令和2年度 食文化栄養学実習

松田康子ゼミ■調理学研究室


Café felice
お酒を使った大人シフォン


 Café feliceへようこそ。Feliceとはイタリア語で「幸せ」という意味です。Café feliceには、シフォンケーキを食べて幸せになってほしいという願いが込められています。私たちはそれぞれがテーマを決め、そのテーマに合わせたシフォンを作り、カフェを運営します。
 私のテーマは「お酒を使った大人シフォン」です。私はお酒が入っているお菓子が大好きなので、お酒を感じることのできるシフォンケーキを提供したい、さらにお酒が好きな大人の方に喜んでもらえるようなシフォンケーキを提供したいと思いこのテーマにしました。しかし、シフォンケーキにお酒を使うと、焼成時間が長いのでアルコールや香りが飛んでしまいます。お酒の香りを感じることのできるようにお酒の配分など工夫と、シフォンだけでなくソースやクリームなどプレートの盛り付け部分でもお酒を加える工夫をしました。中間報告ではラム酒とコアントローの2種類のシフォンケーキを作り、今回はキルシュと梅酒の2種類のシフォンケーキを作りました。学校で試作を行うことができ、先生やゼミ生からもアドバイスをもらえ、よりイメージに近づくことができました。発表では、試作で気づいた点や工夫した点、お酒を使うのでその注意点を発表します。
 また、中間報告の前にはコロナの影響によりカフェの運営はできませんでしたが、10月と11月にカフェの運営をすることができ、合計2回カフェを開くことができました。カフェの内装から運営までをゼミ生で行いました。初めてのカフェの運営なのでわからないことも多くありましたが、プレオープンでの反省や先生とゼミ生で話し合いながらカフェの運営を行いました。さらに、先生やゼミ生と話し合いながらコロナ対策を万全に行いカフェを運営しました。このコロナ対策についても発表します。



Café felice
視覚から楽しむシフォンケーキ


 シフォンケーキで人々を幸せにしたい。その思いを込めてイタリア語で幸せという意味のfelice がCaféのメインテーマである。Café feliceでは、シフォンケーキを用いてそれぞれがレシピを考え、シフォンプレートとしてカフェで提供する。今年は新型コロナウイルスの影響でカフェの運営に試練が多くある。だが、幸せを提供するという思いのもと、来てくださるお客さんのために最大限の感染防止策を実行し、運営にあたり、お客さんが笑顔になって帰っていただきたい。
 個人テーマは視覚から楽しむシフォンケーキである。「おいしそう」と思うのは見た目、つまり視覚から得られるものである。シフォンケーキを見た瞬間からおいしそうと思わせ、幸せな気持ちになってもらいたい。それをふまえて、おいしそうだと感じさせる見た目の美しさ、盛り付けを演出したシフォンケーキプレートを作る。シフォンケーキをメインに様々な色を組み合わせて見た目でおいしいと感じてもらえる一皿につなげる。これまで作ったシフォンケーキは、フルーツをメインに色鮮やかにして、盛り付けにクリームやソース、ナッツを使い、色の組み合わせに重点をおいた。水分量や味の濃淡、香りを試作の度に比較して、より良いシフォンのレシピを試行錯誤して作ってきた。10月は3種のベリーシフォンで生地にベリーを入れ、ピンク色に仕上げた。盛り付けにソースやアクセントの黄色いかぼちゃクッキーをつけて見た目の華やかさを演出した。11月は抹茶と栗のシフォンケーキで単調にならないよう、緑と茶色を合わせて、秋を感じさせるおいしそうなシフォンにした。メレンゲやチョコレートも使い、盛り付けの美しさも兼ね備えた。完成になるまでは試作を重ねて、どう組み合わせたら良い味が出せるか、きれいな見た目になるかを考えてきた。その中で最高の出来のレシピや盛り付けを作った。



Café felice
LIVE PLATE ─いちばん美味しい瞬間を─


 私は、ゼミでカフェの運営をするにあたり、一番大切にしたいことがありました。それは、カフェに足を運んでいただくお客様へ、その時その場でしか味わえないひと皿を提供したい、という思いです。最近はコロナウイルスの影響で、UberEATS やテイクアウトなど、お店の味をお家で楽しむスタイルがかなり定着したように感じます。お店で注文をし、その場で召し上がっていただくにふさわしい価値を持った「生きているひと皿」が作りたいと思いました。
 4月から夏までは自宅での試作のみ行いました。春はシフォンケーキにお客様自身でコーヒーをかけて召し上がっていただくアフォガート風のプレートを作りました。コーヒーの浸り具合やアイスの状態で食感や味わいに変化の出るひと皿になりました。夏はさっぱり召し上がっていただけるよう、柑橘系のゼリーポンチを合わせたパイナップルのシフォンケーキを作りました。パイナップルの水分量を調節しながら、味や香りをしっかり楽しんでいただける分量を試行錯誤して完成させました。
 9月からは10月、11月にカフェの営業を行うことが決定し、一回目の営業に向けて試作が始まりました。実際に営業をするとなると、原価計算にはじまりコロナウイルス対策や提供時の流れなど、作りたいものを作るだけでは成り立たないことを改めて実感しました。それらをふまえ、完成したのがシナモンシフォンプレートです。2種類のソースとリンゴのコンポートを合わせ、お客様が自由に楽しめるひと皿にしました。2回目の営業に向けては、トマトバジルシフォンケーキを作り、ランチになるような軽食プレートを試作しました。2回目の営業が数少ない最後の営業でもあるので、自分のLIVE PLATE というテーマを改めてふまえながら、どうしたらお客様にLIVE が伝わるのか考え抜いたひと皿になりました。



