲みたいからカフェに行くという理由だけではなく、カフェに魅力を感じて利用する人が多いためカフェは増えていると思います。その「カフェの魅力」はどこにあり、またカフェには何が求められているのでしょうか。
前期ではカフェチェーン店に注目し、フルサービスとセルフサービスの2種類で比較しました。それぞれのカフェで比較項目を設定し違いについて考察した結果、客層や利用目的などで大きな違いがあるとわかりました。カフェチェーンの中でも大きな違いがあったためチェーンではないカフェとの差はどうなのか。「カフェ」と一括りにされていますが実際には意識しないうちに利用する側は選択しているのではないでしょうか。そもそも「カフェ」と意識せずに街中でふらっと入った飲食店が「カフェ」だったということもあるのではないだろうか…。カフェに行こうという目的の有無にかかわらず無意識に入っていることがあるほど「カフェ」は街にあふれています。それほど身近にあるカフェでも知らないことがたくさんあり、皆さん必ず一回は利用されていると思います。
今回はカフェの歴史を調査し今の私たちにとってカフェが当たり前の存在になった経緯を調べ、「カフェ」と「カフェチェーン」で比較していきます。また、カフェを利用している人の意見や前回調査して分かったことから「カフェ」に何を求めているのか、どういうカフェならみんなが行きたいと思うのかを考えていきます。そして「カフェの魅力」を明らかにしていきます。
「大人」になりたい私 / 多様化する大人たち
【5.情報発信と表現 / 16.食とエピソード】
あなたは「大人」という言葉聞いて何を思い浮かべる?
ふだん何気なく過ごしていて、「あの人、大人だな」と思う瞬間はないだろうか。
身の回りにたくさん大人はいるけれどその中でも「大人だな」と感じさせるには何か理由があるはずだ。私は幼いころから漠然と「大人」に憧れを抱いていた。しかし、年齢を重ねるにつれ、大人らしさとは何なのか疑問を持つようになった。20歳を超えれば年齢的には、「大人」だが、22歳になった今でも、憧れを抱いていたような「大人」にはなれていない。「大人らしさ」とは、どのようなところから生まれるのか。そんな疑問を抱いているときに見つけたのが、大人をターゲットにしたチョコレート菓子だった。「大人のきのこの山」のように商品名に「大人」とついているものもあれば、「大人の甘さ」や「大人のリッチチョコ」などとパッケージに記載してある商品もあった。ここでいう「大人」にはどのような意味が込められているのか。「大人」という言葉をつけ、従来のお菓子との差別化を図るお菓子たちには、「大人らしさ」のヒントが隠されているのではないかと考えた。
第1回の発表では、大人向け商品がいつごろ登場したのか、現在発売されている商品のパッケージからどのようなことが分かるのかについて発表した。その中で私が見つけた答えは、デザインや色合いに見られる「落ち着き」、材料や性質に感じられる「こだわり」、ちょっとした贅沢が味わえる「余裕」の3点だ。
第2回の発表では、商品のコンセプトや企業側の狙いを詳しく読み解くとともに、広告にも目を向け、これらの分析から明らかになった「大人らしさ」を発表する。大人と子供の狭間にいる私たちが「大人らしく」なるためにはどうすればいいのか。大人らしくなりたいと思う私が、少しでも「大人らしく」なれる手がかりを教えられたらと思う。
行事食の新しい顔 / 「買うもの」から「提供するもの」へ
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく / 13.料理を伝えるカタチ】
日本には古くから伝わる行事食が数多くあります。たとえば、お節料理や七草粥など、そのどれもが地域の伝統的な食文化に根差しています。
しかし、その行事食がいまやこれまでにはない様々な「新しい顔」をもつようになっています。第1回の発表では、「作るもの」から「買うもの」への変化を取り上げました。第2回の今回は、「買うもの」としての行事食のいくつかのパターン、さらには「提供するもの」としての行事食について考えます。
たとえば1月15日の小正月に家族の健康を願って食べる「小豆粥(あずきがゆ)」という行事食は、名前そのものは知られていても、実際に食べられているかどうかはそれぞれの地域によって大きな差があるようです。行事食とは本来、こうした地域的な違いがあるものですが、最近とかく話題になる「恵方巻」はこれとはずいぶん異なります。1980年代から1990年代にかけて、コンビニやスーパーなどの業界を中心に販売促進のためのキャンペーンによって、当初はおもに大阪で見られた食習慣が、一気に全国へと普及したのです。こうした全国への広がり方は、もともと欧米の行事であったクリスマス、ハロウィーン、バレンタインなどが、その食習慣とともに、日本に輸入され、核家族の年中行事として、カップルや若者のイベントとして、都市部の中間層、さらには全国各地へと広がっていった、その広がり方とよく似ています。販売促進キャンペーンに対応した行事食のあり方、「買うもの」としての行事食のひとつのあり方といえるでしょう。
もうひとつは、老人ホームなどの高齢者施設で「提供されるもの」としての行事食です。施設で生活する高齢者にとって、そこで提供される介護食のなかに行事食があることは、とかく単調になりがちな施設での食生活において、大きな楽しみであると言われています。本人が生まれ育った時代や地域の行事食に近いものであれば、なおさらのことであると思います。
以上の考察から、行事食はたんに古いものの価値を見直すためのものではなく、いまの時代を反映するかたちでつねに変化しているものであることがわかりました。
特別な瞬感。 / 特別感×感情=∞
【5.情報発信と表現 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう / 18.人間・生活・環境】
――――――――――――――「特別な瞬感。」――――――――――――――――
それは自分の大切な出来事、忘れたくない思い出が私たちに影響を与えてくれること。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
皆さんはそんな経験はないだろうか。おばあちゃんと一緒に人生で初めて作ったカレーの味。大切なペットとの忘れられない思い出。日常では味わうことのできない舞台での経験。大切で忘れたくないこの「特別な瞬感。」は日々の私たちにとって大切なことを思い出させてくれる。きっとどんなに辛い事が起きたって私たちを応援してくれる。私はこのような自分の大切な出来事、忘れたくない思い出が自分のライフヒストリーにおいてとても大切であり、自分らしさを見つけるヒントになってくれると感じている。
前回の発表では、自身の経験を元に果たしてこの「特別な瞬感。」はどういったものなのかを研究した。そして、今回の発表では、その中でも「みんなと同じように感じるみんなと同じ特別な瞬感。」について掘り下げてみる。みんなが行くようなインスタ映えスポットに行くこと、今話題のパンケーキを食べに行くこと。みんながしていることを自分もやってみることが本当の「特別な瞬感。」なのだろうか。
この「特別な瞬感。」はある物質によって、今変化しつつあるのではないだろうかと私は考えた。それは、私たちの手の中に握られている四角い箱。そう、スマホという情報の塊だ。情報とリアルの世界とは離れられない関係になっている今、より生活は豊かに多様化しつつある。しかし、それと反対に現代の社会で生きる私たちは自分らしさを見失いがちになっているのではないか。同じ服、同じ髪型、そして同じ「特別な瞬感。」を求めるのはなぜなのだろう。私なりの考えをまとめて発表していきたいと思う。
他のみんなと同じように感じる特別な瞬感。は果たして本当に特別なの???
