令和2年度 食文化栄養学実習

山下史郎ゼミ■フードマーケティング研究室


フード・イミテーション・グッズ
グッズ化した食べ物の新たな価値


 皆さんは食べ物をモチーフにしたグッズを手に取ったことはありますか?
 私が小学生の頃は、食べ物の形をした消しゴムやお菓子の香りが付いているペンが流行り、休み時間に友人たちと見せ合ったり、交換したりして、一生懸命集めていたのを思い出します。現在では、食品パッケージがプリントされたポーチや、にんじん、餃子など、食べ物そのものの形がそっくりそのまま再現された筆箱を実際に購入したり、目にしたりする機会が増えました。昔に比べて、食べ物をモチーフにしたグッズは増えていて、段々と需要が高まっているように思います。それではなぜ、私たちは食べ物をモチーフにしたグッズが欲しくなってしまうのでしょうか?食べ物グッズを購入する人々は、このような商品に美味しさではなくどんな魅力を感じて購入に至るのか疑問を抱いたため、「食べ物グッズが多くの人々に愛されている理由」を掘り下げて考えることにしました。
 前回の報告ではヒアリング結果を元に、食べ物グッズを購入する理由について考察しました。人々にとって食べることは日常的であるため親しみやすく、共通認識を持っていることから、食べ物グッズは「コミュニケーションツール」としての価値があるのではないかと考えました。日頃から食べ物を購入するとき、美味さや栄養機能が購入のきっかけになることが多いと考えます。しかし、食べ物グッズに求めているのは、それ以外の新しい価値です。今回はその新しい価値を探るため、キーホルダーやポーチなど様々なグッズの比較を行い、年代別、カテゴリー別にまとめ、食べ物グッズの魅力を深掘りしていきます。また、食べ物をモチーフにしたグッズの価値を追求し、仮説を基に商品提案を行います。食べ物という枠を超えて食の新たな可能性を生み出し、新たなポジションを確立している食べ物グッズの魅力に迫ります。