令和2年度 食文化栄養学実習

松田康子ゼミ■調理学研究室


Café felice
LIVE PLATE ─いちばん美味しい瞬間を─


 私は、ゼミでカフェの運営をするにあたり、一番大切にしたいことがありました。それは、カフェに足を運んでいただくお客様へ、その時その場でしか味わえないひと皿を提供したい、という思いです。最近はコロナウイルスの影響で、UberEATS やテイクアウトなど、お店の味をお家で楽しむスタイルがかなり定着したように感じます。お店で注文をし、その場で召し上がっていただくにふさわしい価値を持った「生きているひと皿」が作りたいと思いました。
 4月から夏までは自宅での試作のみ行いました。春はシフォンケーキにお客様自身でコーヒーをかけて召し上がっていただくアフォガート風のプレートを作りました。コーヒーの浸り具合やアイスの状態で食感や味わいに変化の出るひと皿になりました。夏はさっぱり召し上がっていただけるよう、柑橘系のゼリーポンチを合わせたパイナップルのシフォンケーキを作りました。パイナップルの水分量を調節しながら、味や香りをしっかり楽しんでいただける分量を試行錯誤して完成させました。
 9月からは10月、11月にカフェの営業を行うことが決定し、一回目の営業に向けて試作が始まりました。実際に営業をするとなると、原価計算にはじまりコロナウイルス対策や提供時の流れなど、作りたいものを作るだけでは成り立たないことを改めて実感しました。それらをふまえ、完成したのがシナモンシフォンプレートです。2種類のソースとリンゴのコンポートを合わせ、お客様が自由に楽しめるひと皿にしました。2回目の営業に向けては、トマトバジルシフォンケーキを作り、ランチになるような軽食プレートを試作しました。2回目の営業が数少ない最後の営業でもあるので、自分のLIVE PLATE というテーマを改めてふまえながら、どうしたらお客様にLIVE が伝わるのか考え抜いたひと皿になりました。