広告の中の女性らしさ
【5.情報発信と表現 / 16.食とエピソード】
新しい商品を知るきっかけの一つでもある広告。そんな広告は、その時代の文化を映し出すと言われている。
中でもCMは短い映像の中でとある家庭の食卓のシーンを、今の自分には通り過ぎてしまった青春時代を、時にはきらびやかな世界など、手の届かない非現実の多種多様な舞台に描き出す。打ち出される商品を知るのはもちろん、映像自体そのものを一つの作品として見るのも楽しい。
そもそも広告の主な役割は社会に新たな価値を提示すること、社会の共同性を確認すること、資本主義社会における経済発展を促進して、人々の生活を豊かにするための不可欠な手段であること、望ましいライフスタイルを人々に伝えることである。広告は時代の文化を映し出す鏡であるだけでなく、社会と人間のかかわりを映し出す鏡でもある。
とはいえ、時にそんな広告の表現に嫌悪感を抱くこともある。官能的な表現は、どうにも受け入れられない。でもそれを現に映像にして電波に乗せて発信している以上、表現の一つとして好まれている(少なくとも、受け入れられている)らしい。
そこで疑問が湧いた。そもそもなぜ食品のCMなのに異様に女性の艶やかさが演出されているのだろうか。そこから食品のCMにおける女性の表現が気になりだした。その表現はいったい人々が求めている女性らしさなのだろうか。詰まるところ、女性らしさとはどのようなものか。それらに一貫したイメージがあるのか。そのイメージとはどのようなものか……。食は生きていくうえで必ず関わるものであり、広告の表現も普段の生活や価値観を反映しているのではないか、という考えをもとに女性らしさに関する研究を始めた。
6月の発表では、広告の役割と最近のCMに見られる女性らしさの表現について分析をした。表現の分析は、女性が起用されているCM4つの表情や行動パターンにはどのようなものがあるかを調べて、女性が演じている部分を男性に置き換えて見た時に違和感を覚えたら、その違和感こそが無意識に自明視する女性らしさを物語っているのではないかという視点から分析した。今回は、演じる役割からも分析して女性らしさをまとめていく。
笑いとは
【5.情報発信と表現 / 18.人間・生活・環境】
皆さんは最近いつどのようなことで笑いましたか。
令和になったこの世の中、笑ったことがない人、笑いを知らない人はまず誰もいないでしょう。
それほど“笑い”は世界共通の表情になっています。しかし、一言“笑い”と言っても様々な種類があります。例えば、友達とご飯を食べながらお喋りをしたとき、テレビやYouTubeで面白いコントを見たとき、好きな芸能人を見たとき、飼っている犬と戯れたとき、、、このような“笑い”はハッピーな良いイメージがあります。しかし、他人の失敗を知ったとき、自分が他人よりも優越感に浸っているとき、電車に間に合わなかった人をみたときなど人を見下したような、バカにしたような『嘲笑い(あざけりわらい)』も前者と同じ“笑い”の一種に入るのではないでしょうか。
では、良いイメージと悪いイメージを持つ(二極性を持つ)“笑い”は同じ一言で表現してよいものでしょうか。私たちは“笑い”がもつ正確な意味を知らないのではないでしょうか。
【カロリーゼロ理論から見る笑い】
前期の発表ではサンドウィッチマンのネタ「カロリーゼロ理論」についてアメトークとサントリーの烏龍茶CMでのサンドウィッチマン二人の感情を比較しました。「カロリーゼロ理論』は栄大生にとって、考えられない理論で世間の“笑い”を生みました。この“笑い”は誰も傷つくことのないハッピーな笑いです。前期のコメントを読ませてもらうと、食文化の学生には意外にも、面白いと思う人や、あり得ない理論だけど信じている と言った人が多かったです。
【二極性から見る笑い】
後期の発表は良いイメージと悪いイメージ“笑い”を主に普段の生活や作品の事例から見つけていきます。“笑い”が生まれる過程や背景を分析し、“笑い”とは何なのか、“笑い”の本質を見ていきたいと思います。
おいしそうと思わせる「魅せ方」 / 映画・ドラマの食シーン分析
【13.料理を伝えるカタチ / 14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード】
映画やドラマの食シーンを見て、「おいしそう」や「食べたいな」と思ったことはないだろうか。例えば、調理しているときの音やBGMなどの聴覚、綺麗に盛り付けされた料理を見たときの視覚によって食欲が刺激されるのか、その人の経験や記憶や知識から推測され想像されるのか。
前回の発表では、『かもめ食堂』と『めがね』の映画に出てくる食シーンを見比べ、調理をしているときの音や出演者の表情や反応、映像から伝わる匂いの3つに分類し、おいしそうと思わせる「魅せ方」やその理由を発表しました。料理において、盛り付け方やおしゃれな食器もおいしそうと思わせる理由の一つですが、出演者が調理することで、自分が調理しているかのような親近感も、おいしそうと思わせることができるとわかりました。
今回は、食と人の関係性について考察します。食と人には親密な関係にあります。例えば、口下手な人が普段言いたいことを言えない代わりに、料理という形で相手に気持ちを伝えることができます。このように食は、食べる人や見る人の精神状態に応じて「魅力」が大きく変わります。その逆で、食が感情に影響することもあるはずです。
どのような精神状態の時、どんな料理が、どのように目に映るのか。ただ単に、「おいしそう」や「食べたいな」だけではなく、料理は人にとって多様に映ります。
感情は言葉だけではなく、表情や仕草、声色にも表れます。料理を食べるときでも、料理を待っているときでもこれは当てはまります。どれだけ悲しいことがあったとしても、料理を一口食べて笑顔が戻ることもあります。食は人の感情に影響し、人の感情は食の見え方や感じ方に影響する。ドラマを通じて、この関係性にも今回の発表で触れていき、おいしさの表現をさらに追及していきたいと思います。
アイテムとしての食べ物
【5.情報発信と表現】
RPGをはじめとした大抵のゲームには「アイテム」がある。簡単に説明すると、何らかの方法で手に入れて、使うと即時に効果を発する物のことだ。
服や本、薬……あらゆる物がシステム上アイテムとして扱われ機械的に処理される。それは食べ物も例外でない。ただ消費するためだけに存在するそれは、ドラマチックなストーリーとは縁が薄い脇役だ。
本編と関わりがないとはいえ、食べ物を「美味しそうだ」と思ったり、「どんな味がするのか」と考えるのは楽しい。使ったらなくなってしまうのが何だかもったいなくて、結局使わず本来の役割を果たせないままゲーム終了。ゲームを楽しんでいるうちに、ストーリーやキャラクターが好きになるのと同時に、脇役であるはずのアイテムにも心惹かれてしまうのである。
アイテムとしての食べ物が持つ効果は一つではない。腹を満たしたり、時には力を与えたり、意外と多岐にわたるが、最もよく見かけるのは体力の回復である。即座に元気になるなんて、そんなのありえないと考える人もいるかもしれない。しかし、中途半端なリアリティは、ゲームが創作の世界である以上、かえって没入感を減殺しかねないし、システム的な面から見ても、アイテムはすぐ効果が出ないと意味がないため現実的ではない。
