JOURNAL KAGAWA ヨクシル
学生が学会シンポジウムに登壇【臨床検査技師の未来】

栄養イノベーション専攻

学生が学会シンポジウムに登壇【臨床検査技師の未来】

第19回東京都医学検査学会の在宅医療シンポジウムで「在宅医療・訪問診療実習の必修化を通して」と題して、保健栄養学科栄養科学専攻の3年生がシンポジストとして発表する機会を得ました。
この学会のテーマは「臨床検査技師の未来を創るのは今」でした。そこで、臨床検査技師達にはまだ十分に知られていない【在宅医療】での臨床検査技師の役割とその展望について、大学で学び体験したことを学生の視点からまとめました。

学生が伝える「在宅医療での臨床検査技師の重要性」

「臨床検査技師の未来を創るのは今」という学会のテーマのとおり、未来志向の発表が各分野で行われる中、学生が登壇したシンポジウムでは「臨床検査イノベーション~在宅医療の世界~」として、臨床検査技師の新たな職域として期待されている在宅医療について発表が行われました。

在宅医療の現場では、医師や看護師だけでなく、臨床検査技師も重要な役割を担うことができます。特にコロナ禍以降は、患者や家族からの在宅医療・訪問診療の要望が増えています。しかしながら、臨床検査技師の世界でも在宅医療への関与について重要性や理解が十分とは言えないのが現状です。

本学では、医療人として備えるべき接遇を学ぶ『医療コミュニケーション実習』の中に、在宅医療・訪問診療実習を必修化としています。今回の発表では、在宅医療・訪問診療実習を経験したことを通して、在宅医療における臨床検査技師の活動の様子や重要性を紹介しました。

発表では、訪問診療に同行した際の具体的なエピソードや、患者との関わりを通じて得た気づき、臨床検査技師が果たすべき役割についての考察が共有され、会場からは多くの共感と関心が寄せられました。

学生による発表は、臨床検査技師の未来を考える上で、非常に意義深いものであり、教育現場と医療現場の連携の重要性を改めて感じさせる内容でした。

今後も本学では、実践的な教育を通じて、次世代の臨床検査技師の育成に力を入れてまいります。

臨床検査技師 × 栄養士のダブルライセンスを目指す

本学では、臨床検査技師と栄養士のダブルライセンス取得を目指す独自の教育課程を展開しています。これは、医療と栄養の両面から人々の健康を支えることができる、実践力と人間力を兼ね備えた専門職の育成を目的としたものです。

本学の栄養学は、予防医学の視点から学びを深めることが特徴です。病気を治療する前に予防、そして予防の前にはまず「健康」があります。その健康を維持するためには、適切な栄養管理が不可欠です。そして、その栄養状態を正しく把握するためには、臨床検査の知識と技術が必要となります。

このような考えのもと、本学では臨床検査技師資格取得のための専門教育を提供するとともに、調理学・食品学・給食実習などの関連科目も充実させ、国家資格である栄養士資格の取得も可能としています。さらに、学生は学外での多様な実習を通じて、社会で活躍できる実践力と人間力を養います。特筆すべきは、臨床検査技師の未来と多様性を見据えた在宅医療実習を取り入れている点です。これは、全国でも珍しい取り組みであり、在宅医療の現場での検査技師の役割を体験的に学ぶ貴重な機会となっています。

本学の教育は、医療と栄養の両分野を融合させた新しい専門職の可能性を切り拓くものです。ダブルライセンスを通じて、より広い視野と深い専門性を持った人材の育成を目指しています。

女子栄養大学・女子栄養大学短期大学部は、2026年4月より共学化に伴い、日本栄養大学・日本栄養大学短期大学部に名称変更いたします。