令和2年度 食文化栄養学実習

平口嘉典ゼミ■食料・地域経済学研究室


群馬県邑楽町の六次産業化
ひとりの若者の視点から


 幼少期から高校まで人生の多くを過ごした地元・群馬県邑楽町は自分の生活を支えてくれた場所である。大学で学んでいく中で、栄養学の知識と生まれ育った邑楽町の農産物を結び付けた生産者と消費者を繋げた地域振興をしたいと考え、この実習テーマにした。
 本実習の目的は、農産物を使った加工品考案やその販売を通して、町民一般に対して地産地消を推奨すること、また、これからの時代を担っていく若い世代に農産物と食の繋がりを認識してもらうことである。そのために邑楽町役場・農業振興課へのヒアリングを行い、町内直売所の農村レストランにおいて地元農産物を使ったメニュー提案を行った。
 農業振興課では、農業就農者への助成や、農産物の生産量、直売所、加工品の現状について把握した。また、農村レストランや産業祭等の食を提供する機会が多くあり、町全体で様々な食活動が行われていた。最近では新型コロナウイルスの影響を受けて、テイクアウトや出前をとることが出来る「邑ごはん」という事業を町が開始し、町内飲食店をHP で公開し、事業者を支援する取り組みを行っていた。
 今回、町内農産物直売所に併設された農村レストランでメニュー提案をさせてもらうことになった。大学で学んだ栄養学をもとに、若者である自身の視点から地場野菜を使用したメニューを提案した。
 地元である邑楽町は多くの食の行事・提供・支援を行っているのだと知り、時代の流れに対応した政策を行っていることに関して魅力を感じた。私達の食生活は農産物を作る人がいるから成り立っており、食は人と人を繋げられる一種のコミュニケーション手段である。時代の流れに対応しながら、食を通した活性化活動を多岐にわたって行うことで、町内のみならず全国に発信できるのではないかと考える。