令和2年度 食文化栄養学実習

山下史郎ゼミ■フードマーケティング研究室


「食べ合わせ」再考
無駄なく栄養素を摂る方法


 皆さんは、食材の食べ合わせについて考えたことはありますか。「食べ合わせ」と聞くと、給食で牛乳とみかんが一緒に出てきて食べ合わせが悪いと感じたり、鰻と梅干しは食べ合わせが悪いと聞いたことがあるなど様々な言い伝えがありますが、実際にそれが正しいのかまで考える人は少ないと思います。私は、よく卵かけ納豆ご飯を食べていて、他にも納豆の食べ方がないかと調べたら、「生卵と納豆は食べ合わせが悪く、納豆の栄養素を取り損ねている。」という記事を見つけたことをきっかけに、「食べ合わせ」について改めて深く調べようと思いました。
 昔から言われている鰻と梅干しの食べ合わせには、栄養学的根拠はなく、実際に鰻と梅干しを一緒に食べる実験ではお腹を壊した人は居なかったそうです。他にも栄養学的根拠がなくても言い伝えられているものがありますが、発表では様々な食べ合わせについてより効率よく栄養素を摂る食べ方を栄養学的根拠を踏まえて提案していきます。
 例えば、納豆には、ビオチンという美肌効果のあるビタミンBが含まれます。生卵に含まれるアビジンというタンパク質がそれと強く結合する性質があるため、吸収を妨げてしまいます。この場合、アビジンが含まれない卵黄のみを使ったり、熱に弱い事から加熱をしたりすることで、栄養素を無駄なく摂ることができます。この他にも、きゅうりとトマトの組み合わせやわかめとねぎの組み合わせなど、普段当たり前に食べている組み合わせが食べ方によっては栄養素を取り損ねている可能性があるのです。このような「食べ合わせ」についてより効率よく栄養素を摂る方法をイラストとともにまとめます。みなさんも食べるなら栄養素を無駄なく摂りたいと思いませんか。