令和2年度 食文化栄養学実習

平口嘉典ゼミ■食料・地域経済学研究室


耕作放棄地を活用して川越の農業を盛り上げよう


 授業で耕作放棄地について知り、重大な問題であると感じた。また、これまでの農作業の経験で植物の生命力に魅力や可能性を感じ、耕作放棄地を活用して農業の魅力を伝えたいと思い、研究テーマとした。本研究の目的は、耕作放棄地を活用した川越市の振興である。そのために、市役所や生産者の方にヒアリングを行い、市の農業や耕作放棄地再生プロジェクト等の現状を把握する。また、耕作放棄地再生プロジェクトに参加し、米作りを体験した。
 川越市農政課へのヒアリングを行い、川越市の農業の現状について調査をした。耕作放棄地の発生原因は、耕地整理されていないなど土地条件が悪いことや、農地の借り手がおらず土地持ち非農家が多いことである。川越市の笠幡では現在、市民団体「うまい米を作らん会」を中心に耕作放棄地再生への取り組みが行われている。この会では、昔ながらの手作業で米作りを行っている。会員数は13名と、労働力不足が課題である。
 私は、「うまい米を作らん会」へ入会し、会員として米作りに参加した。また、会の活動の活性化のために、収穫したお米と川越農産物を使用したレシピの考案を行い、稲刈りの際に参加者におにぎりを振る舞い、とれたての新米をいち早く味わってもらう企画を実施した。
 研究を通じて、川越市では農家の方々を中心に農地を保全する活動が持続的に行われていることが分かった。今後は消費者との交流イベントなどを開催し、農家だけではなく、地域の人と皆で保全していくことが大切だと考える。