JOURNAL KAGAWA ヨクシル
食品成分が免疫を高め、感染予防に貢献する可能性を明らかにする

栄養イノベーション専攻

生体防御学研究室
石橋 健一 准教授

食品成分が免疫を高め、感染予防に貢献する可能性を明らかにする

 免疫は疫(病気)を免れる、身体を健康に保つために働くシステムです。よって、免疫のバランスを保つことは、感染症やアレルギーなど病気を予防することにつながります。摂取した食品成分が接する腸管には、多量の免疫細胞が存在しており、免疫の最大器官と言われています。

 私が研究で取り組んでいる食品成分は、グルコースがつながった多糖であるグルカンです。キノコや海藻、酵母、大麦などそれぞれに構造的な特徴はありますが、身近な食品に含まれている食物繊維です。グルカンを貯蔵多糖としてもつ微細藻類のユーグレナを摂取すると病原体に接する粘膜面の免疫物質(IgA)産生を高めることがヒトや実験動物で示されました(図1)。さらに、ヒト試験ではユーグレナから得られたグルカンを摂取すると喉の痛みや鼻の症状を対照群と比較して軽減することが示されました(図2)。これらの結果はグルカンを摂取することにより粘膜に感染する病原体に対する免疫を高める可能性を示しています。

*<0.05 (対象群vs摂取群)

先生からヒトコト

▲石橋 健一 先生

▲石橋 健一 先生

 

 

 普段摂取している食品成分が、免疫力を高め自らの健康を保つために貢献できると考えています。私達と一緒に、食品の持つ可能性を科学的に明らかにして、人々の健康増進に貢献できる研究を一緒に行いませんか。是非お待ちしています。