令和2年度 食文化栄養学実習

平野覚堂ゼミ■ビジュアル・コミュニケーション研究室


健康健康うるせぇ!!
─健康関連食品市場が拡大している事への不安と疑問─


 「脂肪と糖の吸収を抑える」「ストレスを低減する」「タンパク質強化」。このように文字で大きく健康効果を訴えているパッケージをコンビニやスーパーに行った時、目にすることはありませんか? あなたはこのようなパッケージを見て、どう感じますか?  「美味しいものを食べて身体に良いなんて嬉しい」と私は思っていました。しかし、このような食品が増えるにつれ、好みやその時の気分で食べたいものを好きに選ばせてほしい、とも思うように。自分の体を気遣い、食べ物の機能のことを頭に置いて食べ物を選ぶことは大切です。しかし、人間が食べ物を食べるのは健康を維持するためだけではありません。食べ物を食べる事で人間は幸福感を得ています。更に、食べ物を選ぶ事も楽しい時間という人も多いのではないでしょうか。「美味しそう」「好き」。このように感情を優先して選んだ方がきっと食べることは楽しいのではないか? 私は健康効果の書かれた食品を見ると、そんな食べものに対する感情を否定しているように感じてしまいます。また、食べ物を選ぶ時、ふとこのようなパッケージを目にすると健康効果を必要以上に気にしてしまうこともあります。栄養素に気を取られ、一般的に体に悪いと言われている食品を選んだ時に罪悪感に襲われることも。私は、周囲の女子大学生がどのように食べ物を選んでいるか、私と同じような考えを持っている人がいるかが気になり、アンケートを実施しました。また。商品パッケージの法律や歴史、食品の健康効果が与えた影響について調査を進めてきました。調査結果を写真やインフォグラフィックという手法を使い、伝わりやすさや面白さを追求して発表作品を作っています。健康効果を謳った食品が私たちにもたらすのはメリットだけなのか? デメリットもあるのではないか? 増加させる意味はあるのか? 私が感じた不信感や疑問を解き明かしたい。