令和2年度 食文化栄養学実習

平口嘉典ゼミ■食料・地域経済学研究室


緑茶の消費量の増加を図る商品提案


 私は珈琲が好きで嗜好品の奥深さを感じている。オリンピックを控えており日本文化を見直すという意味で日本人に身近である緑茶に焦点を当てて研究しようと考えた。総務省家計調査等を調べてみるとペットボトル入り緑茶は近年消費が伸びているが、緑茶( リーフ茶) の消費量が低下している事実を知った。緑茶の消費量低下に伴って、急須等から緑茶を飲む習慣がなくなりつつあり、日本の食文化が失われかねない危機的状況だと考える。私自身も家計調査の通りで緑茶を近年消費しなくなった。
 本研究の目的は現代の人々のニーズに寄り添った緑茶の商品提案をおこない、消費増加につなげることである。大学と親交の深い埼玉県鶴ヶ島市の茶業協会や川越市の和菓子店と連携し研究を進める。調査方法は、公的機関が出している統計資料の調査・分析、埼玉県鶴ヶ島市役所および関連業者へのヒアリングである。
 これまで、鶴ヶ島市産業振興課の方にヒアリングをおこなったところ緑茶の消費量が低下しているという事実を知った。また、小学生を対象としたお茶の淹れ方教室の開催や婚姻届けを提出した夫婦への急須と狭山茶の贈呈など、急須から日本茶を淹れる魅力を伝えるイベントや取り組みを行っていた。自治体も若者の日本茶離れについて危機感をもっていること、そして少しでも日本茶が若者の日常生活に取り入れられて欲しいという強い思いをヒアリングを通して感じた。鶴ヶ島市を含む狭山茶を生産している農家は主に現地での販売を主としておりオンライン販売を行っていないのが特徴であった。
 また、川越市の和菓子店において、20代から30代の若者をターゲットにした河越抹茶を使用した商品の提案と販売を行い、若者に対して日本茶や狭山茶の魅力を発信する取り組みを行った。