こうして「食べ物=回復」という考えはいまやゲームユーザーの中で当たり前のものになりかけている。近年スマートフォンゲームが人気であり、幅広い年代のプレイヤーがいる。そしてその人たちに向けて、新しいゲームがつねに誕生し続けている。ただ、新しいゲームといってもシステムや舞台設定など、どうしても似通った部分が出てしまう。そして似たものを見つけると「ああ、そういうものなんだ」と暗黙の了解のように当たり前のものとして受け入れてしまう。それが繰り返されるうちに、現在のゲームでは、さほど考えなくてもその世界観が理解され、食べ物は回復アイテムである、という考えが無意識に受け入れられているように思われる。
食べ物によって回復するとはどういうことなのか、アイテムとしての食べ物がどういうものなのか、ゲームとはあくまで創作のファンタジー世界であることを前提にしながら、その正体を探りたい。
ケチャップの世界 / 中華料理から洋食まで
【1.日本の食 / 10.食材の可能性】
あなたの回りに生のトマトは苦手だけどトマトケチャップなら食べられると言う方いませんか? ひょっとするとあなたはどうですか。
トマトに苦手意識を持っている人のほとんどは、皮が残る感じ、種の周囲のゼリー状の部分が苦手だと言います。私も、トマトの加工品ですが、トマトジュースが喉をさらっと流れていく感じと酸味が苦手です。
ケチャップにはさまざまな種類のものがあり、濃度の濃さや味の濃淡、酸味と甘味の強弱、色の濃淡、ご当地のトマトを使ったこだわりのもの、調味料として脇役になりがちなところを主役にしたものまでたくさんあります。また、ケチャップは家庭でも味を調整して作ることができるのも良い点だと思います。
前回はケチャップの歴史や栄養面などを紹介したので、今回はケチャップが、トマトそのものと比べると、それほど苦手意識をもたれていないのはなぜか、について考察したいと思います。
第一の理由として考えられるのは、明治期以後、西欧料理とは異なる、日本独特の「洋食」といわれる料理が広まる過程で、オムライス、チキンライス、スパゲティ・ナポリタンなどとトマトケチャップが結びつき、日本人のあいだに広く普及したことによるのではないでしょうか。
第二の理由として考えられるのは、第二次大戦後、アメリカの食文化が輸入される過程で、ハンバーガー、フライドポテト、フライドチキン、チキン・ナゲットに付けるソースとして、より身近な存在になっていったことではないでしょうか。
日本の近代以降の食文化の歴史を振り返ってみると、私たち日本人がトマトケチャップに対して、さほど苦手意識をもっていないこと、むしろトマトケチャップの味を好む人が多いことは、まさに海外の食文化を私たちがどのように受け入れてきたのかを物語っているのではないかと思います。
有意義なおひとりさま
【14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード / 18.人間・生活・環境】
「おひとりさま」という言葉は時代の流れ、地域の特性、男女の違いなど、さまざまな視点から捉えることができます。2000年頃から現在までおひとりさまの楽しみ方も少しずつ変化してきました。
高級志向、本物志向で楽しんでいた時代からシンプルでカジュアルな楽しみ方に変わり、現在ではSNSをうまく利用し常に誰かとゆるくつながりながら楽しむおひとりさまに変わってきたのです。
おひとりさまといっても自ら進んで楽しみながらひとり行動をしている人、仕方なく、しょうがなくひとり行動をしている人、ひとり行動をしたくてもできない人などライフスタイルによっておひとりさまの捉え方が変わってくるのではないでしょうか。
みなさんはどんなおひとりさまを楽しんでいますか?
「ひとりカフェ」「ひとり焼肉」「ひとりラーメン」「ひとり映画」「ひとりライブ」これらは私が体験してきたおひとりさまです。「私もやったことがある」という人もいればそもそもひとり行動が苦手な方もいますよね。実は私もひとり行動が苦手なほうでした。高校生までは家族や友人との行動が当たり前で一人で行動する機会がそもそも少なかったのです。一人暮らしをはじめ一人で行動しなければならなくなると自然とひとり行動が増え「おひとりさま」を少し楽しむことができるようになりました。大学4年間でおひとりさまレベルがちょっとだけ上がった私がみなさんに「有意義なおひとりさま」の楽しみ方を提案したいと思います。入るのをためらっていたラーメン屋、むしろひとりがおすすめな焼き肉、なかなか実行できなかったひとり旅など実際に体験して感じたことや実行するにあたってどのくらいの抵抗があったのかをまとめたおひとりさまレベルと共に紹介します。今までひとり行動が苦手だった方、すでにおひとりさまが余裕な方も新たな楽しみ方を見つけてみてください。
守屋 亜記子ゼミ
日本の米離れについて考える
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく / 18.人間・生活・環境】
【実習背景】私はお米が大好きで普段からよく食べている。しかし、日本では年々米の消費量の減少すなわち米離れが進んでいるという。
その一方で、各地のブランド米や銘柄によって炊き方を調節してくれる炊飯器があることなどから、日本人には米へのこだわりが少なからずあるように感じる。この矛盾を解明するために本テーマを選んだ。
【目的】日本において米離れが本当に進んでいるのか、米消費の現状とその背景を生産者・販売者・消費者の3つの視点から解明する。そしてそこから、今後の日本の米消費の行方と、食卓におけるご飯の立ち位置がどうなっていくのかを考察する。
【実習内容】第1回の発表では、米作への国による介入の歴史、大正から昭和時代にかけての日常の主食、米農家へのフィールドワークについてまとめた。歴史からは、米の持つ価値が時代によって移り変わってきていることがわかった。かつて米が税として納められていた時代には米が貨幣の役割を持ち、大正から昭和時代にも農家にとって米は家計を支えるものとして重要な役割を担っていた。さらに、米は食生活の中心であったため、農民の間には「おかずがなくても米さえあれば」という考えがあった。従い、米を安定的に供給することは社会情勢の安定にも関わっていた。
米農家へのフィールドワークではインタビューを行い、生産者の視点から見た米消費について明らかにした。米の消費量が減ったことで大きく困ったことはなく、業務用米の需要が高まる中で農家は需要の変化に合わせた生産を行っていた。
第1回発表後は、消費者への食事記録及びインタビューと米屋に対するインタビューを行った。消費者の食事記録からはお米をたくさん食べている人もいれば、全く食べないという人もいることがわかった。また、インタビューにより、米に対する考えや習慣を伺った。本人の嗜好だけでなく、世帯構成や生活リズムなどの要因も米の消費に影響を与えているとわかった。
さらに、米屋へのインタビューを行い、販売者の視点から見た米消費について理解を深めた。調査を行った米屋周辺では単身世帯やスーパー、コンビニなどが増加しており、昔と比べて米の販売量が圧倒的に減っていることなどがわかった。
第2回の発表では、研究全体を通して米消費の実際を生産者・販売者・消費者の3つの視点からまとめるとともに、その背景と今後の米消費の行方について明らかにする。
愛される郷土菓子のルーツを探る / 姶良市に根付く加治木まんじゅう
