- 香川昇三・綾記念展示室
香川昇三の足跡をたどる『香橙』
『香橙』について
東京帝国大学医学部を1924(大正13)年に卒業した同級生の会「九年会」(くねんかい)の会誌。1928(昭和3)年創刊~42(同17)年、50(同25)年~78(同53)年の年1回、全42冊を刊行してきました。学園創立者の香川昇三も「九年会」のメンバーであり、随筆、論文、俳句などを投稿しています。
戦前に刊行したものは古い語彙、旧漢字、旧仮名遣いで書かれています。内容は多岐に渡り、毎号、会員名簿の順(五十音順)に同級生からの便り(近況報告など)、母校各医局の状況のほか、評論や旅行記などが掲載されています。中には写真が掲載されていることもあります。
公式の記録とは異なり、同級生の語らいの場のようでもあり、往時の人々の息吹が伝わってきます。日本の激動期を生きた東大医学部医学科の同窓生である鉄門倶楽部会員の想いを知る貴重な資料としても、戦争をはさんだ日本の記録としても興味深いものです。
この会誌は東京大学図書館、国会図書館にも所蔵がありません。また多くの同窓生が所有していた会誌も戦災で失われています。寄贈された『香橙』は保存状態が大変よく、劣化防止処理をすませ、閲覧の希望にお応えしています。
2010年(平成21年)、香川昇三の母校・東京帝国大学医学部の同級会誌『香橙』41冊(第7号は欠号)が香川昇三・綾記念展示室に寄贈されました。
昇三の同級生であった荒川二郎先生のご子息、荒川健二郎先生から寄贈されたものです。
『香橙』の中から香川昇三の投稿記事を以下にご紹介します。(画像をクリックすると拡大されます)