令和2年度 食文化栄養学実習

山下史郎ゼミ■フードマーケティング研究室


『食べる実況』を観てしまう理由
~素人食ビデオの魅力~


 皆さんは『食べる実況』を観たことがありますか?『食べる実況』とは、YouTubeで自分が料理を作ったり、食べているシーンを動画に撮り投稿しているコンテンツのことをいいます。
 私が『食べる実況』動画を観るきっかけになったのは、大食いを題材にしたバラエティ番組でした。全国の大食いの猛者たちが大食いで競い合う模様が放送され、嘘のようにお皿から料理がなくなる光景は見ていて圧巻です。そこから、類似したコンテンツを調べているうちに『食べる実況』のことを知りました。
 実況者は無名の人が多いです。しかし、中には何十万人というチャンネル登録者数を持ち、まるで芸能人のような人気を誇る方もいました。ではなぜ、私達は一般人同然の人が、ただ食べているだけの動画を観てしまうのでしょうか?  一般人同然の実況者がなぜ、インターネット上でそこまで人気を出しているのかに疑問を抱きました。そこで、「『食べる実況』を観てしまう理由」について考えることにしました。
 前回の中間報告では、主に二つのことを発表しました。一つは、『食べる実況』動画は主に、「大食い」「料理を作って食べる」「ASMR」の三つのカテゴリーに分けられました。もう一つは、それぞれの特徴やドラマ、バラエティ番組との魅力の違いについて調べました。ドラマやテレビ番組のプロが作ったものと比べたところ、素人感が視聴者に親近感を持たせることや、食べ始めから食べ終わりまでが観れること、いつでも自分の見たい時に観れることなどが考えられました。今回は、視聴者が具体的に『食べる実況』の、どこを観て楽しんでいるのかを深堀していきます。
 そして、食べる実況の魅力をわかりやすく理解してもらうために、小説の形にしてまとめます。