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく】
【実習背景】鹿児島県の郷土菓子としてはかるかんが有名であるが、それ以外にも地元に根差した菓子は存在する。
私が子供の頃から親しんできた加治木まんじゅうもその一つであるが、それはどのように誕生し、今日に至るまで地元の人々に愛されるようになったのか疑問に思い、このテーマを選んだ。
【目的】文献研究やフィールドワークを用い、鹿児島県の郷土菓子の歴史的背景や、加治木まんじゅうがいつ頃からどのような背景で売られているのかなどを調査する。その結果からルーツを明らかにし、砂糖および薩摩の歴史に位置づけていく。
【実習内容】第1回の発表では、日本における砂糖の歴史と薩摩藩の黒糖政策、鹿児島県姶良市の加治木まんじゅう販売店でのフィールドワークの結果についてまとめた。
文献調査から、砂糖は18世紀に国産化が進み、日清戦争、日露戦争を契機にさらに増産され、一時は配給制になるものの1950年代から需給が安定していった。また、薩摩藩の黒糖政策では、黒糖が効率の良い換金生産物であったことから、19世紀に奄美大島三島で砂糖専売が行われ、それによって薩摩藩の財政改革が成功したことが明らかとなった。
フィールドワークでは、加治木まんじゅうの定義は特にないものの、各販売店の共通点として、(1)皮に酒または甘酒の使用、(2)皮の色は主に白、(3)創業年の古い店にこしあん、新しい店に粒あんが多いことから、元々はこしあんであったと推測された。そこで、仮にこれらの条件を満たすものを加治木まんじゅうと定義することにした。
第1回発表後、姶良市外の販売店において調査を行った。その結果、姶良市外の販売店では、加治木まんじゅう以外の商品も販売しており、価格は市内の販売店より安かった。また、姶良市内の販売店で現在は粒あんを使用している店でも、かつてはこしあんを使用していた店があることが明らかとなった。さらに、購入者の属性、購入する商品や購入頻度などの傾向や特徴を把握すべく、アンケート調査を行った。
第2回発表会では、これらの調査結果をもとに加治木まんじゅうの歴史的背景を分析、考察する。そして、加治木まんじゅうのルーツを明らかにし、砂糖や薩摩の歴史の中に位置づけていく。
香典返しとしての煎茶 / 日本人が香典返しに煎茶を選ぶ理由
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく】
【実習背景】昨年の夏に祖父が亡くなり、葬式を執り行った。後日私の母が香典をいただいた方へ、主に煎茶を香典返しとして贈ったことを聞いた。
このような我が家の香典返しの経験から、なぜ香典返しに煎茶を選ぶのか疑問に思った。両親に理由を聞くと「腐りにくく、消え物である煎茶を香典返しで贈るのが一般的」だと言っていた。なぜ煎茶なのか疑問に思い、このテーマを選んだ。
【目的】本研究では、文献調査、葬祭業者の香典返しのリスト分析、香典返しの事例の調査を行い、それらを分析、考察することで、日本人がなぜ香典返しに煎茶を贈るのか、その理由を明らかにすることを目的とする。そして調査結果を踏まえて、香典返しにおいて煎茶が選ばれる理由について考察する。
【実習内容】第1回発表会では、煎茶の歴史、香典返しの定義や事例、葬祭業者が取り扱う香典返しリストの分析についてまとめた。煎茶は江戸時代に中国、明の僧である隠元隆琦によって伝えられ、製法の改善により、一般庶民にも手が届くようになった。また、香典返しとは、香典をいただいた方へ金額の3分の2または半額の品物をお返しすること、またはその品物のことであることが文献調査より明らかになった。さいたま市内の葬祭業者、全9社の香典返しのリスト分析結果から、全商品448品中の241品が煎茶を含む商品であり、全体の54%を占めていることから、現在も煎茶が香典返しの中で重要な位置にあると考えられる。
第1回発表会後は、主に香典返しおよび煎茶の歴史について、引き続き当時の生活百科事典や冠婚葬祭関連の文献での調査を行い、香典返しの起源を追及した。その結果、明治時代から平成時代にかけて、煎茶は一貫して全国的に香典返しに用いられていたことが分かった。煎茶以外では、明治時代には餅米や牡丹餅などの食品、大正時代には饅頭や袱紗が用いられるなど、食品以外の品物も用いられるようになった。大正時代以降、昭和時代の戦前には白絹や白モス、風呂敷、高度経済成長期には敷布、夜具、平成時代にはハンカチ、タオルなど生地や寝具、タオル類なども贈られるようになった。
第2回発表会では、これまでの文献調査や香典返しリストの分析結果を踏まえ、香典返しとして煎茶が選ばれる理由について考察していく。
ジビエの可能性 / 日本におけるジビエ食のあり方
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく / 10.食材の可能性】
【実習背景】毎年、親戚が仕留めたイノシシの肉が祖母から届き、それを自分で調理している。また、最近ジビエ料理が注目を浴びていることからジビエに興味を抱いた。
ジビエの捕獲・流通・消費の現状、および近年問題となっている鳥獣被害との関係について深く考えたいと思いこのテーマを選んだ。
【目的】文献調査とフィールドワークから、ジビエ食の歴史と現状、ジビエの抱える課題を明らかにする。調査を通して、今後ジビエの利用はどのように発展し得るのか、日本の食文化におけるジビエ食の可能性について考察する。
【実習内容】第1回発表会では、日本における肉食の歴史、鳥獣被害の現状及び狩猟の現場でのフィールドワークについてまとめた。調査を通し、現代のジビエ食を取り巻く環境は複雑化していることが分かった。1990年代に入り、全国的な鳥獣被害の増加と共に問題が顕在化し、近年になって政府による様々な対策がなされた。狩猟現場の実態としては猟師の高齢化が進み、人手不足や後継者不足が深刻化している。その大きな要因としては狩猟を行うには体力や長年の勘、技術、費用が必要であることが挙げられる。さらに、鳥獣被害の対策として捕らえた獲物のジビエ利用率は半数以下であることが明らかになった。解体処理施設不足および人手不足などから半数以上を焼却処分又は土に埋めて処理している。そんな中、猟師は捕らえた獲物の肉はご馳走としてシンプルな調理法で食し、可能な限り命を無駄にしないという意識も持っている。
第1回発表後、ジビエの流通・衛生面における畜肉との比較及びジビエ料理店でのフィールドワークを行った。ジビエの肉質はその生育環境の違いによって個体差が大きい。そのため、大量生産や安定供給の面では畜肉に劣る。また捕獲から流通までを猟師が一貫して担うため、手間がかかる分だけ価格も高い。衛生管理や関係法規も整備途上にあり、解体処理施設の衛生管理も様々である。一方、ジビエ料理店のフィールドワークを進める中で、より美味しく安全な肉にするための工夫が明らかになった。例えば、銃か罠かといった捕獲方法の違い、止め刺しの方法、素早く丁寧な血抜き・解体と温度管理、熟成方法などそれぞれの工程が肉質に大きく影響する。
第2回発表会では、日本におけるジビエの捕獲、流通、消費という流れの中で見えてきた課題を踏まえ、私が考えるこれからのジビエ食のあり方について発表する。
猛毒ソテツを食す / しまっしゅ(島人)命がけの食事