Café felice
ドリンク×シフォンケーキ


 私の所属している松田ゼミでは、毎年シフォンケーキをメインとした学内カフェの運営を行っています。私の研究テーマは、ドリンク×シフォンケーキです。自粛期間中は思うように製菓材料が手に入らないことがあります。そこで私は、スーパーなどで比較的手に入りやすい材料であるドリンク(コーヒー、紅茶、果物ジュースなど)を生地に用いたシフォンケーキを提案することにしました。7月の中間報告では、自粛期間中に自宅で試作したオレンジシフォン、コーヒーシフォンについてまとめました。
 10月20日の営業にはこのコーヒーシフォンを、11月3日には新しく試作したほうじ茶シフォンを提供します。コーヒーシフォンには、どこでも買える缶コーヒーの他、さらに強く味を出すために粉末コーヒーを加えました。また、コーヒーと合うとされているオレンジ、キャラメリゼしたナッツを盛り付け、プレートにしました。ほうじ茶シフォンには、ペットボトルほうじ茶の他にほうじ茶パウダー、茶葉を加え、ほうじ茶をより感じられるよう仕上げました。営業するにあたって最も注意した点は、新型コロナウイルス対策です。例年より席数を格段に減らし、誰が何時にご来店いただいたか把握できるよう完全予約制、テーブルの上にはアクリル板を置き、飛沫感染防止、出入口での検温、食事前には手洗い、消毒を徹底していただくことを考え、来てくださったお客様が安心して召し上がれる環境にしました。
 シフォンプレートを提案する為に試作を繰り返してわかったことは、液体だけで味を強く出すのはとても難しいということです。よりおいしいシフォンにするには、液体だけでなくパウダーや茶葉を加える工夫が必要です。コロナ禍ではありますが、身近で手に入りやすいドリンクを使ってシフォンケーキを作ってみたい!と思っていただけたら嬉しいです。



Café felice
2種類の生地を使ったゼブラシフォンケーキの提案


 私たちが運営するカフェの名前はCafé felice です。felice にはイタリア語で「幸せ」という意味があり、シフォンケーキを食べて幸せな気持ちになってほしいという想いが込められています。
 個人テーマであるゼブラシフォンケーキは一度に2つの味が楽しめるよう、2種類の卵黄生地を使用します。生地を型に少量ずつ交互に流し入れることで、断面に綺麗な縞模様ができるのが特徴です。
 今年度の営業は新型コロナウイルスの影響もあり、プレオープンも含めて3回しか実施することができませんでしたが、発表では実際に提供したシフォンケーキについて紹介をしたいと思います。
 10月の営業では「ハロウィン」をテーマとし、「紫芋とカボチャのゼブラシフォン」を提供しました。プレートにはチョコソースで描いたクモの巣と、ブラックココアパウダーでジャック・オー・ランタンとコウモリを描きました。シフォンケーキに添えるクリームには紫芋とカボチャの2種類を用意し、どちらの味も楽しめるように工夫しました。紫芋とカボチャはペースト状のものを使用し、それぞれの生地に同量ずつ加えました。ペーストを使うことによって、卵黄生地の水分量を調節したり、同じペーストでも硬さが異なるため、生地の比重を合わせたりするのに苦労しました。
 完成したシフォンプレートへのコメントには「ゼブラ模様が綺麗で可愛い」「クリームとシフォンがよく合っている」など嬉しいコメントをたくさん貰うことができました。しかし、一方で内装や新型コロナウイルス感染予防対策については厳しいご意見を頂き、更に工夫・改善する必要があると感じました。
 11月の営業では色の違いがはっきりと出るココア生地とベリー生地を合わせた「ショコラベリーシフォン」の提供をします。12月には提供した結果も含めて発表します。



Café felice
五感で楽しむシフォンケーキの提案


 Felice( フェリーチェ) はイタリア語で『幸せな気持ち』を表す言葉。私たちの提供するシフォンケーキで、幸せな気持ちになってほしいという願いからカフェにこの名前を付けた。
 しかし、今年は新型コロナウイルスの影響で思うようにカフェの営業ができなかった。大学に登校できない間は、実際に営業したときにお客様に幸せを届けられるようにと自宅で試作を重ねてきた。実際に営業を行う時には、最大限の感染防止対策をし、安心してお客様に幸せになっていただけるよう努めた。
 個人テーマは五感で楽しむシフォンケーキの提案。前期は営業ができなかったので、視覚重視の見た目から想像できる味と実際に食べた味が違うようなシフォンケーキを提案した。後期は味・香り・見た目を重視したシフォンケーキを提案した。
 10月に提供したのは、りんごのシフォンケーキ。このシフォンケーキは特に味を重視して試作を行った。ケーキにしっかりとりんごの味が出るようにすりおろしやジュース、ジャムなどを使用してりんごの状態や使う量を検討し、何度も失敗を重ねながら最高のレシピに作り上げたと思っている。プレートにはアップルティークリームと生のりんごも添えて、たっぷりりんごを感じてもらえるプレートにした。
 11月に提供するのはバラ香るローズヒップシフォンケーキ。このシフォンケーキは見た目と香りにこだわって試作を行った。バラのシフォンケーキを作ろうと考えて試作を行っていたが、焼いている間に香りも味も飛んでしまった。そこで、シフォンケーキはローズヒップティーで作り、盛り付けでバラの香りを楽しんでもらえるようにした。10cmの型で作ったホールのシフォンケーキを鉢植えに見立て、バラのシロップで作ったゼリーでバラの花を表現し、香りと見た目を楽しんでもらえる盛り付けを目指した。