令和2年度 食文化栄養学実習

田中久子ゼミ■公衆栄養学研究室


減塩食のススメ
おいしく高血圧予防、一人暮らしにもピッタリ


 厚生労働省が発表している平成30年度「国民健康・栄養調査」のデータによると今日の日本では、20歳以上の国民2人に1人は高血圧であるというアンケート結果があります。高血圧は、生活習慣病に最も大きく影響する要因の1つです。高血圧予防に効果的な対策として、食塩摂取量の見直しや適度な運動、禁煙などが挙げられます。中でも、「食塩摂取量」に着目したいと思います。一概に生活習慣病と言っても、肥満、糖尿病、骨粗しょう症など、症状も様々です。私の祖母は食習慣による「肥満」により足を酷使したことから、以前と比較して外へ出ることが少なくなったと聞いています。改善するべく祖母は四群点数法を取り入れ、食事摂取の指標を知ったことで1 年をかけて約20㎏の健康的な減量に成功し、現在も適正体重を維持しています。
 1月にフィールドワークとして川越市にあるコミュニティカフェ「リフレ」へ訪問しました。利用者の60代~ 80代の男女10名に話を伺ったところ、高血圧予備軍と診断された方が2名いました。話を伺ってみると濃い味付けを好み、うどんやラーメンの汁も全て飲み干しているというエピソードを聞きました。このことから、普段の食事や塩分摂取量を見直すことの重要性に気づきました。中間報告では食塩摂取目標量を基に、1食あたりの料理群別食塩摂取量の目安を設定しました。当初、コミュニティカフェ「リフレ」で減塩メニューを提供する予定でしたが、コロナウイルスの影響で断念をせざる得ない状況になりました。そのため、おうち時間を活用し家でできる減塩食の提案をします。食事は毎日作り食べるものなので、少しの工夫で減塩できるポイントや、減塩に即した調味料の効果的な使い方などをご紹介します。少しでも興味を持っていただき、家庭の食卓で実践していただけたら嬉しいです。