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく / 18.人間・生活・環境】
【実習背景】観賞用として人気のあるソテツ、実は死者を出すほどの猛毒を含む植物である。鹿児島県奄美大島や沖縄県では、かつてソテツを除毒し救荒食として利用してきた。
私は、毒を抜いて食べる文化とその歴史的背景に興味を持ちこのテーマを選んだ。
現在のソテツは、主に観賞用や土産物の材料で、手間のかかる「食」としてのソテツは衰退しつつあると考えられる。
【目的】本研究では、奄美大島の歴史を文献やフィールドワークから分析し、いかにして先人たちは食糧難を乗り越えてきたのか、同じくソテツ食の伝統ある沖縄県粟国島と比較し奄美大島のソテツ食の歴史的背景と現状について明らかにする。
【実習内容】第1回発表会では、ソテツの特徴と奄美大島におけるソテツの食文化の歴史についてまとめた。文献やフィールドワークを通して、奄美大島におけるソテツの食文化の歴史的背景には、自然環境、薩摩藩の黒糖政策、戦争が関係していた。さらに、ソテツの食文化は奄美大島の中でも地域によって異なり、北部はソテツの実(ナリ)を食し、南部は実だけでなく幹も食べていたとわかった。実や幹から作られたソテツの加工食品は、粥、味噌、醤油、豆腐、神酒など、米や大豆の代用として利用されてきたものが多く、ソテツは奄美大島の人々の食を支えてきたとわかった。
第1回発表会後は、再度奄美大島でフィールドワークを行った。今回は、北部と南部で調査を行い、ソテツ食の経験がある方々へインタビューをした。その中で、南部では「ナリメシ」という、米粒大にしたソテツの実を蒸して食べていたことが判明した。加えて、現在ソテツの食文化を次世代へ継承しようと活動されている方々へインタビューをした。北部では、ナリ粉の商品化やナリうどんによって、ソテツの食文化の発信と地域活性化の活動を行っている。さらに、一部給食センターでは、郷土料理として学校給食でナリ粥を提供している。一方、南部ではソテツの幹から作った「シン団子」を現在も販売していることがわかった。
第2回発表会では、これまでに文献やフィールドワークから得られた知見を踏まえて今後の奄美大島におけるソテツ食のあり方について考察する。
山内 喜昭ゼミ
タピオカドリンク / ブームの裏で…
【11.食の問題 / 14.食と空間・食シーン / 18.人間・生活・環境】
昨今ブームが続いているタピオカミルクティー。台湾茶の美味しさとタピオカの食感が楽しめる人気のドリンクスタンドは、今や数え切れない程の店舗数を展開しています。
前回の発表では再ブームとなった理由として、SNS映えの他に「タピオカの大粒化」「ハシゴしたくなる」「ミルクティーが本格的」であることを挙げました。
しかしそのブームの背景で問題となっているのが、「タピオカドリンクの飲み歩きから発生するゴミ問題」「プラスチック製ストロー問題」。
プラスチックゴミによる海洋汚染は国際的な課題となっています。日本にも全国各地に店舗を展開するアメリカの大手コーヒーチェーンでは、日本を含む世界の2万8000店舗以上で2020年までに使い捨てプラスチック製ストローの使用を禁止し、直接口をつけて飲めるフタに変えていくことを発表しました。
今後、プラスチック製ストローの使用を控える動きが加速していくことが予測されますが、その余波を受けているところがタピオカミルクティーが名物の台湾です。
台湾では、昨年6月に当局がプラスチック製ストローの使用を禁じる規制案を打ち出しました。しかし「タピオカミルクティーはストローなしでどうやって飲めばいいんだ?」と人々から疑問の声が上がり、規制を担う環境保護署が「スプーンで食べれば良い」と反論したところ、“タピオカ論争”が加熱し、プラスチック製ストロー廃止への不満も巻き起こっているそうです。
タピオカミルクティーといえば、専用の太めのストローでズルズルとタピオカのつぶつぶを吸い上げるのが醍醐味のひとつでもありますが、この問題をどう解決していくのか…。
前回の発表の反省やコメント用紙の御意見を参考に、今回はブームの裏で起こっている問題について主に発表していこうと考えています。
こんなパンなら作りたい / 果物酵母パンレシピ
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 13.料理を伝えるカタチ】
【研究目的】
酵母をいちから自分の手で育てる、と聞いて皆様がまず思い浮かべることは何でしょうか。
「手がかかる」「気にはなるけれど少し手間かも」「上手く育てることは難しいのでは?」…確かに少々手間は要しますが、そのぶん上手に完成させた時の喜びは大きいものとなる、そんな果物酵母の楽しさや魅力を、パンレシピの提案を通して広めることを最終的な目標として研究を行っています。前期・後期発表ともに、発表を見た方が果物酵母パンに興味を少しでも持っていただけるようなレシピを紹介することを主として進めました。果物酵母パンや果物酵母が皆様にとってより身近なものとなり、酵母の育成やパン含め果物酵母に目を向けるきっかけとなりましたら幸いです。
【前回の発表内容】
柑橘系の果実2種類とマンゴー、ドラゴンフルーツそれぞれの果実からの酵母の起こし方と、その酵母を基としたシンプルなパン3種類(マンゴー酵母は起こすのに失敗したため、パン作りに使った酵母は3種類)のレシピを、過程の写真とともに提案しました。前述のレシピに加え、果物酵母の基礎知識・酵母育成における失敗例から注意点や現時点までで判明している育成のコツをまとめ、雑菌が混入した酵母の末路も紹介しました。
【今回の発表内容】
前期発表にて紹介した製法がシンプルなパンから発展した、果物酵母を用いた総菜パン・菓子パンレシピの提案と、研究を進める上で感じた事や反省点の発表を行います。それに伴い、レシピを含めた果物酵母パンの情報を掲載したオリジナルのレシピサイトの紹介も予定しています。健康に良い食品が脚光を浴びる現代においては発酵食品もブームのひとつであるため酵母や酵母パンも少なからず注目されていますが、もしブームが去ったとしても廃れずに残ってほしい、サイトを通して果物酵母パンの良さを残したいという思いを込めて発表します。
本発表では何の果物が使用されているのだろうか、オリジナルのレシピサイトとはどのようなものなのか…是非発表を見にいらしてください、お待ちしています。
絵本のおすそわけ
【5.情報発信と表現 / 13.料理を伝えるカタチ / 16.食とエピソード】
絵本に出てくるお菓子や料理を食べてみたいと思ったことはないだろうか?私はある。幼い頃よく読んでいた絵本があった。その絵本には美味しそうなスープが出てきた。
森に住む動物たちが、大きな鍋で作ったニンジンスープだ。美味しそうなそのスープが絵本から出てきたら、どんなにいいだろうとよく考えていた。しかし、生憎今までの人生でそんな絵本に出会ったことはない。どこの本屋さんに行っても売っていないだろう。それならば、そんな絵本を自分の手で作ればいいのではないだろうか。これがこの研究の研究動機であった。
