令和2年度 食文化栄養学実習

藤倉純子ゼミ■健康情報科学研究室


これ食べられる?
~ゲームの作成~


 毎年自然毒食中毒により、3、4件の死亡事故が起きている。この事例に注目し、毒性を持つ植物、動物、キノコについて知識が自然毒食中毒の発生減少に寄与すると考えた。そこで、それらを学べるエデュテインメント型ゲームの製作を研究テーマに決めた。自然毒の中でも、致命率の高い植物性自然毒食中毒に焦点を当てたゲームにすることとし、ゲーム対象者は高校生、大学生とする。
 試作段階では、3DアクションRPGゲームの製作をしていたが、パソコンのスペック不足により、2Dゲームへ転向することにした。2Dゲーム製作のツールには「WOLF RPGエディター」を使用。ゲームはドット絵で構成されており、キャラクター規格は16×16である。ドット絵で表現できない細かいキノコの柄や植物の違いは写真を挿入により分かりやすくした。ゲームの種類は、毒を扱うことから、怖いというイメージを抱かせるために、ホラーアドベンチャーゲームを選んだ。内容は、森で迷った主人公が不気味な家に入りこんでしまい、そこからの脱出を目指すものである。戦闘は基本的にはなく、逃げたり、道具を使ったり、頭を使って考えることで話を進めていく。アクション要素に食中毒についての内容を盛り込み、解決していくごとに理解が深まるように工夫した。ゲーム内に出てくる植物性自然毒は誤食されやすい水仙やトリカブト、危険性の高いカエンタケなど全10種類である。また、原因食品とよく似て間違えられやすいニラやサトイモなどもアイテムとして使用する。ゲーム時間は60分を想定し、設計した。
 ゲーム完成後、対象者にプレイしてもらう際、ゲームプレイ前後で自然毒についてのテストを行い、知識の定着有無の確認を行う。また、事後アンケートにより、ゲームの操作性やエデュケーション面及びエンターテイメント面についてゲーム自体の評価を得る。