令和2年度 食文化栄養学実習

平野覚堂ゼミ■ビジュアル・コミュニケーション研究室


ものと生きる
─ものと人間が歩む未来─


 ものが豊富に増え便利な現代で、1つ1つものを大切に使っている人はどれだけいるのだろうか。ものは豊富にあるが、有限だ。ものがなくなったら人はどうなってしまうのか。ものは人間の生活を支える主軸の為、なくなったら十分な生活が出来なくなる。だが、良い未来や悪い未来を作り出せるのは人だ。私は本実習で人間と同じくものも「生きている」ことを第三者に認知し考えてもらいたい。
 私は本実習の作品で次のことを伝えたい。それは「ものの有り余る時代でどう生きるか」だ。ものは人間が自由に購入し使い、必要なくなったら捨てる。つまり、ものを扱い最後までどう使うかなど考える責任は人にあるということだ。ものの扱い次第で良くも悪くも、ものの運命が変わってきてしまう。本実習のテーマである、人が「ものと生きる」とはものの生涯を全うさせてあげることだ。本来の役目を果たせず山ずみになったものは「生きている」ことにはならないのだ。ものが豊富にあれば便利になるのは確実だが、その分使われないものが出てくる。私は1つ1つのものを大切に使い、家族にも第三者にも生活してほしい。その考えを第三者が持ち、生活を少しでも変えてくれたら幸いだ。
 作品のコンセプトを説明した上で自分の思い出かつ向き合う時間を増やしたいものを作品化していく。作品は、自分が思い出のあるものを料理で表現する。私自身が作品化する過程でものと向き合う時間が増え、料理を人間が“ 消費” することでものが朽ちていく過程を体験する。また料理という表現だけでなく、ストーリーでメッセージを補い、第三者がものに対する背景を料理と照らし合わせる仕掛けとした。この2つの表現方法でものとの向き合い方を見つめ直す。