まず作成する絵本のイメージを決めた。絵本の形式、扱う食べ物についての大きく2点である。まず、作成する絵本の形式だが、ポップアップ形式の飛び出す絵本の形式で作成する。調べていると、形式にも様々なものがあった。一般的な平面の絵本、飛び出す仕掛け絵本、布を縫って作る布製絵本など様々なものがあった。今回、飛び出す絵本の形式を選んだ理由として、何点か理由がある。まず、食べ物を仕込ませた作りにするため、立体的な作りが適していると考えたからである。次に、絵本から食べ物を取り出す感覚をより強調するために、これもまた立体的な作りが適していると考えたためである。次に扱う食べ物についてである。今回は絵本の構造上、スープのような液体は難しい。また、形が崩れやすい柔らかいものも難しいと考えた。そこで、今回は固形であり、崩れにくいようなクッキーを扱うことにした。以上2点から今回制作する絵本は、クッキーを扱う内容のポップアップ形式の絵本と設定した。
前回の発表では、この設定の元作成した試作段階のものをお見せした。試作段階のものは、絵本から飛び出すというよりは、最終ページに箱をつけた、お菓子のパッケージのようなものだった。今回は、パッケージではなく、絵本として手に取れるものを完成品とし発表する。
韓国の食文化 / 韓国ファッションオンラインサイト運営者が語る韓国
【17.健康・美容 / 18.人間・生活・環境】
私がこのテーマにした理由の一つとして、自身が始めた韓国ファッションオンラインサイトの運営経験が挙げられます。元々食について勉強していたこともあり、韓国料理が好きで韓国へよく足を運んでいました。
そこから現在の大学に編入し、韓国の食だけではなく、文化について学ぶ機会や様々な国の食文化を学ぶ授業がありました。そこで、「食とはその国の文化や生活から創り出される大切な生活の一部」だということに気づきました。その学びによって、元々韓国が好きだったこともあり、韓国の料理だけではなく韓国の文化やファッションにも興味が出始め、日本の皆様にもっと「韓国」を身近に感じhappyになっていただきたいと思い韓国ファッションオンラインサイトの運営を志しました。
みなさんがイメージとして持つ「韓国」とはどのようなものでしょうか。美容大国とも知られている韓国ですが男女問わず食やファッション、美容などに対する意識が高いです。そこで我々日本人がもつ韓国のイメージとはどのようなものなのかアンケートを取ったところ、韓国の食文化は「辛い」「発酵食品が多い」「おかずが多い」、韓国のファッションは「シンプルで可愛い」「色使いが独特で可愛い」「抜け感がある」「低価格で可愛いアイテムが豊富」などという意見が出てきました。今回の発表ではこのアンケート結果を元に韓国の文化や韓国の食文化についてお話ししていけたらと思います。これから様々な可能性をもつ皆様に自身の経験を聞き、少しでも参考になったと思ってもらえるような時間を作っていきたいです。「食」についての知識を深く学んでいる私たちですが、違った視点から食に触れ、文化に触れることで将来の可能性の幅を広げていただきたいと思っています。
ソフトクリームの魅力
【16.食とエピソード】
ソフトクリームの作り方や形状に関して調べ、発表しようと考えています。また、第1回と同様に私が今まで食べてきたソフトクリームを自分なりに評価し、ソフトクリームの魅力を伝えたいと考えています。
このテーマにしようと考えた理由は、物産展で食べている人が多く、列ができていることもあったことから、何が人を魅力するのか気になったからです。また、ソフトクリームを主力商品として売っているお店があることも理由です。
第1回の発表ではお店の紹介やそのお店のソフトクリームについて発表しました。紹介だけでは、行くきっかけもしかしたらなっているかもしれないが、魅力はまだまだ伝わっていないと感じました。
第2回の発表では、そもそもソフトクリームとは何か?を、作り方や形などから伝えたいと考えています。市販で売っているカップアイスとソフトクリームの作り方はどう違うのか、市販で売っているワッフルコーンとソフトクリームは違うのかなどを発表できたらと考えています。また、ソフトクリームのはなぜあの形なのかや、形状がいくつかあるがその違いは何かを発表できたらと考えています。それだけではなく、ソフトクリームとは何かを少しでも知ってもらい、お店にも足を運んで欲しいと考えているので、前回と同じ様に、私が美味しいと感じたお店も紹介したいと考えています。
ソフトクリームとは何かを伝え、お店を伝え、そこからソフトクリームの魅力が伝わったら嬉しいと考えています 。そして、今まで食べてこなかった方や興味を持っていなかった方がソフトクリームに興味を持つきっかけになればと考えています。また、前回の発表で少しでも興味を持っていただけた方などには、より深くソフトクリームに関心を持っていただけるようになれば嬉しいと考えています。
食は世界中を笑顔にする / ─留学と起業をきっかけに世界旅行をした─
【2.世界の食 / 5.情報発信と表現 / 18.人間・生活・環境】
私は世界の「人」と「食」をテーマにしました。そこで、研究した内容と実際に体験した世界の食文化に関して述べたいと思います。
現代では、海外へ行かなくても日本で世界各国の料理を楽しむことができます。そして、世界的な食の中心地として他国から美食を求めて訪れる人々の多い街が東京と言われています。ミシュランガイドで星を獲得したレストランの数は現在は約230店と、2位であるパリの約95店を大きく引き離しています。私自身「人」と「食」に多くの魅力を感じてきました。食生活は私の人生に多くの素晴らしい瞬間と世界を魅せてくれています。そこで、私が食を通して体験したことを前期・後期の発表を通して皆さんに伝え、提供したいと思います。
前期の発表では、自分持っているブランドが韓国系でよく韓国を訪れていたということもあり、世界でも注目度の高い韓国の食文化に関して研究をしました。例えば、辛い料理が人にどのような影響をもたらすのか、韓国人は食事で美を保っていることなどについて発表しました。まず、辛いものが多い理由は冷えの対策や疲れやストレスを取る為という理由があります。さらに美への影響では、韓国料理で頻繁に使われる唐辛子が活躍します。老廃物を排出してくれるので、発酵食品をよく食べていると美肌効果になるようです。韓国で必ずと言っても過言ではないほどよく付け合わせしてあるキムチは豊富な乳酸菌で腸内に行き届き、体中を温める効果があります。若者のトレンドとしてデザインをこだわる韓国にはSNSを重視したカフェの外観や食べ物が多くあります。食は私たちの生活もカラフルに変えることが出来る楽しみの1つです。
私は現在は世界15カ国以上を訪れ、様々な食文化を肌身で体験しました。後期では、韓国の食文化だけではなく、私が留学をした経験のあるアメリカや他の国について発表したいと思います。「世界の食文化」は私の人生の世界観を広げてくれました。人食文化は、国境を越えた人々さえも繋ぐことが出来ます。私たちにとって「人」×「食」は偉大なパワーを持っていると思います。どの国でも共通しているのは食は人々の生活を豊かにし笑顔にすることができる魔法だと言うことです。私は今日も温かいご飯を口にした瞬間、幸せを感じます。そして私はどんな食べ物を食べるか以上に、大好きな人と食事をしながら”時間を共有すること”が大切で、大好きで、最高に幸せな瞬間です。
カフェ経営を通じて見えたもの / これからの日本と働き方、カフェの在りかたとは
【6.生産者と消費者をつなぐ / 7.お店の企画・運営 / 18.人間・生活・環境】
