令和2年度 食文化栄養学実習

藤倉純子ゼミ■健康情報科学研究室


地域交流に根ざした私の理想の子育て
ARを活用した食育風景


 世界幸福ランキング上位国であるデンマーク発祥の「森のようちえん」は、主に野外で活動し、自然に触れながら子どもの感性・主体性を育てていく自然体験活動を基礎にした幼少期教育を行っている。日本でもこの10年間で増加していることに着目し、地域交流に根ざした「地域と一緒に育てていく子育て」をテーマに子育ての楽しさを追求し、実践することにした。地域交流の調査では「日高くるくるねっと」ニュースレター記事提供、広報、畑メンバーの一員として活動し、また、パーマカルチャーの勉強として、自然と共に生きる暮らし、持続可能なまちづくりを目指す「トランジションタウン高麗」畑メンバーの一員として活動しながら、本質的な豊かさを求め自然の暮らしを実践している。食教育現場に参加した様子をARを活用し、ポスターやリーフレットなどの紙媒体から情報発信できるようにムービーを作成した。
 昨今子ども達のアレルギーが増加しており、除菌など「過剰なまでの衛生環境」がアレルギー疾患に関係しているともいわれている。「森のようちえん」では、子どもたちが泥だらけで遊び、山登りや散歩など日中の活動を外で過ごすことが多く、農作業にも抵抗なく参加していることから食べられる野草の知恵がついている。これらの教育を目の当たりにして、私は子どもたちが風邪もひかずに丈夫に育っている理由を知った。そこで、幼少期からの自然体験の経験有無と、アレルギーとの関連を調べるために、大学生を中心にアンケート調査を行った。その結果、衛生面を気にしない回答者に対し、「キレイ好き」や「潔癖症」だと自覚ありと回答した者は成人発症のアレルギーが有意に多かった。これらのことから、幼少期の頃から自然に触れることの重要性は、将来の免疫力と自立心、そして幸福感にもつながるのではないかと考えた。子どもは子どもらしく、ひと昔前の日本のように元気で外で遊ぶことを提案していきたい。