令和2年度 食文化栄養学実習

平野覚堂ゼミ■ビジュアル・コミュニケーション研究室


BAR ITEM
─モノでBAR 仲間を釣る─


 現在21歳である私は、BARで年齢を尋ねられて答えたときに、珍しがられることが多い。そして、「いい経験しているね」と言われることも多い。確かに言われた通りである。BARに行くことで得られるものは多い。それは、人との出会いだったり、お酒の知識だったり、マナーや常識だったりと。そして何より、BARに行くと、不思議な出来事を体験できることがある。たとえば、BARで偶然居合わせた自称占い師に、突然占われたことがある。また、偶然居合わせた人に、沖縄旅行に連れて行ってもらえることになったこともある。私にとってのBARとは、とても刺激的で、貴重な経験ができる場所だ。だが、私の周りの同世代の友人は、BARに行ったことのない人が多い。私は、一緒にBARに行ってくれる同世代の同志が、少しだけ居てくれればなぁ、なんて思う。同世代の同志とは、私のように、若いときから大人ぶってBAR に行くような人のことだ。たまにはひとりではなく、同志とBARに行って、「自分たちはいま、同世代の多くの人が味わったことのない体験をしているぞ」とばかりに、洒落たカクテルをもって乾杯でもしたい。そのような優越感を友と味わいたい。そのために、同世代の友人に、若いうちにBARに行くということへの価値を体験してもらおうと考えた。書籍やインターネット記事には、BARでのエピソードや、BAR初心者への心得などが載せられていることがある。しかしそれらは、元々BARに興味を持っていない人には読まれないだろう。ならば、パッと目に見える形として、BARに挑戦してみたくなるようなモノが存在すれば、BARに興味を持ってもらえるのではないかと考えた。本実習では、BARに行ったことのない友人がBARに挑戦してみたくなるようなアイテムを製作する。アイテムをきっかけとした、同志が生まれることを願って。