私は大学3年生の10月から、知人と2人で高田馬場にあるカフェの経営に携わらせて頂いた。基本的には月曜日が定休日で、週6日17時∼23時までのディナー限定の営業である。
そのカフェは世界各国の料理やお酒が集まった、心温まるアットホームな空間。来てみれば旅に行ったような気分になる素敵なカフェであった。そこで基本的な飲食店の仕組みや経営の仕方、そしてお客様に対する態度などを1から教えてもらった。ただ普通の大学生が大人に混じってカフェ経営をするのは、体力的にも精神的にもかなり大変だ。なぜここまで大変な事を行ったかというと、卒業後自分で起業し、自分のお店を作ろうと思っていたからだ。
高田馬場のカフェ経営を終えてから、一緒に働いていた知人と私の2人で今度は自分たちのお店を開くために動きだした。原価率は飲み物2割、食べ物3割の目標。家賃は3日間分の売り上げ。食品衛生法から空間デザインまで色んな事に考えを張り巡らせた。お店の料理や空間以外にも、接客を大事にし、私たちが作ったこの場所でみんなが知り合いになり、みんなに愛される空間にするのが夢だ。計画を進めていく途中で、環境や心境の変化があり私は経営に携わることを断念し、就職することを決めた。私達が作ろうとしていたお店は知人に任せ、私は第一線を退いた。ただ、お店を作り上げていくためにサポートする気持ちは変わらない。来年の春を目標に今進み続けている。
近年、科学技術が進化しITやAIの技術も目まぐるしく成長を遂げている。そしてそれは食の世界にも間違いなく進出してきている。身近なところで言えば大手チェーン店の飲食店ではタッチパネル式で注文が出来るお店が増えた。経営者目線で話すと、人件費ほど無駄なものはなく、タッチパネルを導入することで少しでも削減につながるのはありがたいだろう。しかし、そこに客と店員のコミュニケーションは一切ない。どこ産の食材なのか、誰がどのような思いで作ったのか知る由もない。この飲食店は味気ないなと私は感じる。でもこれから飲食店は二極化していくだろう。1つは上記で書いた効率性を考え最新技術を駆使した機械がやる飲食店。でも私たちが目指していた飲食店はこれではない。むしろ資金面も考えると不可能に近い。だからこそ考えたのが2つ目の選択肢。人間が人間らしく人間にしか出来ない強みで経営する飲食店だ。お店に行きたい理由が料理でなくてもいい。あの空間にいたいから、あの人に会いたいから、そんな理由で足を運んでくれるお客さんが増えていきますように。
山下 史郎ゼミ
ブロッコリーの「芯」常識 / ─脇役野菜を主役にする食べ方提案─
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 16.食とエピソード】
ブロッコリーといえば何を思い浮かべますか。「茹でてマヨネーズで食べる食材」をイメージする人。「ファミリーレストランなどで見かけるハンバーグプレートの添え物」としてメイン食材の「添え物」をイメージする人がいるのではないでしょうか。
それ以外の料理の食材としての認識がほとんどないのが現状です。さて、端っこに添えてあるブロッコリー。私にとっては、添え物のブロッコリーだけでは足りません。そんな思いから、「皿の端にあるブロッコリーをお皿の真ん中にもっていきたい!」と考えるようになりました。
ブロッコリーの新しい魅力を企画し、メイン食材としての認知と市場浸透を図ること。また「芯」を含め、栄養価の高い食材として、主菜・副菜としての食べ方を浸透させることを目的とし研究テーマを進めました。
前回の発表では、ブロッコリーの栄養効果や歴史などの市場を確認し、先行事例として「サバ缶」の魅力について考えました。ブロッコリー自体は、目新しい食材ではないですが、近年求められる「栄養効果」(EPA/DHAだけでなくダイエット効果)があることや、「簡単調理食材」「多様な料理に使える利用範囲の広さ」の点から一部で注目されてきています。こういったブロッコリーの食材としての可能性に注目し、具体的な形にしようと思いました。
また、市場調査として「野菜の専門料理店」に足を運びました。どの店も、食材との組み合わせや食材の相性を考えていて、素材の魅力を最大限に活かしたオリジナリティ溢れるメニューが多いと感じました。
これらをふまえて、学内でブロッコリーのメインメニューの提供による試食調査を行いました。ブロッコリーがメインとなった3つのメニューを試食してもらい、簡単なアンケートで評価を取得しました。今回の発表では、その調査結果をもとに、ブロッコリーのメイン食材の価値を見出す方法やメニューを提案します。
この発表を機に、ブロッコリーを以前よりもっと身近に感じて、食材としても楽しく食べてもらえれば、と願っています。
わかってね、肉を食べない私のことも / 「食べない人々」が豊かな食生活を送れる社会へ
【5.情報発信と表現 / 11.食の問題 / 16.食とエピソード】
きっかけは中身が肉でみっちり詰まったハンバーグ。もしかしたら肉の質が悪かったのかもしれない、自分の体調が悪く体が受け付なかったのかもしれない、理由はうろ覚えですが、私の「肉を食べない」という態度は頑強なものです。
周りの人たちからは「もったいない」「人生損をしている」などと、心無い言葉をかけられてきました。一般的に好まれている肉類を食べられないことって、そんなに悪いことなのでしょうか。食べられない私からしてみたら、肉を食べないからと言って肉以外の食べ物から栄養を補い、満足の行く食生活を送っているので何も困っていないのです。
ちょっと視点を高くすると、この世には、生活信条や宗教的タブー、好き嫌い、アレルギー体質などの理由により、特定の食材を「食べない人々」がたくさんいます。そんな人々が周りの人たちから心無いことを言われずに、豊かな食生活を送ることができるような社会になると良いと考えます。
私は今までの経験から、肉類を食べられないことを相手に伝える際に、またいろいろ言われるのかと憂鬱な気持ちになります。また、食べられないことを“伝える”ことには難しさがあり、勇気も必要です。飲食店を訪れても、苦手な食べ物を質問してくれる店とそうでない店があります。聞いてくれないお店だと、自分で選ぶしかありません。メニューの料理名からは肉類が入っていないと思って注文してみるとベーコンが入っていたり、注文時に都度「この料理にはお肉を使用していますか」と尋ねるのも気が入ってしまいます。
そこで「食べないものがある」ことを伝えることの難しさや勇気がいる点を解決したいと考えました。
毎回、言葉にしなくても食べないものがあることを簡単に相手に伝える方法をいくつか検討しました。店とお客とのコミュニケーションツールです。このようなツールが浸透して一般化され、「食べられない人々」もストレスなく、質の良い食生活が送ることができる社会につながることを願います。
だしが飲みたい‼ / ソフトドリンクとしてのだしの魅力を考える
【1.日本の食 / 8.商品開発 / 10.食材の可能性】
私は日常生活の中で時々猛烈に「だしが飲みたい!」と思うことがあります。しかし、店頭の中に飲みたいイメージに合った商品はありません。
その欲求を満たすために、「おでんの汁」や「インスタント味噌汁」「カップスープ」などを飲みます。でも「だしが飲みたい」という欲求が十分に満たされることはありません。みなさんはこんな経験をしたことはありませんか?
