令和2年度 食文化栄養学実習

平口嘉典ゼミ■食料・地域経済学研究室


地域の食と観光の関連性について
地元小美玉市を例に


 「茨城県」といえば、魅力度ランキング最下位を取り続けていた県である。今年度は42 位と順位を上げたが、その印象は払拭できていないだろう。しかし、進学を機に地元を出たことによって、伝わっていない魅力があったことがわかった。私の故郷である小美玉市は畜産が盛んであり、生乳の品質がよい。その生乳を使用したヨーグルトは、濃厚な味わいである。また、「乳製品で乾杯」を推奨しているユニークな条例もある。農業も盛んであり、新鮮でおいしい野菜が手に入る住みよい街である。しかし、知名度は高くない。大学で学んだことを活かして、地元の力になりたいと思ったことが、研究動機である。
 本研究の目的は、観光と食の関係性について、小美玉市の特産品である「おみたまヨーグルト」を例に現状を分析し、考察することである。中間報告では、小美玉市の現状の把握や文献調査を行い、観光につながる要素があることを確認した。
 今回は、「おみたまヨーグルト」を製造している小美玉ふるさと食品公社と、小美玉観光協会にヒアリングを行い、おみたまヨーグルトのこだわりや、主な観光地などを調査した。
 小美玉市が目指していく姿はどういったものになるのだろうか。国土交通省の「食と観光の連携による地域活性化の具体的方針」によれば、地域ブランド構築の戦略には5 つのパターンがあり、そのなかでも「空間性や有力食材産地であることを売りにするブランド」が適しているのではないかと考えた。地域を知ってもらい、地域ブランドとして確立したあと、産地見学や限定品等で集客、食文化として定着させていくパターンである。以上を踏まえ、小美玉市の現状を例に、食と観光の関係について整理・分析し、小美玉市の食を観光に活かす方法を考察した。