令和2年度 食文化栄養学実習

平口嘉典ゼミ■食料・地域経済学研究室


鶴ヶ島サフランを通した地域振興


 埼玉県鶴ヶ島市は、サフランと農産物の生産が盛んな地域である。市のふるさと納税の返礼品としても採用されているサフランを、おいしく家庭料理に取り入れてもらいたいと考え、研究のテーマとした。
 本研究の目的は、鶴ヶ島市の特産物であるサフランと地元農家の野菜のおいしさや魅力を発信することである。そのために市役所の方やサフランに関係する農家の方にヒアリングを行うとともに、関連するイベント等に参加した。
 これまでに鶴ヶ島市産業振興課の担当者にヒアリングをし、サフランの生産状況や地域振興に取り入れたきっかけを調査した。課題としては、農家主体の組織としてサフランの販売までを行う方式への移行、農家の高齢化への対応やそれに伴う農業人口の減少などが挙げられた。これまでサフランの販売やPR 活動では市産業振興課が積極的に関与してきたが、来年度以降は市内の農家が中心となり、サフランの生産からPR 活動、販売までを行うこととなった。
 次に、サフランと地元野菜のおいしさや魅力を発信するために、期間限定のカフェ営業を企画した。これまでにゼミの先輩が実施していた「IRODORI CAFÉ」を引き継ぎ、カフェで提供するメニューを考案した。店内飲食とテイクアウトのいずれにも対応できることを想定し、サフランコロッケサンドイッチとサフランタピオカドリンクを考案した。
 これらの研究により、今まであまり知られていなかったサフランの薬効や、パエリア以外の料理にも使用できることを知った。サフランというとなかなか家庭料理に取り入れるのは難しいと思いがちだが、コロッケなどの料理に混ぜ込むとおいしく取り入れられることが分かった。