私の欲しいものがないなら企画するしかない。ということで「飲む出汁(だし)」を企画ターゲットにしました。
前回の発表会では「だし」の歴史、種類、市場動向、市場調査についてお話ししました。だしの歴史はとても古く奈良時代からあったとされています。日本の伝統的な食文化である「だし」は、最近まで一般的に料理の引き立て役であり飲み物として単体で提供されるものではありませんでした。ところが、最近一・ニ年の間に「だし」をメインに嗜む「飲む出汁市場」が誕生していることが分かりました。主要駅や空港などで大手のだしメーカーなどが運営する店舗が「飲む出汁」を販売していることが分かりました。
しかし、「飲む出汁は」まだ私たちの身近なものではありません。理想は「より身近で、すぐ手に取れること」です。そうしなければ、私の突然の猛烈な欲求は満たされません。
今回の発表ではコンビニやスーパーマーケットで買える新商品を提案します。複数の企画案についてアンケート調査を行い企画案のパッケージ・食感を決めました。その結果を踏まえ2つの新商品を発表します。
皆さんのおにぎりのおともはお茶ですか?味噌汁ですか?それとも、だし?
私は堂々と「だし!」と言いたいです。女子高生・女子大生の写真に写り込んで魅力的にみえる。それは現段階では見ることのない光景ですが、想像してみるとワクワクしてきませんか?
さぁ、みんなでおいしい「出汁」を飲みましょう!
もっと、甘酒を! / ~飲みたい理由を創る~
【8.商品開発 / 10.食材の可能性 / 17.健康・美容】
皆さん、「甘酒」飲んでいますか?
皆さんの中には甘酒といえばお正月に飲むもの、甘い、アルコールが入っているのでは?等といったイメージを持つ人も多くいるのではないでしょうか。
最近では甘酒の持つ栄養効果が注目され、メディアでは“飲む点滴”などとも取り上げられています。その結果、甘酒市場に参入するメーカーも増え、その地名度は上がってきています。私も飲む点滴とテレビにとりあげられた頃に母が買ってきたことをきっかけに飲み始めました。私は甘くトロっとした甘酒に魅力を感じ、おやつ替わりによく飲むようになりました。しかし、ふとした友人との会話の中で「甘酒は一般的な飲み物ではない」という思いを持ち始めるようになりました。私は甘酒をもっと多くの人に飲んでもらい、いずれは豆乳やヨーグルトのように生活に浸透し、甘酒が日常で広く普通に飲まれるものにしたいと思い、甘酒を研究対象にすることにしました。
甘酒は主に「酒粕」を用いたものと「米麹」を用いたものの二種類があります。日本における甘酒の歴史は古く、江戸時代には暑気払いとして庶民に飲まれていました。21世紀に入ると、甘酒市場は2002年から2017年までの15年間で約9倍の市場に拡大しました。その背景には「米麹」を使ったタイプである『麹甘酒』市場に参入するメーカーが増えたことや、テレビで話題になったことがあります。つまり「米麹」を使った新商品の登場で甘酒市場は拡大したと考えられます。
しかし、市場は伸びているものの私の周りでは飲んでいる人があまりいませんでした。そこで私は麹甘酒のCMを分析しました。結果、多くのブランドで商品のコンセプトがぼんやりしており、誰がいつ飲めばよいのかわからないものが多いという課題を見つけました。
今回の発表では麹甘酒をもっと魅力的に感じ飲みたいと思えるようなコンセプトを創案し、ネーミング・パッケージの案も含めた商品企画案を発表します。また、商品開発に基づいた広告案もあわせて発表します。
“こんにゃく”リバイタルプラン / 日本が誇る健康食材に光をあてる
【5.情報発信と表現 / 8.商品開発 / 10.食材の可能性】
『“こんにゃく”食べていますか?』
この言葉から始まりました。
私自身この研究を始めるまで意識して“こんにゃく”を食べることはありませんでした。そこで、私はこんにゃくの歴史や製法などを調べました。
原料であるこんにゃく芋は、収穫まで3年もかかるとても手間のかかる作物だということ、定番の「板こんにゃく」や「白滝」の他にも「凍みこんにゃく」などのバリエーションがたくさんあることも分かりました。簡単に手に入るからこそ見失っていた、日本が誇る食材としての“こんにゃく”のありがたみを感じました。
一方で、このありがたい食材にも関わらず“こんにゃく”の市場は平成元年ごろをピークに縮小しつづけています。その間に、消費が一時的に増えた時もありました。“こんにゃく”ダイエットが話題になった時です。しかし、ブームは数年で終わってしまいます。
現在は、きのことねぎのこんにゃく和風パスタや、りんごとこんにゃくのコンポートなど、和風の味付けだけではない新しい食べ方もあるようです。色々な食べ方を提案することで、消費量を伸ばそうと試みていることも、理解出来ました。とはいえ、“こんにゃく”に広く新しい魅力を付加できていないのが現状だと考えました。
ゼミ内で“こんにゃく“を使用した料理を試食しました。分かったことは、”こんにゃく“は色々な味に合うということです。このことを活かして今回の発表では、私の考えた新商品を提案します。ひとつは、忙しくて朝ご飯を食べる時間がない人をターゲットにしたあなたのスムージー。もう一つは、こんにゃくを使用したスイーツ。2つの案の新商品の企画イメージについて発表します。
私の発表で、あなたの知らない“こんにゃく”の魅力に気づいてもらいたいな。
もなかのタネは幸せのタネ / 「最中種」の可能性を追う
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
「最中種(もなかだね)」を知っていますか?一般的にはあまり聞きなれない言葉ですね。最中種とは、最中の中心の「餡」のことではなく、餡を包む最中の「皮」のことです。初めて知ったとき驚きました。
現在、「最中(もなか)」は和菓子の一つのジャンルとして認識されています。餡やアイスを「最中種」が包み、奏でるハーモニーが多くの人々を虜にしてきました。私は最中種のサクッと軽い食感に魅了された一人です。そんな私は、最中種には魅力的な食材としての可能性がもっとあるのではないかと考え、「最中種」を企画対象にしました。
菓子の「最中」誕生は江戸時代なかば。江戸の吉原で生まれます。その後、形や中身、名前を変え、江戸後期には皆さんの知っている和菓子の最中となりました。そして、明治~大正時代には最中の人気が高まり、多くの和菓子屋さんで取り扱われるようになりました。現在、最中種のほとんどを専門業者がつくっており全国の和菓子屋さんに卸されています。その最中種製造会社の方に取材を行いました。最中について漢字・カタカナ・ひらがなで表記の違いなどに疑問を持ち回答をもらいました。また近年、台湾、アメリカやイギリスなどの外国人にも最中への関心が高まり、最中ファンが増えています。最中種の食感がウエハースに似ていることも外国の方が最中に親しむ理由の一つだそうです。
様々なタイプの最中を知っていく中で、「最中種」の魅力は、中の挟むもので味や食感が変化する「五感で楽しめる変幻自在の食材」だと考えました。
この「最中種」の最大の魅力を存分に楽しめる新しい商品を考えてみました。
サクサク、ぱりぱり、しっとりといった最中種の持つ「食感」と、「挟む」「のせる」「手が汚れない」という最中種の持つ「属性」を掛け合わせた商品です。これは、定番である和菓子のカテゴリーには捉えられていないものです。
今回の発表会では4種類のターゲットに合わせた商品企画案を提案します。店舗販売も想定しネーミングやパッケージなどのイメージも併せて発表します。